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今の若者にはお見合い結婚が向いている理由



白饅頭さんのこちらの記事を見てそう感じた。

今の若者はスマートフォンなどから得られる大量のコンテンツを消費することに追われており、ひとつの物に時間をかけることに耐えられなくなっている、その一例として、舞台や映画などの演劇では若者が寄り付かず、高齢化が進んでいる、という話だ。

文中ではタイトルの通り、若者が今置かれている現状とそれに対して演劇はどうあるべきか、ということが主題として書かれていた。しかし、筆者はこれは昨今の若者の恋愛離れにも通じる話だと思っている。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000022091.html

全体では昨年から約4ポイント減の56.3%が「交際経験あり」と回答しました。直近では、2018年以降3年連続で6割を上まわる割合で推移していたものの、今年は6割を下回る結果となりました。男女別の前年比較においては、女性の方が減少幅が大きいことが分かりました。男性が前年とほぼ同水準で微減、女性は8ポイント減少しました。

好きな人と仲良くなる、いい関係を続けるために時間も金も労力も多分にかける必要があり、そこまでやっても上手くいくかどうかは分からない、恋愛は上手くいけば抜群の幸福をもたらしてくれるが、一方で非常に効率が悪くて不確実なものでもあるのだ。このような状況で手軽に、そして確実に満足感を得られる娯楽が多数出てくるとあっては、それらに役目を取って代わられるのは必然である。

当然、これは恋愛を経ての結婚もコスパが悪いものとみなされて忌避されることに繋がる。

1996年からの年次推移でみると、2021年の「結婚したい」新成人の割合は、過去最低の水準であることが分かりました。
直近数年で最も低かった2016年(74.3%)を1パーセント下回る結果となっております。

自然な出会いにしろ、婚活にしろ、お金と時間をかけて関係を深める必要があり、失敗する可能性もあるのは恋愛と同様だ。膨大な数のコンテンツが誕生し若者がその消費に追われることは最終的には非婚化や少子化にもつながるのである。

しかし一方で、この事実からある推測が立てられる。時間をかけず、効率よく良い相手と出会える仕組みがあれば、結婚に至るためのハードルは大きく下がり、結婚できる若者が増える可能性があることだ。

だからこそ、タイトルにもある通り、昔ながらのお見合いが今の若者が結婚するうえで非常に有効な手段であると考えられるのだ。

近所の世話焼きおばさんが相性の良さそうな相手を探し出してきて紹介してくれる、見合いの場のセッティングやその後の進展のサポートも親身になってやってくれる、この仕組みは時間的にも労力的にも非常にコスパが良い。今の若者の置かれた環境にも非常に適しているのだ。

よくありがちなお見合いを謳った自由恋愛婚活サービスのようなものではなく、本当におせっかい焼きのおばさんが良い相手を見つけて出会わせてくれる、時間や労力の負担を減らしつつ結婚へ至れる昔ながらの仕組みをぜひとも今からでも復活させてほしいと筆者は思う。勿論、希望者のみとして、結婚への圧力だと言われる状況を回避した上でだ。

もう少し現実的な方法を突き詰めるなら、婚活サービスにおいてAIによるマッチングサービスを義務化するのもありだと思う。恣意的な工作をされない限り機械は噓をつかない。理想や感情に振り回されない本当にいい相手を自分に紹介してくれるこのサービスは、活用次第で時間も労力も大きく節約してくれる。お見合いの制度とも通じる性質がある。現状では有料の婚活サービスでは多数導入されているが、無料の婚活サービスでももっと有効活用されるべきだ。

お見合いは他所の人間に結婚に口出しされるのが嫌だ、自分で好きな相手を見つけて結婚したい、という価値観の台頭と引き換えに衰退し、今日ではほぼ見かけなくなった。だが、その不自由や干渉を伴う仕組みは、世の中を安定して保つためには不可欠な物であったし、個人にとっても結婚からあぶれる人間を可能な限り減らせるという恩恵があったように思う。昔の人の知恵や伝統は舐めてかかるものではない。

今の若者が置かれた環境、非婚化や少子化という大きな問題に悩まされている今のこの国を、伝統ある文化が救ってくれるかもしれない。ぜひともその価値が見直されて、復権が実現して欲しいと思う。


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