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少子化問題の転換点になりうる要素

日本の少子化は歯止めが掛からず今年は出生数が80万人を割り込むことが確実となった。

ネット上では「少子化の解決なんてもう無理だ」「地方を捨てて都会に移り住むか海外に逃げるしか術はない」等と極めて悲観的な意見も散見される。問題の要因があまりにも根深く改善する見込みがないのでそういう受け取り方をする人がいる事は不思議ではないだろう。

・転換させる要素とは


しかし、筆者としては必ずしもこの詰みの状況が延々と続くとは限らず、解決に繋がる社会の大きな転換がやってくる可能性はあると思っている。

なぜか、それは日本の文化は欧米に触発されやすく、欧米の後を追う形で変化するからである。

個人の自由を尊重し、性別や属性による差別をなくそうという人権思想も欧米から輸入されたものだし、自動車などの近代産業も欧米社会に追いつけ追い越せで成長してきたものである。常に日本にとって欧米とは目指すべき指標であり、遅れをとっているというコンプレックスの対象なのである。


故に、欧米の文化や世界に向けた主張が変われば確実に日本も後を追って変化していくのである。常に欧米を神格化してやまないリベラルの人達が先導する形で。


この流れが少子化の問題でも起きる可能性は大いにあると思っている。

少子化問題の解決を難しくしている要因として、根本の所に切り込もうとすると人権侵害にあたる可能性が大きい事がある。もし政治家や専門家がそこに触れれば世間から袋叩きにされてキャンセルされてしまう。そのためそれらの分野には一切触れず子育て支援等の実際には大した効果のないもので道徳を担保しながらお茶を濁すしかないのである。


それは欧米も同様だ。今年は多くの国で出生数が激減し、日本と同等かそれ以下の出生率となる国が多発する模様である。昨年出生数の上昇を見せた北欧も今年は反動を見せるかのように落ち込んでいる。


・困った時のルール変更


しかし、欧米は姑息だが、他国に勝てる強みを持っている。自分達にとって不利な環境になるとルールそのものを書き換えてしまうのだ。

ドイツが特に分かりやすい。vwでディーゼル車の環境基準の不正が明らかになったときは、直後に電気自動車を普及させる事を名言して世界各国もそれに追従した。原発を廃炉にすると言って冬場に電気が足りなくなる恐れが出てきたら、その方針もあっさりと転換した。常に自分達が有利になるようにルールそのものを書き換えてしまうのが彼等の常套手段なのだ。



これまで欧米では少子化が進んでも前述の子育て支援と移民でなんとかしてきた。しかし、治安の悪化などの要因で現地では既に移民受け入れに否定的な声が高まっている。白人の血が途絶える一方で、他所の種族に国を乗っ取られることを彼等が黙って受け入れるとは思えない。

また子育て支援についても、北欧やハンガリー等の施策が出生率向上に結びついていない事が明らかとなってきた。今後これまでと同じ方法を取り続けて対策をするのは厳しいであろう。


となれば方法はただ一つ。行き詰まったタイミングで今までの方針を全部ひっくり返して、少子化が解決出来るようにルールを変えてしまうのである。

自由と平等を重んじる思想を転換して「若い者は次世代に豊かな社会を残すために子供を育てるべきだ」「行き過ぎた平等思想は社会に混乱を招く、男女それぞれの性質に合わせた制度づくりをしていくべきである」、等と最もらしい文言で自らブレイクスルーを作るのである。そして、日本は少し遅れを取る形で真似をし始める。ここでも今までと同様にリベラルと呼ばれる人達が先導して主張をし始める。その過程でこれまで自分達が差別であると批判してきた事も言い始める。

こうして、少子化は詰みと言われている状況は是正され、子育てやジェンダーが規範となる社会へと回帰していくのである。ありえないと思うだろうか?少なくともこのまま黙って滅びを受け容れる"正しい人"ばかりでは無いと思う。日本もあちらも。

・日本が取るべき行動


日本が欧米に触発されやすい国であるからこそ、欧米の価値観の変革には常にアンテナを張っておくべきであろう。そして人権第一の思想がいよいよ変わり始めたら真っ先に世間にそれを発信していくのが望ましい。そうすることで欧米からの遅れを最小限に留め、少子化の早期解決に繋げることが出来る。欧米に振りまわされ続けるというのも正直どうかと思うのだが、そういう国の性質がある以上、活用しない手はないだろう。

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