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退職金制度のメリット・デメリット

退職金制度はひとたび設定すれば会社の義務となる重い制度です。しかし、それに見合うだけの価値も秘めています。では、実際にどのようなメリット・デメリットがあるのか整理してみたいと思います。

退職金制度のメリット(会社)

会社にとっての退職金制度のメリットは、次のとおりです。
・優秀な従業員を採用できる
・従業員に長期にわたり勤務してもらえる
・従業員により多くの支給を行える
いずれも退職金制度の目的と重なるものです。

また、上記以外にも、退職勧奨ができるという点もメリットとして挙げられます。例えば、55歳以上の退職者については中途退職の場合の減額をなくすことで、55歳以上であればいつでも退職しても良いというメッセージを送ることができます。あるいは、退職金を上乗せ支給することで円満に退職してもらうという使い方もあります。

退職金制度のデメリット(会社)

退職金制度の最大のデメリットは支給が義務化されることです。このため、退職一時金であれば、退職時にまとまったお金が必要になります。もし、退職者が複数いればさらにインパクトが大きくなります。

企業年金であっても、毎年の積立が必要となりますので、財務負担があります。さらに確定給付型の年金の場合には積立不足も会社が負担しなければならないため、積立金の運用リスクも負わなければなりません。

確定拠出型であれば運用リスクは負わないので、財務負担はないと思われるかもしれませんが、違います。毎年の拠出は必要ですので、業績に関係なく一定の支出があり、さらに拠出日を遅らせることはできませんので、常に資金繰りに気を使う必要があります。加えて、従業員の投資教育をするという義務もあります。

続いて、従業員にとってのメリット・デメリットも見てみます。

退職金制度のメリット(従業員)

従業員にとっての退職金のメリットは、引退後に必要なお金を会社が準備してくれるということです。退職金制度がなく、その分を給与や賞与に上乗せでもらっていたとしたら、従業員自身が引退後に備えて積み立てを行わなければなりません。それがきっちりできる人は良いのですが、人間手元にお金があるとつい使ってしまうもの・・・。退職金制度があれば、自動的に積立が行われるので、そのようなことは起こりません。

確定拠出型の年金の場合も同様です。確定拠出年金は原則として、積立期間の途中で解約し、現金を引き出すことができません。このため、引退するまで積み立てを続けることが可能となります。

また、退職金で受け取ると税金が安く、社会保険料がかからないというメリットもあります。

退職金制度のデメリット(従業員)

退職金という形で後払いでもらうことを好むか、先払いで給与としてもらうことを好むかは、個人個人の考え方による部分もあります。どちらが正しいというものではありません。

先払いで給与としてもらいたいという人にとっては、退職金制度はデメリットとなります。

終わりに

以上が、会社と従業員それぞれの視点から見た退職金制度のメリットとデメリットです。一長一短のある制度ですので、経営者の理念や経営方針と整合するかどうかという点も踏まえて、導入を決めるべきものなのです。

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