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泥舟化している職場環境改善提案

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美しいヘッダーはFF14から


さて、タイトルから。
〘職場環境改善提案について〙この通達があったのは先月(1月)のことである。
これに関しての緊急会議をするとの事で、急に何事かと思った。
細かい理由はわからないが大まかにはこうだ。
『昨年実施のストレスチェックの結果を受け、職場環境を見直す必要がある』
"ストレスチェックの結果"という部分で察するに、あまりにも結果が悪かったのか或いは休職者が増えたのか。
それもそのはずである。
コロナが終わったのだから。
在宅勤務はやはり心身への負担は少ないように思う。その環境が昨年より一変しているのである。
理由はそれだけではないとは思うが、ひとまず、ストレス過多が見込まれるため職場環境を見直そうという取り組みを緊急で行う必要があるということである。
そしてその取り組みは、上長を主体とし具体案を提出、その後3月までに“改善を行った"という結果を返さなければならない物だった。
だから緊急の議案として持ち上がった。
自身は派遣の身であり、正直会社の事は関係ない。
発言もする必要はないだろうとは思ったが、この議案に関する動画であえて説明が入っていた。

『社員、社員ではない、上司部下も立場は関係なく自由発言を』
『また、提案や意見は、いかなるものであっても否定してはいけない』

なるほど、先に言ってきたか。
では、発言せねばなるまい。

「職場環境改善提案、何かありませんか」
課長が言う。
さて、この課長、この人物が課長から退いていただくことが一番の環境改善であるのだが、もはや人物批判の範疇にもなりかねないのでそこは割愛する。

職場環境改善

誰もが色んな事を思っているかとは思う。思うが、誰も何も言わないものである。
そこなんだよな…と端から見ていて強く思う。
埒が明かないであろうと思い先に挙手した。

「自席パーティションの復活はどうでしょうか」


コロナ禍、どこの会社でもあったのではないだろうか。きっちりしたパーティションもあれば、段ボール制の簡易パーティションもあったと思う。
私の行っている会社は段ボール制の簡易パーティションだった。
入社時すでにコロナ真っ只中で、在宅勤務は当たり前の様にローテーションで組まれていた。
コロナが落ち着き、最初に始まったのは在宅勤務を減らす動きだった。それはまぁまだ理解できる。
昨年12月、もうパーティションも外さないかという提案がなされたが、誰もが嫌がったのである。
ところがうちの課が、もというちの課長が、パーティションを外せと命令として下したのだ。
最初は任意と聞いていたしそれでいいと思っていたのだが、外すようにと通達された。環境の変化が嫌なのではなく、このパーティションは防音の役割もはたしており、ストレス緩和に一役買っていたのだ。それを課長権限により外せとの命がくだり、我が課がどの部署よりも率先してパーティションを撤去するに至った。

職場環境改善と言うのであれば、パーティションはあった方がよいのではないかと言った。

「…自分も賛成です。」

ようやく誰かが自分の意見を出した。
やはり集中できるので、パーティションか、そういうスペースが欲しいという意見だった。
それに対して、パーティションを外せと言った理由を、課長の言葉一言一句違わずにここに記そうと思う。

「パーティションがあると、コミュニケーションが取りづらいんです。自分は誰かとコミュニケーションを、"いついかなる時でも"取りたいんです。」

コミュニケーション。
いついかなる時でもコミュニケーション。

そしてこの緊急会議は、ひとまずパーティションを戻す方向で、またコミュニケーションが取りやすいような物を模索しようという流れで終わった。

そして別日、
別件にてまた短時間、緊急で会議が行われた。内容はさて置き、その会議終了後に皆でこの件でまた話し合いたいと課長。

結論から
パーティションはすぐに戻せないので、職場環境改善提案は別の案件で行きたい。

理由
パーティションを外そうと言い出しっぺは我が課(の、課長)。
前回の会議翌日、総務から全部署に向けてパーティションを課ごとに順番に取り外して行くという通達がなされた。
これにより我が課が率先して外したパーティション、我が課から言い出した事を今更覆せないと。
正直、パーティションの有無ではないのである。他部署からも、ほとんどの人間がパーティションはある方がいいと答えていたにも関わらず押し通した事。他人の意見を聞かなかった事。
結局、パーティションがあろうがなかろうが、隔たりができるに決まっている事を気づけない部分にあるのではないかと私は思う。
また、パーティションがないと集中できない理由について、
『人から見られてるのが気になるんでしょ』
と勝手に決めつけて、そのように部長にパーティションを戻したい派の人の意見としてまとめて伝えていたのである。
先にも言った通り、遮音効果、視覚を遮る効果があるという話はなされていなかった。
補足
その報告をしているのは会議の超過時間中の話であり、私はその席にはすでにいなかった事と、それを後日録音で聞いた事を付け加えておきたい。
その場にいれば確実に反論していた。

