見出し画像

壱岐でのコラボ出店に向けて企画発表|2022壱岐商業高校×とびゼミコラボ授業⑦

今日は火曜日なので本来であれば授業日。しかし,高校総体(インターハイ)の県予選等が始まり,時間割が特別編成に。木曜日の授業回数の関係で今日は木曜授業に変更。それもあり,今日は9:50からの時間にオンライン参加しました。木曜授業であればわたしたちが出演(?)する必要はないのだけれども,今回は生徒にある企画について尋ねることを目的に遠隔で25分ほどつないで頂きました。

これまでの授業の様子はこちらのマガジンからご参照ください。

ということで、今回は高校生への企画発表にに至るまでの経緯と今後の展開、そして課題についてまとめてみました。ご一読ください。

壱岐での出店計画をぶち上げる

先週木曜日(5/26),壱岐現地を訪問し,壱岐最北の勝本浦に行った。そこは古くからある港町で,かつては鯨漁で栄え,朝鮮通信使を出迎える場所であった。

勝本浦の商店街の一角には昔ながらの個人経営のスーパー跡地があった。しかし,そこは閉店。したがって,買い物をしようと思えば車を走らせて芦辺のイオンや郷ノ浦のスーパーまで行かねばならない。島内の移動は車。小さな島なので移動にそれほど時間がかからないとは言え,運転に不安を覚えるお年寄りには辛い。

パンフレットもまちづくり計画書も非常に良くできている。

まちづくり計画書によれば,この10年で人口は20%減である。近くには観光地があったりもするが,住む場所としての機能は徐々に薄れつつある。それでも現在,ゲストハウス・LAMP壱岐やクラフトビールを製造するISLAND BREWERY,福岡にもかつて出店していたモカジャバカフェ大久保本店といった店舗が建ち並び始めてもいる。この街の持つ魅力はまだまだ薄れていない。

先に記したように,先日高校を訪問した後、同行した学生と現地でミーティングを行い、このコラボ授業の今後の展開についてすり合わせを行った。そこでだいたいの方向性を見出した。

それから数日,福岡に戻ってからも勝本浦で見た物件が頭から離れず,改めて歴史を学んでみるとまだまだできることがあるに違いないと考えていた。私はどうもあの街並みに取り憑かれてしまったようだ。

駐車場に隣接した空き店舗

この街では朝市が開かれている。もともと人が集まる土壌、歴史的経緯がある。学生や高校生が集まったところで何ができるのかという人もいるだろうけれども,今回の企画はこの街で培われた歴史を再解釈できる機会になるかもしれない。

この数日で関係各所と調整を図り,今後のスケジュールを勘案して,8月末に勝本浦で見た物件での出店に向けて準備を進めることにした。

高校生へ企画案発表!

そして,今日(5/31)に高校生に企画発表を行うことになった。まだ実際に出店場所をどうするかについては決められていないが,壱岐市や学校側との調整を進めた上で企画発表に漕ぎつけた。これまで大学生が各地で取り組んできたノウハウを持っているし,高校生も興味を持ってもらえそうなコンテンツ。

高校生は出店企画,マーケティング戦略,当日販売に携わることで,今授業で学んでいることを実践し,実践から学べたことをふりかえる取り組みにする。当初計画していた資金調達からスタートする「創業体験プログラム」とはならなかったがこれで良い。一歩前進。

出店する店舗は次の通り。

1つめはこれまでも飯塚等で取り組んできたSPINNSとのコラボ企画。これは高校生が以前事業案として取り上げていた「服をオンラインで買ってもサイズが合わないことがある」という不満を解決する方策として提案した。これまでも佐賀県武雄市、福岡県飯塚市、宮崎県延岡市や長崎県島原市と各地に出店してきたこともある。地域の若者が最も欲しいコンテンツとも言えるだろう。

佐賀県武雄市での例を出しながら説明

もう1つは日田を中心に出店を続けてきた学生によるポップアップカフェBESIDE。すでに高校生とのコラボ企画を立ち上げた経験があるので,ノウハウを学生たちが持っている。企画,開発,値決め,オペレーション,決算という一連のプロセスを学習するには飲食店経営が最もわかりやすいかもしれない。

