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ツカモト シュンのサブカル一人語り

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ツカモト シュンが勝手気ままに一人で語るコラム、雑記。 基本一つの作品をテキストにして、サブカルチャーに関して語っていくスタイル。
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#小説家になろう

アニメ『薬屋のひとりごと』の世界観から見る、一般となろう界隈の乖離

『薬屋のひとりごと』のアニメ化によって、その世界観が一部にとって問題というのか話題になっている。 話題になっている中華風なのに文字がひらがなが出てきたり、中国か韓国か、何がベースなのかといった世界観の矛盾というか突っ込みである。 ただ、これは問題でもなんでもなく、なろうを知る者にとってはテンプレートで作られた世界観、そして、設定の中身の無さは常識的に分かっていることだろう。 そう、ナーロッパと揶揄される概念である。 それだけに『薬屋のひとりごと』でひらがなが出てこようが

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』が売れている理由を考察してみた

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(著者:燦々SUN  イラスト:ももこ)が今、売れている。 タイトルが長いため、公式のハッシュタグにも使われている「ろしでれ」で以下書いていきます。 また、あらすじに関しても、タイトルが全てを物語っているので、説明は一旦省いておいておきます。 さて、ここまで売れているというコトで読んでみて、その面白さを探ろうとしたが、読んでみて思ったのは普通のラブコメといった感じ。これだけでも売れる要素は分かるが、強みがない気がした。 しか

『精霊幻想記』Web版取り下げは良い知らせの前ぶりか?

『小説家になろう』において、ダイジェスト版というのは強く規制のかかる話である。これは書籍化に対してダイジェストで書いて「続きは書籍で」と宣伝目的となることからだ。 また他の小説投稿サイトへの流失を防止する規約でもあった。ここは複雑な背景となる為、説明は省かせて貰う。 この事は現在『小説家になろう』を利用している人の間でも有名な話ではある。その件で先日、話題となっていた。 この『精霊幻想記』に関しては、『小説家になろう』自らが書籍、Web版を比較して、「続きは書籍で」の状態

なろう系作品の海外タイトルとは ~「Arifureta」で定着した作品名

【カクヨムで2019年9月23日に掲載した記事をベースとしています】 『ありふれた職業で世界最強』のアニメを見ていた際、EDのスタッフロールに「海外ランセンス」という項目があって気になった。海外展開をしているのは間違いないため、そのため海外でのタイトルは何になっているかと気になった。 ただ、これは『ありふれた職業で世界最強』だけではなく、最近のアニメならスタッフロールにこういった「海外ランセンス」に近いモノが含まれている。 さて、海外タイトルの答えを出す前に『ありふれた

創作界隈での「チート」についてと、ゲームでの「チート」のこれからについて

ゲーム上でのチート行為は厳禁となっていく中で、創作としての「チート」は生き残ることは出来るのだろうか。 創作界隈で使われる「チート」はもはや余所とは違う意味で使われ続けている。用途としての源流であるゲーム界隈とも、本来の英語の意味でも違っている。 ただ、それ以上にゲームにおける「チート」の位置づけは世代の差でも大きく違っている。昔はまだ容認される部分はあった。だが、今は臭わせただけでも炎上、非難される。 仕舞にはゲームだけでなく、ゲーム配信プラットフォームからも追放されて

作家自身のマネジメントとは ~「作家2.0」に至らないの理由

先日、とあるラノベ作家が「感想がない」、「書きたくない」といって活動を休止を宣言した。この事は多少なりとも波紋を呼んだ。 ただ、これらの理由は私が思うに建前、いいわけだろう。 例えば、定食屋で「ごちそうさま」と客が言わないから店をたたむなど言った所で、何を馬鹿な話をしていると思う前に単に客が入ってないだけの話と簡単に推測できるだろう。 当然、この件に関しては真相は分からない。 だが、この程度の作家の言い分を素直に信じられるほど、現状は甘くはない。このコロナ渦の状況も相

