見出し画像

『探偵はもう、死んでいる。』EDテーマを唄うカグラナナの違和感と起用の理由とは

さて、私の記事でも何度か題材、ネタにしている『探偵はもう、死んでいる。』ではあるが、そのEDテーマがVTuber(作品アカウトでの紹介はVアーティスト)カグラナナ氏が担当される事に、私はびっくりした。

ただ、私がこの事実にびっくりしているのはVTuberがアニメで起用された点ではない。作品アカウトでの紹介でも、ななかぐらとしてイラストレーターをされていることが明記されている、この点である。

ななかぐら名義でもライトノベルの挿絵を描かれている。そんな同業者である氏に別のライトノベル原作のアニメで曲を歌うのは、私には違和感しかない。

これに関しては上手い例を出せないが、例えるなら、とあるアイドルグループのドキュメンタリー作品に対して、唐突に別のアイドルの曲で締められるような感じではないだろうか。

今回はこの違和感をもう少し掘り下げながら、最後に『探偵はもう、死んでいる。』でカグラナナが起用された理由についても推測していきたい。

■違和感がある起用

そもそも、VTuberにアニメの曲を歌って貰うにしても、知名度なども含めて適した人が他にもいただろうと思う。実際、『探偵はもう、死んでいる。』のアンバサダーとしてVTuberの白上フブキと夏色まつりが、以前から公式の場で語っている。

彼女らの起用であれば、流れとしては自然である。先に語ったイラストレーターとの側面以外でも、カグラナナの起用は違和感を覚える。

それを言い出すと、この作品の初期PVでは悠木碧がナレーションを担当され、その事からヒロインの声も担当されていた。だが、アニメ本編ではその声優も変わってしまった。
カグラナナの起用はその程度の話でもある。それゆえ、私の違和感など大人の事情で説明がつく話である。

また、以前より声優がアーティストとして活動することも珍しくもない。ただ、アニメでOP、EDで声優が歌うとなるとやはり、出演している人である事が大半だった気がする。
それもここ最近ではアニメの出演に関係なく、OP、EDを歌っていることも珍しくなくなっている気がする。

こういった背景は詳しくは知らないが、同じ声優でありながら、音楽レーベルが別であるからなんだろうと、大人の事情だと察しられる。

その証拠に、カグラナナを作品アカウトでVアーティストと紹介されている通り、カグラナナは歌手として芸能事務所に所属している。それも去年の段階での話である。

今回の起用は単純にイラストレーター、VTuberではなく、Vアーティスト、カグラナナでしかない。

ただ、それでもライトノベルのアニメ作品に、イラストレーターとはいえ同業者の起用でもある。VTuberとしてみても、既にアンバサダーがいる中である。そもそも、声優とてアーティストとして活動している。

この起用にはやはり違和感、不自然さがある。それは私に限った話ではないと思う。

そういった中でも、『探偵はもう、死んでいる。』でカグラナナの起用した理由とは何か?これはアニメ化、商業作品である。理由もなしに、違和感ある起用はしないだろう。

次は、これについて考えてみたい。

■シエスタとカグラナナの共通点

『探偵はもう、死んでいる。』のヒロイン、シエスタとカグラナナにはある共通点に気が付いた。その事が今回の起用に大きな意味があるのではないかと、私は推測している。

PVのサムネイルになっているのがヒロイン、シエスタではあるが、カグラナナとの共通点が見えてくるだろうか?

答えはシンプルである、『髪の色』である。最も、シエスタは白髪とされているが、カグラナナは青系だろうが、光の加減やイラスト、3Dの違いでは白に近く見えてくる。

少なくとも、Twitter上での告知画像ではかなり白に近い印象である。それに現在のTwitterアイコンと髪の色を比べると明らかに違って見える。
また参考までに立体物であるフィギュアからだと、髪の色に関しては見やすいかも知れない。

さて、例え『髪の色』が同じだけで、起用に至ったとしたら馬鹿な話だろうと思うかもしれないが、こと白い髪では持つ意味が違ってくる。

中国で人気のあるVTuberは白髪であること多い。そもそも中国の歴史的に白髪、銀髪に対するキャラクターに対する人気が高い。

実際、bilibiliでのVTuberランキングでは、カグラナナの人気は現在、VTuberの代名詞であるキズナアイやホロライブの湊あくあなどよりも上位である。

そして、同じように中国での日本のライトノベル人気も高い。むしろ、ライトノベル原作のアニメといった方が正しいかも知れない。ネガティブな話題とはなるが、「無職転生」のアニメが中国で炎上していた。詳しくは触れないが、単純に人気から来る炎上であった事は言えるだろう。

『髪の色』が共通点とは語ったが、真の意味での共通点は中国での人気が約束されている点である。「ライトノベル×VTuber」は日本においては爆発力は限定的ではある。
だが、「(日本の)ライトノベル×VTuber×白髪」だと中国に置いてはとんでもないモノであろう。

先に語った「無職転生」だけでも、ネガティブであっても日本国内にない爆発力を見せている。また、日本国内だけでもネガティブな話題にありふれていながら、アニメ化に対しては特に話題にならなかった「回復術士のやり直し」に対しても海外人気の方が高く見えている。

あくまでカグラナナの件は私の推測ではあるが、日本のライトノベルのアニメ化を取り巻く環境というのは、完全に海外へとシフトしているのは明白である。
そういった状況も考慮して、この推測に至ったわけでもある。

■推測した上での、真の違和感とは

以前より、私の記事では触れていることではあるが、現在のライトノベルは今までに無い変化を見せている。そもそもが、時代に合わせて変移しているメディアでもある。

それはVTuberにおいても、同じ事は言えよう。

VTuberの代名詞であるキズナアイと先に語ったが、人によっては異論があろう。ただ、少し前ではその異論はほぼなかった。現にキズナアイのような動画スタイルは今のVTuberでは珍しい方になっている。
主流は完全に変わっている。

今回の起用は、どのような意図、様々な意見が合っても「ライトノベル×VTuber」というコラボでしかないだろう。確かに、このコラボは過去に例があるとはいえ、ここまでの商業作品だと初めてのケースといってもいいだろう。

それが良い方向に働ければ良いとは思っているが、ただ私の推測ではそれは日本国内に向けられたモノなのか微妙だと思っている。そう、自分の国のコンテンツが、国内に目を向けられていないと思うと、違和感しかない。

あくまでカグラナナの起用に関しては、私の推測ではある。

それでも現状、「無職転生」を始めとしたアニメ作品は海外でも人気があり、「回復術士のやり直し」も作者が英語圏に向けた書き込みをTwitterで見せている。

現時点でも国内発のコンテンツが、国内に目を向けられていないケースは多々、存在している。

それでも過去の作品『ウルトラマン』とて海外への作品輸出を視野に入れられていたため、海外に目を向けられていることを端的に悲観になる事実でもない。

それでも現在のライトノベルの国内状況と海外状況では齟齬があるように思えるのは自分だけだろうか。そして、そこに悲観を感じているのも自分だけだろうか。


まあ、『NKODICE』のように日本のサイコロ遊びでありながら、技術的な理由から日本語対応が難しいとは訳が違うわけで…


読んで頂き、もし気に入って、サポートを頂ければ大変励みになります。 サポートして頂けると、晩ご飯に一品増えます。そして、私の血と肉となって記事に反映される。結果、新たなサポートを得る。そんな還元を目指しております。