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最近のレースは20~30kmと比較的短いレースに出ている。 でも3年前は、長い距離に憧れを持っていた。 70km、100km、100mile、200mile...

長い距離=凄い。 と思っていた。今もそれはそうだと思っているし今も憧れはある。30kmのレースに出ているイメージが自分でも強いがつい2年前までは70~100kmを超えるような比較的ロングなレースに出ていた。

<2016>11/19 ファントレイル50k(FT50k)50km 4位
12/4 上野原秋山トレイルレース20km4位
12/11 武田の杜トレイルレース30km4位
12/17 房総半島横断トレイル70km 6位

<2017>
4/1 ハセツネ30km 28位
4/23 富士五湖ウルトラマラソン118km 12時間56分
4/30 奥三河パワートレイル70km 121位
5/3 上田バーティカル 26位
5/20 経ケ岳バーティカルリミット 34位
5/21 野辺山ウルトラマラソン100km DNF
6/10 サナダバーティカル DNS
6/11 菅平スカイマラソン42km DNS
6/25 スパトレイル72km 51位
7/1 美ヶ原80km 63位
7/8 志賀高原マウンテントレイル15km 8位
7/28 富士登山競争5号目コース 34位
8/19 富士見パノラマバーティカル 6位入賞
8/20 赤城の森トレイル15km 4位入賞
9/9 蔵王バーティカル 25位
9/10 蔵王スカイ28km 10位
9/17 信越五岳110km 7位入賞
10/1 斑尾高原50km 13位
10/8 ハセツネカップ 64位 年代別4位
10/14 尾瀬岩鞍バーティカル 13位
10/15 市川三郷町トレイル34km 2位
11/5 大月扇山~百蔵山トレイル25km 優勝
11/12 神流マウンテンラン40km 6位 年代別3位
11/19甲州アルプスオートルートチャレンジ25km優勝
11/26 修行走36km 9位
12/10 伊豆トレイルジャーニー71km 21位 

これだけ多くのレースにでてきて思ったことは、長い距離はやっぱりきついってこと。笑 

達成感は半端ないけど走り終わった後は、燃え尽きてしまう。 朝起きる事も飯を食べる事も、外に出ることさえ億劫になる。正真正銘に、燃え尽きる。 

 特にキツかったのは、富士五湖ウルトラマラソン118kmからの中6日での奥三河パワートレイル70km。 経ヶ岳バーティカルリミットからの翌日の野辺山ウルトラマラソン。 そしてスパトレイル70kmから中6日での美ヶ原80km。

 2017年は特に気合いが入っていた。2016年にある程度結果がでて、やればやるほど、山に行けばいくほど、速く、強く、楽しくなっていった。のめり込んだ。ほぼ毎週山にいき楽しんだ。 この年はレースも多く詰め込んでいてやるしかないという事も心にあったのだろう。でも3月前半でそのボロが出た。膝の外側が痛い。膝が曲がらない。 自分は、休めば治るだろうと軽く考えていた。でも一週間たっても、一ヶ月休んでも全然なおらなかった。おかしい。接骨院にいって、

「腸脛靭帯炎」 だと言われた。

「腸脛靭帯炎」-腸脛靱帯炎はランニングによる膝障害の代表です。原因は膝の屈伸運動を繰り返すことによって腸脛靱帯が大腿骨外顆〈がいか〉と接触(こすれる)して炎症(滑膜炎)を起こし、疼痛が発生します。特にマラソンなどの長距離ランナーに好発します(ほかにバスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエ等)。
発生の要因はオーバーユースです。過剰なランニング時間と距離、柔軟性不足(ウォームアップ不足)、休養不足、硬い路面や下り坂、硬いシューズ、下肢アライメント(内反膝)など、さまざまな要因が加味されています。

高強度のスピードでトレーニングしているのにも関わらず、自分は全くストレッチやリカバリーを行わなかった。これは高校生の時からずっと変わっていなかった事だ。 身体を全く労ってこなかった。よってこのような結果に。

調べると、1週間休んで治る人もいれば半年経っても治らない人もいるらしかった。 いつ治るかわからないなら走って養生しようと考えた。今考えると浅はかだったと思う。

迎えた2017年ハセツネ30kは、雪の影響でロード中心の硬いレースになったこともありボロボロだった。26位。たったの18kmで満身創痍だった。膝が、、、痛い。曲がらない。歩くことさえままならなかった。私生活にも影響がでるくらいに。

そっから2週間は本当に何もせず休んだ。ただ治ってくれることを祈って。迎えた、4/21日。正直いくか迷ったが100km越えの憧れから、富士五湖ウルトラマラソン118kmに出走する事を決めた。朝、中央道を寒さを我慢しバイクで1時間半。出走。 ただただ長かった。そして痛さとの戦いでもあった。とにかく痛い、痛い!痛い!!痛い!!!痛い!!!!辞めたい。もういい。何でこんなこんしてんの。やめようかな。限界だ。もういいや。