学生が頑張ってWebを作ってくれました。

そして,今回のBESIDEは地元のパン店であるパンプラスとのコラボ出店を行うことに。先週木曜日に学生たちが自らの意思で交渉に行き,手ぐすねを引いて待ってくださっていたオーナーの了承を頂くことに成功。できれば高校生のアイデアを反映させた商品を企画し,実際に販売する予定。「高校生には壱岐のことをもっと勉強して欲しい」というオーナーの要請を受けて、今後の授業スケジュールを変更すべく、大学生も調整中だ。

壱岐牛カレーパンで有名なパン店

このように、こちらで準備した企画案について学生から話をしつつ,高校生の意思、意見を聞くことにした。

そして,彼・彼女たちは「やりましょう!」と言ってくれた。最後にみんなで拍手をして方向性が確定した。

8月末。場所は勝本浦。店舗はアパレルとカフェ。今後,具体的な話を詰めていくことにする。そのために講義内容も変更し,改めて「なぜわたしたちがこの取り組みをするのか」というミッションを考えることに。そして,戦略論やマネジメント,マーケティングの話を入れ,協力頂く企業さんや地域の方とのコミュニケーションを図りつつ,出店準備をすすめることで1学期のコラボ授業を進めていくことを確認した。

出店できるコンテンツはあれども課題は満載

という具合に,大学生と高校生が協力しながら現地で出店することになった。言うまでもなく,こちらの(無茶苦茶な)提案に「高校生のためなら」「地域のためなら」と協力して下さる方々のおかげがあって出店できる。

また,これもこの1-2年の間に学生たちがさまざまな地域で試してきたこと,そこで得たノウハウや課題をもとにコツコツ積み上げてきたことから成立するもの。私が(無計画に)戦線を広げるにも関わらず,「面白いから」「高校生のためになるから」と付き合ってくれる学生には本当に感謝している。

こうして環境を整備して,高校生にしてもイメージしやすい店舗であれば,ジブンゴトとして取り組んでくれるのではないか。出店に至るまでのプロセスを学びの場に創り変えることで,地域にも大学生にも高校生にもポジティブな影響を創り出すことができるかもしれない。特に高校生には地域で学んだことを自分のキャリア,将来に活かすキッカケづくりという意味で学ぶ場を提供できることが意義深い。ここから地域経済の担い手が育つことを期待する(もちろん地域に残ることだけを目指しているわけではない)。

特にカフェは,人が集まり,交流できるスペースを作りたいと言っていたチームの声を反映させる(なかなかゲストハウスや観光地を今から作ることは難しい)ような広告宣伝や企画を行うことで彼・彼女らが壱岐に対して感じている課題感をより明確にする機会になるようにしていければ良いのかもしれない。

ただ,こうして見るとまた同じような企画が立ち並んでいるとも言える。個人的には新しいことにチャレンジしたいが,これらは現時点でわたしたちが持ちうる資源をもとにできることでもある。が,こればかりでもいけない。

もう少し定期的に出店できて,その出店の効果が目に見えて,持続可能な仕組みが構築できれば良いのだけれども。そのためには,ポップアップなんだけれども,提供できる商品・サービスのクオリティをどう上げるか,そうだとしてもお客様に購入して頂ける品質を担保する仕組みを作ること。

まさに創業体験プログラムで常々学生に言っていることに帰着する。そして,今まさに日田で直面している課題でもある。場所や人がいないことを問題として挙げがちなんだけれども,実は商品・サービスの質をどう上げるか,それは投資をどれだけ打てるかという問題でもあったりする。なので,壱岐に展開するという取り組みは楽しみではあるんだけど,ここが実は大きな課題で悩ましいところ。

どこかに安定的に店舗を出せる協力者(次の担い手)であったり,資本を調達できたりしたら良いのかもしれないが,そこまでやると私の本業が何なのかということにもなるので,さじ加減が難しいところでもある(笑)。

が,一歩前進。次は出店場所の確定とこの企画を爆発的に知らしめる告知戦略。ぜひ温かく見守ってください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?