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冬のマルシェをふりかえる|2022壱岐商業高校×とびゼミコラボ授業㉑

壱岐・勝本浦で開催した「壱岐イヴェールマルシェ」から2日が経過。


活動を支えた学生たちは月曜朝に福岡へ戻り、2限の私の授業にちゃんと出席してました。

えらい!!

ほんと頑張ってます。これがちゃんと報われて欲しい。そう願ってやみません。

そして、今日は今日で火曜日の通常授業を実施。マルシェ直後ということもあり、営業報告、企画実施の評価、ふりかえり、そして1月19日に行われる課題研究発表会に向けた調整を授業として行いました。

今日はその模様をお伝えします。

なお、これまでの授業は下記のマガジンにまとめていますので、合わせてお読みください。

1コマ目:売上・来場者数の把握とふりかえり

授業を始めるにあたり、今回のマルシェを数量で評価しようということで、来場者数と各店舗の売上から確認することからスタート。

これを見ると、完売できた店舗、思った以上に売上を伸ばせなかった店舗もあったことがわかるし、スタンプラリーも午前中は予定数完売だったけれども、午後は予定数の7割程度と時間帯によって来場者数にバラツキがあったことがわかる。

売上と来場者の発表!

コンテンツとしても,壱岐にまつわる日本昔ばなしの動画放映は結構反響があったようで、午前、午後ともに親子連れを中心に多くのお客様にご覧頂けたようだ。

売上総額では夏に実施した「エテマルシェ」と比較してもほとんど変わらない結果になった。前回はSPINNSとパンプラス+カフェという組み合わせでターゲットも若者、訴求するポイントの違いもあったし、そもそも店舗数が増えて客単価が下がるという条件下でも、これだけの売上を上げられたのは力がある個店がしっかり商売をしてくださった結果であろう。

また、午前の和太鼓部、午後の吹奏楽部の演奏にも50-70人の来場者があり、ご近所のお年寄りから「和太鼓部の勝本での演奏は久しぶりで嬉しかった!」というお声を頂けたそうだ。

こうしたことからも入場者数を正確に把握できているわけではないが,250名程度の来場者があったと予測している。エテマルシェよりも微増という感じだろうか。真冬で北から吹き付ける海風が強くなっている中,あるいは新型コロナウィルスへの警戒態勢もある中でのこれだけの来場者数を得たことは1つの成果だと言えよう。高校生が発案し,大学生と地元社会人が協力して作った仕掛けがしっかりとハマった。良かった、良かった。

ふりかえりの様子

こうした状況の共有を受けてのふりかえり。ここではまず高校生にワークシートに今回のふりかえりを記入してもらった上で、ゼミでお馴染みの「できた=できない」「意図した=意図してない」軸でのワークを実施した。そして,このワークでの学びを高校生から報告してもらった。

今回ある店舗で営業していた男子生徒は、前回に比して全く来店客が伸びなかったある店舗での営業をふりかえり、「ターゲットが変わったこともあるけど、仕掛け方が変わるとここまでお客の動きって変わるんだと身を持って体験できた。午後からは夏の体験を思い出してディスプレイを変えてみたりと工夫した結果,少しだけどお客様の反応が変わった。こうした経験は今後に活かせそうで勉強になった」と。

また、このマルシェを「出張文化祭にしよう」と提案した男子生徒は、スタンプラリーのゴールに来てくださる方の多くがターゲットにしていた親子連れだったことを引き合いに出して「ちゃんと仕掛ければそのターゲットが来るということがよくわかった。授業でいろんなことを学んだけど、それって本当なんだと理解できた」というようなことを話してくれた。

まだまだ多くの生徒の話を聞きたかったけれども,時間の制約条件もあったので,ここで1コマ目が終了。

2コマ目:お客様の声を聞こう/課題研究発表会に向けた準備

続いて2コマ目。この時間は今回のマルシェに寄せられたお客様、出店者の声を聞きながら、さらなるふりかえりを行うことに。

ここでは壱岐みらい創りサイトのMさんからの報告を拝借して紹介する。

「大人同士の微妙な壁を、高校生がいることでフラットにしてくれることを感じたイベント。お店同士が並ぶだけだと微妙な雰囲気になってしまうが、良い雰囲気で今まで話すことのなかったお店同士の交流機会にもなりますね。」

