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ガイナーレ鳥取 公式サイトリニューアルの裏側

はじめに。これからのJリーグクラブの公式サイトの役割は変わっていくと思います。試合経過や結果は公式サイト以外でも見ることができるし、専門ライターやメディア、個人がコンテンツをいくらでも作れるし、クラブの公式アカウントより影響力があるアカウントはいくらでもあります。その背景を踏まえるとクラブ公式サイトのこれからは一次情報(コンテンツ)を、どう「蓄積」「整理」して、どう「発信」するかなんだと思います。

さて本題に戻りますが、昨日ガイナーレ鳥取オフィシャルサイトをリニューアルしました。これまでの課題とリリースするまでの背景をあらためてまとめます。このnoteの流れとしては、リニューアル前の課題点→リニューアルの改善点→その他の狙いの順でまとめます。(想定読了時間は約5分)

<リニューアル前の課題点>
1、マルチデバイス対応していない

→旧サイトでは、ガイナーレ鳥取のページにスマホでアクセスするとPC版もしくはモバイル版の選択画面になる。(このページ離脱は50%以上。。。おそろしい数値でした。)

2、情報到達までのアクション数

→試合に関する情報(スタメン・イベント・駐車場など)を得るために複数ページを見る必要がある。(集約されているページがない)

3、流れるコンテンツが主

→ニュースや試合速報などテキストメインのコンテンツ更新される。情報の鮮度が短いという点もある。

4、管理システムの老朽化
→旧サイトCMSを定期的に更新する余裕がなく老朽化が進んでいた。このままでいると新規機能追加時に通常に加え追加コストが必要になる。

5、サイトデザインの老朽化
→デザインが更新されることなくJリーグ加盟時から運用が行われていた。

上記以外にも対応したい課題はたくさんありましたが、クリティカルになるところから優先度をつけ下記の改善を進めました。このリニューアルでは完成を目指すのではなく、ベースと運用の基礎を整えることが目的でした。

<リニューアルの改善点>
1、マルチデバイス対応

現状のアクセス解析のデータからも一目瞭然でスマホ対応を行いました。

2、必要な情報をまとめ、遷移数を減らす

Jリーグクラブのオフィシャルサイトでは、サポーターとして一番アクセスの多いチームに関する情報・試合に関する情報はできる限り1ページにまとめられるように工夫をしました。

8/25 沼津戦の試合ページ
https://gainare.co.jp/game/2018082516/data.php

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・試合情報→(試合前)試合のイベントやアクセス
・データ→(試合中)スタッツやテキスト速報
・コメント、ギャラリー→(試合後)監督・選手コメント
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ガイナーレ鳥取は試合日前にイベントや試合に関する情報をニュース配信するので、管理上はそれらの情報のまとめページを作るだけなので大きく工数が増えることありません。また、試合速報やハイライト映像の埋め込みなど全体的にすこしリッチコンテンツ化もしています。

3、ホームタウンメニューの追加
クラブのホームページには、「流れる情報」「積み重ねる情報」があると思います。試合やイベント情報は前者となり、ホームタウン活動のようなクラブがあり続けることで接点を積み重ねていくものを後者と捉えています。クラブとしては試合や順位はもちろん大事ですが、地域にとっての存在価値を表現する力も必要だと考えています。

また、ホームタウン活動は直接的な収益活動ではないのですが、体験した方以外には思った以上に広く知られていないというのが現実でした。そこでメニューを新設し、ホームタウン活動をGoogleMapを使って可視化することにしました。(とくに「復活!公園遊び」は年間で250回、触れ合う人たちは10,000人を超える活動でJリーグクラブになる前から続けている活動です。)コンテンツ作成では過去の活動データをひとつひとつGoogleMapにピン打ちしていく作業があったのですが、クラブの歴史を感じる感慨深い作業になりました。

<ホームタウンページ>
https://www.gainare.co.jp/hometown/

ホームタウン活動の写真がある場合は上のキャプチャのようにピンをクリックすると活動時の写真が見れるようにしています。

4、管理システムの刷新
今回の移行にあたっては、CMS自体をJリーグが提供しているシステムに置き換えています。他のJリーグクラブも使用していることから共通基盤と呼ばれますが、システム自体はある程度柔軟性も持ちつつ、バージョンアップの頻度はある程度担保されることになります。これでシステムのガラパゴス化を回避できます。

5、サイトデザインの刷新と集客戦略とのリンク
マルチデバイス対応なのでレスポンシブかつクラブのデザイントーンを統一するのはもちろん、もうひとつ実現したかったのは集客戦略とのリンクでした。既存のファンクラブ会員はもちろんですが、これからクラブとして集客強化していくべき顧客層をコンセプトに盛り込み制作しています。コンセプトや集客戦略を改めてクラブ内で共有することは、今後のコンテンツ作成時の目線合わせにもつながります。

<その他の狙い>
今回のリニューアルでは、ユーザーへの情報整理・使いやすさの改善はもちろんですが、それぞれのメニューがクラブ内の各部門と紐づくようにしました。それぞれの組織それぞれが意識的にコンテンツを蓄積・発信することにつながる、そして、拡張する余白も今回は残してあります。

昨日の今日で振り返っているので、どう数字として跳ね返ってくるかは現時点ではわかりませんが、引き続き定点で見つつ、ガイナーレ鳥取らしさを表現できればと思います。


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