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※これは僕が関わっている現場の話ではなく総論としてのお話となります。

 体が資本という言葉があるけれど、本当にそう思っている人がどれだけいるのかとこの仕事を続けていて深く考えることがあります。今特に何も体に問題を感じていない状況であれば、この状況がデフォルトになってしまうので現状に感謝することも無くなってしまって、悪くなる想定だったり、より良くしていく発想が生まれづらいのかもしれません。でも何でもメンテナンスがいらないということはないですよね。

 僕は主に舞台に携わっていますが、オフィスワーカーはほとんどいません。頭と体を動かす人たちで、特にずっとやってきた動きでもないものをその舞台のために、そのキャラのためにだったり、姿勢も変えて何公演も続けることが多いと感じています。これは、板の上に立つ役者だけでなくスタッフも同じことが言えます。もちろんこれはとても大変なことだと思います。衣装や靴による制限、ウィッグが重い、暑くて汗をかく、自動でやれば簡単だけど人力でやらざるを得ない、キャストの人数が多くて仕事量が多い、機材や道具が重い、など実際にやってみないとわからないようなストレスは多々あると思います。

 そのストレスを無くさないから制作が何も考えてない!なんてことを言いたいわけではありません。もちろん色々な事情で現場に無理がかかることはあると思いまし、その無理のせいで問題が発生するのであれば制作の問題とはなり得ると思っています。
でもまずプロフェッショナルとして仕事をしている以上一番は個人の問題であるし、役者であれば事務所、スタッフで言えば会社、など責任を取るべき人たちがいてマネジメントということをしなければならないと思っています。

 昨今の新型コロナウィルス罹患によっての公演中止や骨折などすぐに動けるものではないアクシデント由来の怪我は別として、体調不良・怪我...こういったことで舞台が休演や中止せざるを得ない状況や元々患っていた怪我のせいでの演出変更しなければならない状況、さらにはこれらが表にも見えることだけでなく見えないところでも起きていることが僕にはすごく違和感として映っています。
なぜなら、避けられるはずのものと思うからです。
脱水症状・ぎっくり腰・ヘルニア・腰痛・声が出ない・睡眠不足...挙げればキリがない!
スケジュールのせいで、となるのであれば無理をさせなければ良いし
元々の怪我のせい・持病のせい、となるのであれば治せば良いし、対処できる状況で仕事をすれば良いし
求められるパフォーマンスができないのであれば心技体の向上をしてからやれば良いし、間に合わないようであれば身の丈に合ったパフォーマンスをするしかない
という至ってシンプルな思考です。
そんなシンプルなことができないということが、お客様はもちろん関係者全員に迷惑をかけることになるという結果に繋がるのは明白です。
なぜリスクを減らさないのか...なぜそこまで無責任になれるのか...
(これには僕なりに結論は出ていますが、敢えてここでは言及しません。突き詰めると可能性はかなり絞れると思います。)


 もう一つの問題として、先程の問題点に大きく関わってくる手助けをしてあげられる人たちの質。いくら個人的に対応しようとしていても助けを求めた先が無能だと解決しないからです。
・役者アーティスト・製作・制作・マネジメント・医者・表現の先生(ダンス・歌・演技・アクション・殺陣などの指導者)・会社の上司や先輩・トレーナーなど
僕が今まで関わってきた中で、それぞれ本物だと思うプロフェッショナルな方々はたくさんいます。それと同時にそうでない方々もいます。もちろん本物の人たちにたどり着くことができない人たちもいると思います。だからこそみんなが質を高める必要がある、見る目を養う必要がある、と思っています。

 しかしながらこれはあくまで僕の意見であって、そんなリスクやクオリティや他の人のことを考えていない人たちがたくさんいることも十分知っています。何を軸に仕事をするか、その正義が共通認識としてない状況で意見の食い違いが起きるのも当然だと思います。

 思いつくままに書いてみただけなので、それこそクオリティ低いですが
敢えてリスクを背負わずに体を大切にして生きていたい
というお話でした。

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