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loveless / my bloody valentine アルバムレビュー #1

初めまして、geistです。
音楽が好きな大学生です。
好きな音楽ばかりを聴いていたら、いつの間にか20歳になっていました。
私が抱く音楽に対する感情を胸にしまっておくだけになってしまうのはなんだか勿体無いような気がしたので、noteにアルバムレビューでもしてみようと思います。

初めてのアルバムレビューには、my bloody valentineのlovelessを選びました。私が最も愛するアルバムであり、影響を受けたアルバムです。


lovelessってどんなアルバム?


lovelessは1991年にアイルランドのロックバンド、my bloody valentineがリリースした2ndアルバムです。
シューゲイザーというジャンルを語る上では欠かせないアルバムで、シューゲイザーの金字塔とも言われるアルバムです。
荒々しく歪んだギター、リバーブによってぼやけた音像、か細いボーカル、陰鬱で不気味な空気感。このアルバムが持つこれらの要素は、後世に大きな影響を与え、シューゲイザーの代表的な要素となりました。
アルバムのジャケットにはぶれたギターの写真。そして、何と言っても、ピンク。このジャケットを見ると、脳内にアルバムが流れてくるようで、不思議なアルバムのジャケットだと毎度思わされます。
ギター・ボーカルのKevin Shieldsの音作りに一切の妥協を許さない姿勢から、制作には2年半の月日を要し、20以上のスタジオを渡り歩きました。


全曲レビュー


1. only shallow

イントロの平たいドラム。ただの16分のスネアが4つ鳴っただけなのですが、非常に印象的です。
そして暴れまくるギター。歪み、かつ揺らぐサウンドは心の奥底から湧き上がる感情が爆発したようで、清々しくも感じます。
Bilinda Butcherのやる気のあるか否かギリギリのところを攻める、ふわふわとしたボーカル。彼らのマインド、いや、シューゲイザーそのもののマインドを表しているようで面白いです。

2. loomer

アップテンポで、迫ってくるような雰囲気さえも感じる曲。
音像は先ほどよりもぼやけたように感じます。

3. touched

短いインストの曲ですが、象の鳴き声のようなサウンドと怪しげなストリングスが強烈です。
この後のアルバムの展開において重要な曲であることに間違いないです。

4. to here knows when

依然、音像はぼやけたままですが、これまでと比較すると少し開放的になります。
開放的になった分、不気味さは増していて、このあたりからlovelessの世界に引きずり込まれてしまいます。
ボーカルが少し優しく聴こえるような気がしますが、これは4曲目に至ったが故の慣れなのでしょうか。

5. when you sleep

ここまでの不気味な雰囲気を破るような疾走感のある曲で、空気感が変わります。
ギターリフは爽快で、思わず口ずさんでしまいそうです。
ぼやけた音像がバックにあるからこそ、リフがより映えています。
この曲からKevin Shieldsがボーカルに入ってきます。
個人的に、マイブラの曲の中でも最もポップで聴きやすい曲だと思います。

6. i only said

少しテンポがスローになって落ち着いた感じがします。
曲が進んでいくにつれて、唸るギターリフとタイトなドラムのビートに埋まってしまいそうです。

7. come in alone

i only saidに埋もれていたら、イントロに急に起こされました。
よりスローなテンポになり、アルバムの展開を感じます。
先ほどと同様、延々と同じリフが繰り返されますが、この曲ではなんだか少し感傷的になってしまいました。

8. sometimes

リバーブの少ない歪んだギターの音で始まります。
その後ろではアコギが鳴っていて、これまでとは明らかなテイストの違いを感じます。
非常に穏やかなメロディーとシンセのサウンドのせいか、安心感を覚えました。
安心感と同時に、このアルバムがもう終盤に差し掛かっていることを気付かされるようで、寂しさを感じます。

9. blown a wish

ボーカルがハモっていて、このアルバムの中で最も印象的なボーカルです。
明るめのメロディーとリバーブが独特な浮遊感を醸し出しています。

10. what you want

強めのギターのイントロが耳に飛び込んできます。
非常にアップテンポな曲で、耳心地が良いです。
明るい曲調と切ないメロディーとの対比と、終盤であるこの状況が複雑な気持ちにさせます。

11. soon

what you wantのふわふわとしたアウトロから繋がるように非常に細かいドラムでイントロが始まります。
そして意外にもクリーンなギター。が続くかと思いきや、しっかりと歪んできました。
今までの浮遊感とはまた異質のあまりにもはっきりとしない曲の構造で、アルバムの最後の曲にして、ここまでのアルバムの展開を破壊するように感じました。
この結末がまさにlovelessというアルバムで、霧がかった不気味さを忠実に表現しているように思います。


まだlovelessを聴いたことのない方は是非聴いてみてください。

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