でも諦められなかった。40kmまでは比較的いいペースで走れていたが80km以降はほぼ歩くしかない状態になっていた。12時間56分。結果だけをみたら遅いと思う。 けど膝をかばいながら時には歩きながら、何度も辞めたいと思った心に、自分の限界に、自分に勝てたことが嬉しかった。何より救いになったのが富士五湖の応援してくれる沿道の人々、エイドのおばあちゃん、そして景色。富士山の雄大さに何度も救われた。 この年の完走率は、60%だった。 100kmを超えて、炎症をおこしていた膝をかばって痛くなかった膝まで痛くなってきた。足裏と爪が剥がれる感覚がする。 人間限界を超える時どうなるんだろうと考えた事があった。 その時の自分は笑っていた。 いやマジで。人間限界超える時って笑けてくるんだなって事がこの時生まれて初めてわかった。


痛すぎて、泣いた。笑

そしてレースと同じぐらいきつかったのが、帰りのバイク。またがるだけで足はつるし眠いし。結局途中のスーパー銭湯で爆睡した。普通スーパー銭湯がいくら24時間居れるからって24時間ずっといる人ってなかなかいないと思うんだけどこの日は、24時間ずっと爆睡した。そりゃ死んだみたいに。燃え尽きた。 そしてその1週間後。

奥三河パワートレイル、70kmD+4,000m を11時間で完走していた。レースの事は覚えていない。痛すぎて、きつすぎて意識が飛んでいたと思う。ただ足を前に出す事だけを考えていたはず。確か。その年の完走率は49%。 自分でもよくやったと思う。笑 

その一ヶ月後には、治ってもいないのに経ヶ岳バーティカルリミットに出場。そしてその次の日には日本屈指のウルトラマラソン、野辺山ウルトラマラソンに出走していた。次の週じゃないよ。次の日だよ。翌日よ。  そんな事をしていて膝は治ってるはずもなくむしろ悪化していて。


完走できるはずもなく、スタートして5秒で後悔した。膝が本当に曲がらねえ。歩くのもきつい。今までの膝の痛みで1番痛かった。そりゃそうだ。前日もレースにでてるし。笑 でも簡単に諦める事はせず。 とにかく行けるところまで行こうと。歩き続けた。景色を楽しみながら。途中一緒になった人と雑談をしながら。その人も怪我をしてるらしかった。50代の女性2人、20代の女性と4人でいろんな話をしながら。来年は絶対完走しようね、と。 この方々がいなかったらもっとはやく辞めていただろう。この中の数人とはまだFacebookで時々連絡をとりあっている。最終的には、20km地点で回収車に文字通り回収された。  回収車に回収。はは。悔しかったなぁ。

野辺山ウルトラマラソンが終わった後、もう走るのは辞めてしまおうと思った事があった。こんなに痛いなら、走る事が楽しくないなら、辞めてしまいたいと。 燃え尽きていた。心もカラダもボロボロのボロ雑巾になっていた。

楽しく走りたい。

結局、接骨院の先生の尽力と助言のおかげで8月には治すことができた。「ストレッチをすること、そして毎日お風呂に入る事」今まではシャワー主体の生活だった。そこで、今まで通っていたジムをお風呂付のジムに変え毎日通った。寒暖浴をし、お湯に浸かる事がこんなにも疲労抜きと筋肉をほぐす効果があったとは。

先生の口癖は 「元気があればなんでもできるね。」 カラダだけでなくメンタルの面でも先生がいなかったら今の自分はいないし、走る事も辞めていたかもしれない。

 怪我を通して感じたのは、

「ただ走れるだけで幸せ」

という事だった。実にシンプルな気づきだが、とても大切な事に気づけた。健康でいること。そしてその事の尊さ。今までは楽しむといっても、どこかで順位や人と比べる事があったり、自分のタイムや順位を気にしていたことも心のどこかではあったと思う。それで楽しく走るというよりも、競争を楽しんでいたのかもしれない。それも楽しみの一つではあるし今もそれを楽しんではいる。でも、レースに出る時、いやレース以外でも、私生活でも、走れること、走れる身体であること健康であることに気づける事ができるようになった。当たり前ではないんだと。無理をしていた自分が高校生の時からいた。 でも、もっと自分の身体と向き合う事にも気づきのある怪我だった。いくら大きな怪我ではなくともこの気づきは大きかった。

「人生必然しかない」

 っていうけど、あながち間違いではないと思った。それを必然かどうか認め、気づき、受け入れる。自分に起こった幸も不幸も必要な事だったんだと受け入れる。全てのことに対して。過去も。そして未来も。全ては自分次第であると思う。

<  器の大きな自分たれ。  >


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