【星屑を遠巻きに見ながら】

飛行機は西へ進んでいた。

太陽の後を追いかけて。

自分たちの、そして愛する人の明日を、いつも通り望んで。


これから、

叶えたい暮らしがあっただろう。

伝えたい言葉があっただろう。

渡したいプレゼントがあっただろう。


犯した罪もないけれど、太陽は見つからなかった。

だから、やりたかったことは、ずっとずっと後に持ち越しになった。

また、次に生まれて来るときまで。

想像がつかない時間の距離まで。

ぼくには想像つかない。


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ここ日本では、1/13、成人の日。

振袖姿の女性が、駅前のそこここに花を咲かせている。


「おとなになる」って嬉しいかな?

ぼくは嬉しくも、悲しくもなかった。


年齢のことを考えるとき、いっつも思うことがあって、それはつまり、「いま、自覚している年齢ってほんとなのかな?騙されてるんじゃないかな?」ということだけれど、きっと前にも書いたかもしれないし、今はやめておこう。


これから生まれてくる人へ、「生まれてきてよかったね」と言える世界にしておきたいんだ。

ぼくは生まれてきてよかったから。

生まれてくる命にもそう思ってほしい。

ただそれだけのことだ。


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音楽は国境を消す消しゴムだ。

あるいは、さざなみだ。

そんなこと、誰も教えてくれなかったけど、ぼくはわかる。

音楽を聴いていればわかる。

新成人よ、誰にも教わらなかったことでも、ぼくにわかったことがあったよ。


隣り合う弦を鳴らせば、お互いを殺しあうことなく響き合う。

もしもお互いが邪魔者になってしまうなら、それは世界の描き方が違う。

どんなオリジナルでもいいから、きっと響き合う場所があるはずだ。

諦めないで。ぼくも諦めない。


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ぼくは狭い部屋に暮らしていて、これを書いて、なんだか広い世界に飛び出すような気がするけれど、どんどん狭くなっていく気もしている。

むしろ、そのほうが大きな気持ちかもしれない。


君といつか笑顔で抱き合える日を夢にみている。


読んでくれてありがとう。


今週は友里 木美鳥さんの写真をトップ画にお借りしました。

ありがとうございます。

(トリミング機能、ほんとうに申し訳なくなるんだなぁ、すみません。)