手紙を書きたくなった。 特別誰かこの人に書きたいというわけではないが、書きたくなった。 自分の手で描いているからか、短いスペースの中で綴るからか、1番伝えたいこと、1番届けたい想い、1番かけてあげたい言葉を暖かい言葉達で埋め尽くしたくなる。 こう思うのはきっと、今の自分のいる環境が苦しいからだろう。もう見て見ぬふりも出来なくなるくらいの灰色の雲に覆われ、その色に染まっていく自分の姿を好きになれるはずもなく、おだやかで温かい気持ちが消えることのない、と思える友人との時間が恋
部屋の電気を付ける時間が早くなった。 空が1番綺麗なロンドンの夏が終わり、昨日からロンドンらしい曇り空が戻ってきた。 日が短くなったこともあるが、太陽が隠れ常に空が暗いから、17-18時くらいになると部屋の電気を付け始める。夏は20時くらいまで外は明るかったのにな。 これがあと半年も続くとなると、 また今年も耐えなければいけないのかと、いつもなら憂鬱な気分になるが、今年はなぜか落ち着いている。 というより、雨の音も静かな空も、少し肌寒い風も好きになっている。 大学院を卒
ストレスが原因で口内炎が出来ると言うが、 口内炎のせいでストレスが溜まる。 常に頭の中にある、なかなか抜け出せない悩みのような感覚。 とりあえずスーパーに行ってオレンジ買ってくる。
朝リビングで朝食を食べていると、 台湾出身のフラットメイトが冷凍庫から大根餅を出し、フライパンで焼きだした。 大根餅は私の大好物。 日本にいた時は、家族で中華街にご飯を食べに行くたびに必ず注文していた。 大根餅が大好きだと伝えると、 「一ついる?」と聞いてくれたので、迷いもなく頂くことにした。 市販の冷凍のものなのだが、中がモチモチしていて、とても美味しかった。 「美味しい美味しい」と私が頬張っている横で、 彼女はフライパンに卵を流し込み、その卵で大根餅を包んだ。 「い
私は今までの人生において、きちんと「休む」ということができた経験が一度でもあるだろうか。 頭の中では、「休む」ということが重要であると理解してるつもりだ。自分の精神的にも身体的にも。 けれど、今まで自分の中で大きなイベントが終わった後、休もうと思い自分に時間を沢山あげていても、「ここで止まっていて良いのだろうか」と勝手に見えない「何か」にいつも焦っている。その「何か」に頭がいっぱいになり、結局は、特に精神的に休めていない気がする。 ただ、思い返してみれば、何も心配せずに
夏も終わり、肌寒くなってきた。 ロンドンはまた雨続きの日々に戻りつつある。 家の床も冷たくなり、靴下が必須な季節だ。 夜になり、部屋の外の廊下に組み立てた本棚へ向かう。(狭い部屋には本棚を置くスペースがなかった) 暗く冷たい廊下にある本棚を見ると、祖母の家にある本の部屋を思い出す。 2階の部屋に1つだけある大きな本棚。 幼い頃、冷えた廊下を裸足で歩きながらその本の部屋に入り、恐る恐る本棚へ近づいた。 置いてある本は古い本ばかりで、その時の私にはなぜか少し不気味に感じた