なぜ自分は個人コンテンツが必要と考えているのか【改】

まず、ここを明確にして置かねばいけなかった。 この記事で語りたかった事だけ語って、意図を抜きにしてネットに掲載していた。また、自らの書籍化すること今にとって有利、お金になるといった偏った記事であり、中立性は欠けていた。 それでも、まずは話題になる問題提示が先に必要であったとも思っていた。 だから、今回は私が個人コンテンツ、強いてはWeb小説家であっても自ら出版する個人コンテンツがなぜ必要か考えているのかを語りたい。 ただ、今回はエッセイにも満たない、酒の場での本音トーク

Web小説家はなぜ書籍化に依存するのだろうか? ~自らコンテンツを作る時代は来ているのに

2000年代、『月姫』、『ひぐらしのなく頃』といった作品が同人ゲームから出てきた。これは衝撃だった。更に商業作ともなっていく様は更に驚愕だ。 その上、同人でありながら二次創作まで盛んであり、1ジャンルを築いていった。 本当に恐ろしいことである。 同人という、個人から始まった作品が市場で大きなムーブメントを生んだのだから。 最近だと、同人エロCG集ではあるが『搾精病棟』もヒットしたことで騒ぎとなり、その利権を獲得しようと企業が名乗りを上げたことは話題に新しい。 そんな中、W

なろう系のチートスキルはのび太の秘密道具の使い方にも負ける ~もしくはチートコードはRTA走者の魅力にも劣る

何となく、上記のタイトル文がキャプション、説明文として思い付いた。 これだけで理解出来る人はいるだろう。 ただ、キャプションである以上、この先には更なるモノに引きつけることが必要となるだろう。 別にこの事でなろう系批判では語る気はないけど、ただその差がなろう系の意義に繋がり、普及、受け入れらた部分ではあるのがわかりやすいなという点でも面白い所である。 それに語る点もゲームプレイを軸に語っていきたい。 (自身の経験から感じた点で語っています。特にゲームの部分に関しては情報、

「底辺領主の勘違い英雄譚」SNS的な内輪ネタを紙にまで持ってきた作品

今回は、作者自ら監視した中で配信された動画で紹介、レビューされていた作品が気になったので、こちらの作品を自分も語っていきた。 ただ、語る内容に関してはタイトルからも分かる様に本編以外の部分がメインとなります。 【作者自ら監視した中で配信された動画】 ■さて、この「底辺領主の勘違い英雄譚」の作品の内容も少しだけ触れておけば、典型的ななろう系。しかし、文章でもテンションが高く、物語の展開自体もそのテンションで乗り越えている。 なろう系とはいったモノの、テンションだけですべて

『魔王様、リトライ!』から見える昭和テイスト【+追記】

【この記事は2019年10月8日に投稿された動画を元にしたモノになります】 今回は2019年夏アニメ『魔王様、リトライ!』のアニメ版のレビューとなります。この作品は自分を始めとして多くの人がハマった、珍しいなろう系作品と思います。しかし、全てが全ての人にハマれたかは別ではあるですが。 それで今回はその魅力、なぜハマれたのかという点を3つのテーマに分けて語りたいと思います。 1.昭和臭が漂う作品 2.スローテンポと再構築 3.なろう系ながら、非なろう系 1.昭和臭が漂う

ネット公開時点で売り込んだコンテンツ作品『魔王学院の不適合者』

■『魔王学院の不適合者』(著者:秋)、自分はこの作品は漫画アプリのバナー広告で知って、コミカライズ版から触れた作品でした。 そもそも、バナー広告だけでは気になるけど、つまらないだろうと軽い気持ちで試し読み分の漫画を読んだら話はそこそこ面白い。ただ、よくある『なろう系』といった感じではあったが、先も気になる展開に原作であるweb版に触れたのであった。 ひとまず、コミカライズ版が試し読みができるリンクを張っておきます。 ■さて、この『魔王学院の不適合者』の内容は魔王が2000