話をもとに戻す。
パーティションを再設置しようという案は、我が課が言い出しっぺであり、その方向へ他部署も全体で動いている為今更覆すような事は言えない。
別の案を考えていきたいという緊急会議の話。

「パーティションを再設置する案は却下という事でよろしいでしょうか」

仕方ないという空気の中皆が頷く。

「◯◯さんも、良いですか?」

この案を最初に出した私にも直接問われる。

「別に異論はないです。そもそも、パーティションがあるなし、戻る戻らないという事が問題ではありませんので。」

一同「…………。」

「異論なし…で、いいですかね」
再び問われた。

「はい。だから、パーティションが戻る戻らないが問題ではないので。要するに、そういう反対意見を吸い上げる気があるかどうかが重要だったかと思います。問題点はパーティションにあるわけではないです。だらかパーティションの件は無しでも構わないです。」

大変オブラートに包んだのでおそらく伝わってはいないと思われる。

そして代案を考えるための緊急会議が進行される。

「では、誰か何かありませんか」
課長が皆に問う。




誰も何も答えない。

学校かな?

静かな会議室、無駄な時間が過ぎ仕事は溜まってゆく。
しびれを切らせた私はこう提案した。

「なら、会議時間の短縮はいかがですか?」

会議時間。
基本的には月一回、課の報告会議というのは一般的にどれくらいが普通なのであろうか。
この会社においては、報告会議としては約2時間〜3時間が通常であった。
その前後に事故に関する報告会議と、部長自身による役員クラスの会議内容報告がそれぞれ約1時間ほどある。
つまり、午後1時過ぎにスタートし夕方5時までの4時間ほどが会議時間となり半日が費やされている。
月末の処理があるにも関わらずである。
私は営業ではなく事務員である。
議事録を書くために駆り出されて、月末の真っ只中溜まる処理を横目に半日を潰されているのである。
これが毎月なのだ。
そしてこれを長年やってきているのがこの会社である。
なのでこういう意見があった。

「基本の課報告会議は2時間半〜なので普通じゃないですか?」

普通なのだろうか。
感覚がおかしくなってはいないのだろうか。
全員の手を止めて集まり、部長含めEXCELデータに書いてある内容を読んで進めるだけの内容で3時間使うのは普通なのだろうか。

それが普通であったにしろ、1時間短縮されれば大きく違う。
『EXCELをみればわかる事をわざわざ重複して言う必要はない』のではないか。せめてそこを削る事はできないのかという提案を出した。

そして、
「では、それで進めてみましょう。」という事になり、つい先日その問題の会議がなされた。

今までと違う点は、レジュメが作成された事である。
今月の会議のレジュメはこうですというものが課長から全員にメールで通達された。追加案件があれば都度連絡をという事であった。
そして会議時間短縮を打ち出した今回に限り、やたらと議題が多い。
さてどうやって短縮するのか。およそ短縮はできないだろう事を期待してわくわくしていた。

結論
1分も短くならない。

予想通り。
あまりにも予想通りであった。

パーティションと同じなのである。
時間が短くなるかどうかなのではない。
『時間を短縮するために、どうすればいいのかを考えるか』どうかなのである。

私は議事録を取っている。
必要な部分は必要。
不要な部分は不要。そして不要と思う部分があまりにも多いと感じている。
もっとこうならないのか、もっとこのようにできないのか。そう感じる部分が多い。
また議事録を取るために毎月録音もしているのである。

さて、
この職場環境改善提案。
上長主体で進めるようにということで通達がありスタートしている。
我が課は『会議時間の短縮』で進める事となった。

そうなった時に、どういう行動を取るだろうか。

私なら、
何が長引かせている原因かを調べる。

まずは原因を調べる所からだ。
そして、どうすれば目標達成できるのかを考える。

私は課長から聞かれていない。

会議の録音はどこに保管しているのか、具体的にどの部分が不要だと思うのか、など。
私以外も、誰も聞かれていない。


コミュニケーション。

いついかなる時でも、
コミュニケーション。


この案はさてどうなるだろう。どのようなオチを迎えるだろう。

私の予想では、『10分短くなりました!』という所で終わるのではないだろうか。

来月の会議はどうなるだろうか。
奇しくも私は、このくだらない会議を楽しみにしている。その点においてはひとつ良かった事としよう。

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