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資金を増やす経営のポイント~その1~

前回、儲かっても資金が増えるわけではないことについて説明しました。では、どのようにしたら資金が増える経営ができるのでしょうか。

会社の資産とは将来資金に変わるもののこと

会計の定義では、将来、資金が会社に流入するものを「資産」と呼びます(注:資金そのものも資産に分類されるのですが、ここでは資産には資金は含めないこととします)。例えば、売掛金や受取手形は得意先から回収することで、在庫は販売することで資金になります。設備投資は、機械を使用して製品を生み出し、その製品を販売することで資金となります。

このように、資産というものはいつかは資金になるのです。逆に言うと、資金にならないものは会社で保有してはいけないということです。よくある例が社長が趣味で購入する高級車です。個人のお金で買う分には構いませんが、会社の資金で買えば資金を生み出さない負の資産になるだけです。

資金にならずに眠っている資産を減らす

資産は資金になるまでは眠っている状態です。当たり前ですが、資産のままでは決済に使うことはできません。では、どうすれば資産が資金に変わるのでしょうか?

答えはシンプルで、資産を減らせば資金に変わります。売掛金は回収、在庫は販売することで資金が増えます。設備は使用して消耗することで、製品を生み出し、資金が増えます。

また、回収見込みのない売掛金や販売見込のない在庫について、回収できないと判断し貸倒れにしたり、廃棄したりしても資産は減ります。この場合には資金は増えないと思われがちですが、そうでもありません。貸倒れの損失や廃棄損によって税金負担が減るので、その分の資金が増えることとなるのです。

つまり、どのような方法を取るにせよ、資産を減らすことが資金を増やすための方法となるのです。もちろん、回収できる売掛金を回収せずに貸倒れにしても良いというわけではありません。資産その価格のまま資金化されるとは限りません。当然に、できるだけ多くの資金に変えることができるような方法を選択すべきです。

資産は減らす努力をしなければ減らない

このような話をすると、うちにはこれ以上減らせる資産はないとみなさん言います。本当に減らせる資産がないケースも稀にはありますが、たいていは減らせないと思い込んでいるだけです。

資産を減らすことで資金が増え、経営が楽になるのであれば、そうすべきです。資産を減らす努力をしないで、お金がないというのでは、経営者の責任を果たしているとは言えません。まずは、先入観を捨て、どうすれば資産を減らせるか知恵をしぼってみましょう。社長一人で考える必要はなく、ベテランの従業員や知り合いの社長などに相談してみると、案外良い方法が見つかるものです。

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