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簡易キャッシュ・フローで月々の収支を把握する

突然ですが、キャッシュ・フロー計算書を作成しているでしょうか?中小企業には、キャッシュ・フロー計算書の作成義務はないので作成していないところがほとんどだと思います。また、作ってみた所で、項目が多く、どこを見たら良いかがいまいちわかりにくいものでもあります。

しかし、中小企業においてもキャッシュ・フローを確認することは大切です。今回は月次でキャッシュ・フローを簡単に把握する方法を教えます。

まずは月次推移表を作成する

キャッシュ・フロー表を作る前に、まずは月次推移表を作成しましょう。といっても、それほど難しいことはありません。会計ソフトには、通常月次推移を出力する機能が付いているからです。その機能を使って、損益計算書の月次推移を出力し、ExcelやGoogleのスプレッドシートに入力しましょう。

月次推移表は会計ソフトから出力されたまま使っても良いですし、多少項目をアレンジしてもOKです。私は、売上総利益率(=売上総利益÷売上高)を表示するように行を追加することが多いです。なぜなら、売上総利益率の増減が会社の損益に大きな影響を与えるからです。

営業キャッシュ・フローの行を追加する

月次推移表の一番下は当期純利益になっているかと思います。この下に行を追加して、「当期純利益+減価償却費」の値を計算させます。行のタイトルは「営業キャッシュ・フロー」でOKです。

減価償却費は販売費及び一般管理費の中にありますので、探してみてください。有形・無形固定資産がなければそもそも減価償却費はありませんので、その場合には営業キャッシュ・フローは当期純利益と等しくなります。

借入金の元本返済額を入力する

続けて、営業キャッシュ・フローの下に借入金の元本返済額を入力する行を追加します。そして元本返済額を入力すれば良いのですが、元本返済額は損益計算書を見ても載っていません。総勘定元帳か、借入の一覧表から月々の返済額を集計するようにしてください。

最後に、営業キャッシュ・フローから元本返済額を引いた結果を表示する行を追加します。行のタイトルは「キャッシュ・フロー」とでもしておきましょう。この行が簡易キャッシュ・フローを表しますので、月々の推移を見てみてください。プラスならば良く、マイナスが継続しているようだと危険な兆候となります。

りに

上記の手順は実際にやってもらうとわかりますが、たいして難しくありません。キャッシュ・フロー計算書を本気で作成しようとすると、本を1冊読まなければならないことに比べたら本当に簡単です。

しかし、簡単ですが、この方法で算定されるキャッシュ・フローはとても重要な指標となります。ぜひ、月次推移表にひと手間を加えて、キャッシュ・フローまで確認できるようにしてみてください。


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