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休むということ


私は今までの人生において、きちんと「休む」ということができた経験が一度でもあるだろうか。

頭の中では、「休む」ということが重要であると理解してるつもりだ。自分の精神的にも身体的にも。

けれど、今まで自分の中で大きなイベントが終わった後、休もうと思い自分に時間を沢山あげていても、「ここで止まっていて良いのだろうか」と勝手に見えない「何か」にいつも焦っている。その「何か」に頭がいっぱいになり、結局は、特に精神的に休めていない気がする。

ただ、思い返してみれば、何も心配せずに休めたことが一度だけあった。

去年の夏に友人から「スペインにあるお家が一週間空くから、遊びに来なよ」と連絡が来た。
その時私は、大学院の夏休み真っ只中であったが、毎日卒業制作のリサーチのため図書館に通っていた。
「まあ数日くらいなら、せっかくの休みだし」と思い、3泊4日でお邪魔することに決めた。

私の他に彼女の友人3人(私はスペインで初めて会う)も遊びに来ていたのだが、みんなほぼ一週間滞在予定だった。
そこでも私は、「休む」ということに対しての意識が違うんだなと感じた。

友人のお家がある場所は、海の近くで、夏になるとビーチは観光客で賑やになる。
私達が滞在した時は、シーズンも終わりかけていたので、あまり観光客で溢れかえっている印象はなかった。

そこでの私達の過ごし方も、観光というよりは、「1日をのんびりと過ごす」というスタイルだった。

平日仕事がある2人を除いて(2人は友人宅でリモートワーク)、私含めてあとの3人は、好きな時間に起きて、ゆっくり朝ごはんを食べ、その後プールや海に泳ぎに行ったりする。
ある日は、3人で、車で2時間ほど離れた場所にある滝を見に行き、そこでも泳いだりした。
夜は仕事が終わった2人と合流し、外食するなり自炊するなりと、一緒に食事をした。

そう3泊4日過ごしている中で、「そういえば私、この4日間何も考えず本当にその時間を楽しんでいたな」と気づいた。
心にあった何か不安なものがすっきりと無くなったような感覚。

ここで私は初めて「休む」ことが出来たんだなと感じた。
完全にリフレッシュ出来た私は、そこからロンドンに戻った後も、卒業制作に、より集中することが出来た。

このスペインで過ごした4日間は、「休む」ということの大切さを身をもって感じた時間だった。

それからもう4、5ヶ月経っているが、「1日自分のためにのんびりと過ごす」という日を定期的に設けている。
かといって、忙しいロンドンでは、まだ完全に「休む」ことは出来ていないなと思う。
周りが忙しく過ごしているのを見ると、やっぱりまだ少し焦りを感じている自分もいる。

だからと言い、毎月ロンドンを離れて旅行に行くのは、金銭的にも体力的にも厳しいので、どこにいてもしっかりと休める、習慣とマインドセットが身につくと良いなと思う。

今年が終わる頃には出来ているかな。

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