出店者の声

「今日はいつもよりも人通りが多くて賑わってるね」

商店街の方からの声

「この駐車場に普段こんなに人いることないですけど何やってるんですか?」

交番のお巡りさんからの問いかけ

とさまざまな声を頂戴するとともに、公民館で展示した高校生の写真展は1週間延長で展示続けてほしいと継続展示が決まったりと、(いろいろあったが)勝本浦に多くの人をお招きできたイベントになったとは言えそうだ。

ゴールの金刀毘羅神社に寄せられた来場者の声

また、寒い中、勝本浦を囲む断崖絶壁に立つ浦の守り神である金刀毘羅神社には多くの寄せ書きが寄せられた。中にはぜいぜい言いながら階段を登ったであろう子どもたちのかわいらしい「たのしかった」の書き込みもあり、高校生も大学生も心温まる瞬間もあったり。

課題研究発表会の報告割り

そんなこんなで2コマ目後半からは1/19に行われる「課題研究発表会」に向けた準備時間に。10分弱のプレゼンで誰が何を話すのかを決定。残り時間は高校生がワイガヤしているのを画面で見つめるだけに…。

こうして本日の授業が無事終了した。

ふりかえりのふりかえり

残すところ授業は最後の1回となった。ここまで17週+αの授業の準備と実施で担当の学生は本当によく頑張ってくれた。授業後の学生とのふりかえりでも改めてお礼を述べさせてもらった。最後をどんな形で終えるかはわからないが、壱岐の高校生との交流を通じて多くが学べたのではないだろうか。

マルシェ当日、店番をしていた高校生とこんな話があったらしい。

「ひょんなことからこのプロジェクトに参加することになったし、当初は進学しようか、どうしようか迷ってたけど、この授業で大学生と交流したり、マルシェをやったりする中で、もっと勉強してみたいな、大学行くのもいいなと思って進学することにしました」と(意訳)。

ある男子高校生の声

あるいはこんな声も。

「私は勝本の出身でもなんでもないけれども、こうやって勝本でマルシェやってみて、もっと街のことを知りたいなと思ったし、またこういう機会があればチャレンジしてみたい」と(意訳)。

ある女子高校生の声

そもそも今取り組んでいる「高大連携アントレプレナーシップ教育プログラム」には大きく分けて2つの狙いがある。

1つは地域の高等教育機関である高校で学ぶ高校生に対してアントレプレナーシップ教育を通じて、付加価値を最大化し、分配できるビジネスの意義を伝えること。なんなら自分の手でビジネスを興すことができる可能性があることを伝えること。

もう1つは大学生がロールモデルとなって進学という選択肢を示す=目的を持って進学をする生徒を増やすこと/高校生と共に学ぶことを通じて大学生も学ぶこと。

こうしたコメントからすれば、今回のこのプロジェクトから高校生は多くの刺激を受けていたと言えるのかもしれない。

一方の大学生はどうだろうか。授業を実施するあるいはマルシェ開催のお手伝いをするという意味では間違いなく力量が上がっているが、それを本人たちがどこまで自覚しているか。「学生時代に力を入れたこと」なんていう枠に閉じ込めないで欲しいな。もっとスケールの大きなことにチャレンジしているのだから。少なくとも後者の目標は達成することができたと言って良いだろう。

一方で前者についてはもっと長い時間を要する。今日も学生とのふりかえりの中で話をしたが,このプロジェクトの成果が本当の意味で評価できるようになるには10年,15年かかるかもしれない。でも,それでいいのだと。そんなにすぐ結果が出るようなことをやろうとしていないのだから。

ということで、またポエムを書き出してしまったが、2回目のマルシェはさまざまな反響を頂きながら無事終えることができた。残念ながら良い声ばかりではないことは承知している。それは私たちの足りないところであり、まだまだ学ばねばならない。

そうしたことも含めて、次回最終回をどんな形で迎えることになるのでしょうか。今から楽しみで仕方ありません。

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