見出し画像

【昭和歌謡名曲集11】居酒屋 五木ひろし・木の実ナナ

五木ひろし、木の実ナナのデュエットである。
居酒屋でたまたま隣に座った男が女に酒を奢り、朝まで飲むという歌である。
引っかかるのは、男が一杯奢るよと言って、女がじゃあと頼むのが、ダブルのバーボンであることだ。
居酒屋。まさか庄屋、鳥貴族、村さ来とかのチェーン店ではないだろう。朝まではやってない。すると、個人経営の店か。
例えば「居酒屋・サブちゃん」で、「大将、焼き鳥五本適当に混ぜて。あと、ブリの刺身と、バーボンダブルで!」て、頼む構図だ。

なかなか有り得ん!

多分、昔は居酒屋の定義が違っていたのだろう。仮面ライダーのおやっさんの店はスナックだったし。いや、この歌は、1996年、阿久悠作詞だ。大作詞家なんで、阿久悠の行く高級居酒屋にはバーボンが置いてあったのかもしれない。
ところで、バーボンてなんだ。ウィスキーのことか。焼き鳥にウィスキーは合わんだろう。日本酒を飲め!
などと、悪口ばっかり言ってるが、名曲だと思う。特に木の実ナナのやさぐれ蓮っ葉女感がすごい。いい。
男は悪い女に声かけたなと苦笑いだが、女は気にしないでさっさとお帰りよ。あたしは飲んでるからさ。などと言う。
姐さん。である。そこいらのヘナチョコ男には太刀打ちできないカッコ良さである。勿論、私なら、さっさと尻尾をまく。オヨビでない。
この味が出せるのは、木の実ナナだけであろう。

昭和歌謡に大人のデュエット曲は多いが、男が女に押され気味の歌は少ない。どうしも男主導だ。
「銀恋」にはじまって、「昭和枯れススキ」、「三年目の浮気」「カナダからの手紙」までそうである。谷村新司と小川知子の「忘れていいの」なんてすごいのもあった。新司が知子の胸に手を入れるやつである。芝居がかってて私は好きになれなかったが。
この歌は一見女主導に聞こえるが、よく聞くと女を捨てて去っていく男の歌である。
そう言えば、谷村新司さん、お亡くなりになった。今年は才能のある人が亡くなるの多くないか。ご冥福を祈る。

五木ひろしに触れられなかった。すまんことである。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?