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退職金制度の目的

あなたの会社では、退職金制度がなぜ設けられているのか理解していますか?もしかしたら、「同業他社が退職金制度を始めたから、うちの会社でも始めないといけないと思った」というような理由もあるかもしれません。

退職金を制度として定め、支払義務を負う以上は、退職金制度の目的がわからないということでは困ります。退職金制度を導入した当初とは目的が変わっていても構いませんが、目的もなく、ただ何となく続けているだけの制度にするのはもったいないのです。

ここでは、退職金制度を採用する一般的な目的を紹介したいと思います。

優秀な従業員を採用する

他の条件が同じであれば、退職金制度がある会社の方がない会社より好まれるのは当然のことです。また、退職金制度がある会社は、必然的に将来の財務負担が大きくなります。つまり、それだけ経営が安定している(将来も安定していると見込まれる)会社という印象を与えます。また、経営者が従業員を大切にするというメッセージも伝わります。このように、退職金制度があることで、従業員の採用にプラスに働くことになります。

従業員に長期にわたり勤務してもらう

退職金のルール設計によっては、長期勤続者に対して支給額を手厚くすることが可能です。このようにすることで、定年まで働きたいと思ってもらえるモチベーションに繋げることができます。また、退職金を在職中の功績に応じて決めることにより、従業員のやる気や生産性の向上を目指すこともできます。

従業員とその家族の退職後の生活を支える

一般的に、退職金は従業員の引退後の生活を支える原資となります。国の公的年金制度や従業員自身による老後のための積立もありますが、それだけで老後の生活を十分に支え切れるかどうかはわかりません。会社から定年退職金がもらえれば、引退後の生活水準を引き上げることが可能となります。

また、中途退職者にとっても退職金は意味があります。次の就職先がすぐに決まれば良いですが、ときにはそれが難しいことがあるのも事実です。そのような場合に、退職金が就職活動中の生活資金の一部になることもあります。

従業員により多くの支給を行う

退職金は所得税、社会保険料の観点でとても優遇されています。所得税については、退職所得控除、1/2課税、分離課税という3つの特典により、給与や賞与に比べて遥かに税額が少ないのです。社会保険料については、退職金には課されません。つまり、給与を後払いにして退職金でまとめて支給することで、同じ支給額でも従業員の手元に残る金額は多くなるのです。

終わりに

いかがでしょうか?もし、自社の退職金制度の目的がわからなければ、上記を参考にして目的を決めましょう。そうすれば次のアクションとして、目的に合った退職金制度への変更を行うことで、無駄のない退職金制度が運用できるようになります。

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