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本が好き、悪口言うのはもっと好き  高島俊男

 高島俊男の本はだいぶ読んだが殆ど忘れた。「お言葉ですが……」シリーズとか「漱石の夏休み」とか「李白と杜甫」とか、「漢字と日本人」とか。随分楽しませてもらったことは覚えている。最初に読んだのは本書である。
 だから、どれで読んだか分からんが、李白と杜甫で覚えているのは、
1、李白は酔っ払って玄宗皇帝の前にでて就職をふいにした。殺されても仕方ないのに、それは許された。詩がうまかったから。
2、李白はどこの馬の骨か分からん奴で「李」は自分で勝手につけた。唐を作ったのが「李氏」で「李白」を名乗れば、どこへ行っても大事にされたから。
3、杜甫は牛肉を食べてお腹を壊して死んだ。放浪生活で碌なもんを食っておらず、お腹がビックリしたかららしい。
4、李白は酔って船に乗り、湖面に映る月を掬おうとして、落ちて溺れて死んだ。(これは有名)。
こんなとこだ。漢詩の解釈はひとつも覚えてない。まったく毎度のことながら、どうしてこう本の内容を覚えてないのか。なぜこんなに忘れてしまうのか。これなら、いくら読んでも無駄ではないか。そうではないか。馬鹿なのか。きっと馬鹿なんだろう。まあ、いいや。忘れるから、また新鮮に読める。「漱石の夏休み」なんか、随分面白かったという記憶だけあるから、きっと今読んでも面白いだろう。もう新しい本なんて読む必要はないのかもしれない。とほほ。

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