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湊総長像の話題性と違反性 ~ファン独自のメタバース

今年も京都大学に「折田先生像」が設置される季節となりました。

そんな「折田先生像」とは何かと言われると、本来の銅像としての折田先生像と、その銅像への落書き、また、模倣したオブジェが置かれる伝統の二つの意味を持っている。
そんな「折田先生像」は本来の歴史込みでWikipediaにもまとめられている。

しかし、一昔前は黙認され、風物詩とまでされていた「折田先生像」もエスカレートによって、大学側も年々と規制、管理していくことになった。落書きのされすぎで、銅像の撤去に至ったのも、その一つである。
また、無断で著作物を使っているため、一部では著作権を保有する企業からクレームも言われるケースも出ている。

そして、今年に至ってはコロナ対策の観点からも、こういった像設置等に対して事前に慎む様の通達があった。それに数年前には像設置を巡って一悶着があって、設置者に対して厳しい処分が言い渡されたともあるとか。

一応は風物詩として認知されていても、元々は落書きから始まっているだけに合法的な行為でない。それだけに、こうなっては大学側も厳格に対応していくしかない。

ここは東京都の様に、訳も分からない落書きはもしかすると有名アーティストによるモノと擁護して美術品と認定する訳に行かず、落書きとして処理するしかないのだろう。

■湊総長像はガイドライン違反?

さて、そんな今年の「折田先生像」は先の記事にも記載されているように、「かいけつゾロリ」に登場するノシシである。

ただ、今年はVTuber湊あくあ、「ファイナルファンタジーVII」のセフィロスの像も設置されている。ただし、これらの像は「折田先生像」の様式から外れているため、本流ではなく別扱いとなっている。
(実際、湊あくあの像も「湊総長像」と書かれており、大学の現総長、湊長博の「湊」繋がりのネタである)

そんな湊あくあの像に関して言えば、ホロライブが出している二次的創作ライセンス規約を普通に解釈しても違反している。

第4条 (本キャラクターの利用許諾範囲)
(略)
(2) 本キャラクターの名誉・品位傷つける行為をしないこと
(3) 公序良俗に反する行為や目的、暴力的な表現、反社会的な行為や目的、特定の信条や宗教、政治的発言のため利用しないこと

元々、これらの像設置に関して大学側も厳格に対応している。そのため、すぐさま撤去を求める張り紙を像に対して貼られている。
不法に像を設置することは「公序良俗に反する行為」であり、違法性のある行動は「本キャラクターの名誉・品位傷つける行為」になってしまう。

先日も水龍敬がホロライブに対して何らかの発言をした際にも、このガイドラインの内容で氏へのエロ同人誌に対して批判する人もいた。
また、ついでにエロ同人誌に関連して話を出せば、「ウマ娘」に置いても同様な注意事項が出されている。

応援してくださっているファンの皆さまにご注意いただきたいこと
(略)
キャラクターならびにモチーフとなる競走馬のイメージを著しく損なう表現は行わないようご配慮いただけますと幸いです。

この「折田先生像」を巡る話題はネタとして扱われてはいるが、行動だけでなく本来、著作物を扱うスタイルとしても違反している。

だからこそ、話題性があるといっても、著作を有する側が軽々と扱っていいネタではない。
だが、湊あくあ、ホロライブはこのネタを軽々と扱っていた。

配信を見ていると、ホロライブ側もこの像に対する話題には苦笑いの様子。それでも問題なく配信内でネタとして取り扱っている。これを見ると、この像に関してはガイドライン上、問題なしと見ているのだろう。
ある種、ファンアートをサムネイルに使用する感覚なのかもしれない。それゆえか、湊総長像に対して感謝の言葉も語っていた。

しかし、何度も言うようだが、「折田先生像」は話題性はあるにせよ、大学内でも違法行為である。実際、公共の場でこんなモノを置いても、違法性がある。

これではガイドラインが、ある種のダブルスタンダードになっている。

第4条 (本キャラクターの利用許諾範囲)
(略)
(5) その他、当社が不適切と判断する行為に利用しないこと

先にも触れたようにバンクシーの作品なら、アートだから落書きであっても落書きではないと犯罪に問われないとするのは本来おかしい。兵庫県ではバンクシーと思わしき作品に対して、警察に被害届を提出している。
東京都は逆にアートとして、無罪どころか逆に税金を投入して見世物としている。

確かに話題性では配信にも取り扱う気持ちは分からなくはない。東京都とてそうしているのだから。だが、権利を管理する側がこれをオッケーにしてしまっては、他のケースでも同様にオッケーにせざるおえない。判例となってしまったのだから。

水龍敬の話に繋げるわけでもないが、違法行為に近いモノでもガイドライン上と照らして問題ないのであれば、エロ同人誌ぐらいで目くじらを立てるなという話になってくる。
(この件の真相は不明ではあるが、エロ同人誌が起因ではないらしい)

それにこの件を扱うにしても、最後に「イメージを著しく損なう表現」などになるから遠慮するように苦言としておくことが、今の時代の正解といえよう。

後、この件ではセフィロス側の坂口博信も言及はしている。ただ、彼は今はスクウェアの人間ではない。権利を持っていないだけに、我々と同じ赤の他人という逃げ道はあるだろう。
それでも当時の関係者が発言するには、やはり褒められたモノではないだろう。


さて、今回の話題とは関係性は少し薄いのですが、記事内でも触れていたようにホロライブと水龍敬の件に関して語りたいと思います。ただ、情報がまだ不透明である点、無料公開して語るに少しリスクのあるので、この部分は有料記事とさせて頂きます。

内容としては、本編でも触れたガイドラインとエロ表現に関してや「水龍敬ランドのメタバース」と「ホロライブのメタバース」。そして、そこから見えてくる今回の件とは、といった内容になります。

興味のある方は、有料とはなりますがお付き合いください。


――――――有料パート――――――
ここからは有料記事となります。


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