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日本はポルノ大国だと思う

ただし、昨今やり玉に上げられる萌え絵や胸を協調した広告の事ではない。


ツイッターで毎度のようにバズを形成するコンテンツがある。


・女性は30代40代になってもキラキラ輝くことが出来る!若さだけが女の価値じゃない!

・夫が家事をしてくれない!理解してくれない!ストレスをため込んでたら子供(もしくは他の誰か)がガツンと言ってくれた!

・女性はみんな見えない所で傷ついているし苦しんでいるの!男も社会もそれを分かって欲しいし配慮して欲しい!


いわゆる女性の気持ちを代弁し、時にそれを理解しない者を成敗する、いわば女性向けスカッとコンテンツだ。

これらは女性たちがあくまで主観的にとらえた感想でしかなく、それが事実であるかは全く異なる。女性が年をとればとる程結婚も子育ても難しくなっていくことははっきりと表れているし、子育てにしたって男性は外に出て稼ぐという重要な役目を担って子育てに貢献している。自分自身に責任やその原因があるにもかかわらずそれを都合よく夫や社会に転嫁しているケースだってある。


https://www.prospectivestart.jp/60reason/60reason06.html


データ2


https://belta.co.jp/pregnancy/30s_40s/

妊娠確率
1年以内妊娠率


こうした事実を無視した発言がなぜバズるかといえば、それが女性たちを気持ちよくさせてくれるからに他ならない。

女性はコミュニケーションの中で解決策よりも共感を求める傾向が強く、また自分に責任が降りかかる状況を回避したがる他責的な人が多い。そういった人にとって表面上は綺麗なことを言い、自分が共感出来る発言であれば、たとえそれが事実でなくとも「いいね」を押してしまうし、リプ欄で称賛の発言を送ってしまう。

こうした自分がとにかく気持ちよくなれればいいという性質は、紛れもなくポルノのそれである。投稿者がその自覚なしに投稿をしているならともかく、ウケを狙ってやっているならばゾーニングを叫ばれているエロコンテンツと同類のものであると言えるし、他人がガツンと言ってくれた趣旨のツイートはその発言者を搾取しているも同然だ。褒められたものではない。


・一般メディアに進出するポルノ


ツイッターだけでも十分に問題があるこの事象であるが、近年ではそれがテレビやウェブメディアなどのより公の区域にも進出しているのを見かける。


https://flowers.shogakukan.co.jp/work/300/


https://veryweb.jp/kids/289631/


https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/02/21/kiji/20220221s00041000198000c.html


記事や著作であれば執筆した本人が「お目覚め」の果てにこういった記事を書いている可能性はありえなくはない(おそらくミステリという勿れはその可能性が高い)が、少なくとも芸能人の放つこういった発言は、こういうことを言えば世間から好感を得られるという確信をもって言っているものだろう。

こうした発言が公に出てきたのは、おそらくテレビに親しむ層が高齢化し、その中には30代、40代を迎えた女性が多くいるためと考えられる。


Screenshot 2022-04-29 at 19-33-24 PowerPoint プレゼンテーション - 20210521_1.pdf


若者を新しい顧客として取り込むことが難しくなっている以上、それより上の世代をターゲットにおいてファンを獲得するのは理に適っている。その中でも加齢により結婚も子供も望むのが難しくなってきた女性たちには「結婚以外の幸せや輝く人生がある」と言い、子育て中の母親には「辛いよね、夫も周りも理解してくれなくてひどいよね」と言えば瞬く間に女性たちの共感を集め、絶賛してもらえる。このような女性向けポルノは商売として極めて効率的なのだ。


実はこうした商売はかつてから存在していた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AF%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4


雑誌クロワッサンも、かつては女性に対し男性に頼らない、自立した女性像を提案し、多くの女性から称賛を得ることに成功した。しかしそれは、商売の為に都合よく脚色されたものであり、それを真に受けた女性は後年地獄の道を歩まされることになった。


読者たちにとって雑誌『クロワッサン』はシングルという新しいライフスタイルのモデルを生涯に渡って提示し、将来ライフステージの各段階で、同世代の専業主婦から羨望させるおしゃれな生き方を提示し続けてくれるはずだった。かつて20 - 30歳代のとき、母親達が口うるさく勧めるお見合い話を拒絶することが出来たのも、同じ生き方をしている同世代の女性たちが存在し、彼女らもまた『クロワッサン』の信奉者であり同志であるという確信であった。しかしながらその確信が全て崩れたとき女性たちは言いようのない失望、虚脱感、孤独感、そしてぶつける対象を見出せない怒りを感じることになった。


今日でも女性を気持ちよくさせるポルノコンテンツは量産されているし、おそらく今後も出続けるだろう。だってウケるし、売れるから。だが、それに惑わされた女性たちが幸せになれる保証はどこにもない。

女性自身が情報リテラシーを身に着けられるかが、こうしたポルノから抜け出せるかの大きなカギになるが、共感重視でものを考えているうちは厳しいかもしれない。たとえ顰蹙を買おうが、スルーされようが、周りがしつこく批判していくしか道はないかもしれない。


追記
記事書いた直後にこれである。

https://www.businessinsider.jp/post-253208








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