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アメリカで行われているフォニックスと、英語学習者向けの発音記号として開発された「E・カナ フォニックス」の違いについて(A)


そもそも「フォニックス」とは何?

フォニックスとは、(英語の)発音はできるが、まだ文字(フォニックス式のアルファベット)が読めない子供たちを対象にした、発音と文字(フォニックス読みのアルファベット)を結びつけるための規則性(ルール)を身に付けさせる学習のこと、ということは前回お話ししました。

今回から、「E・カナ」というアメリカ英語のすべての発音を100%忠実に再現して表記できる記号について、表記例を添えて説明していきます。

E・カナ記号は、カタカナをベースにして創られています。そのため、学習者にとっては すごく馴染みやすい発音記号ということができます。

E・カナ記号をマスターすれば、英語のややこしい発音記号を覚える必要がなくなります。そして、E・カナ記号を活用することで、カタカナ発音から確実に脱却することができます。


E・カナフォニックスで最初にやるべきことは、母音と子音の区別を明確にするということです。

このことには理由があるのです。ほとんどの英語学習者は、学習当初、カタカナを使って英語の発音を身に付けています。

しかしながら、カタカナでは、[k]と[ku]や、[hu]と[f]、[u]と[w] 等を、区別して表記することができないのです。

そのため、いきなり個々の発音の習得に取り掛かるよりも、発音の誤用・混同を避けるために、先に「子音全体」を身に付けてしまおうというわけです。

E・カナ記号は、カタカナと同じように、「ア列」から「オ列」の五列に分けられています。そして、これらの列とは別に、「子音列」を設けています。

この「子音列」を活用することで、これまで同じ表記をしていた[s]と[su]、[m]と[mu]などを明確に区別できるようになりました。

その「子音列」と「ウ列」を一覧にしたのが 下の『子音列・ウ列一覧表』です。この表を見ながら、「子音列」と「ウ列」を交互に音読することで、単独子音や連続子音の発音が身に付いてきます。(単独で発音しない子音は省略しています)


① 子音列・ウ列一覧表 

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ここから個々の発音についての説明をします。

日本のフォニックスでは、LもRも 「ラ行」(ラリルレロ)で表しますが、「E・カナ」は下記のように、LとRを明確に区別して表記します。

左側にLとRの「行」を、右側には ア~オの各列に合わせた英語の単語を、そして、その単語の下部にE・カナ記号で その単語の発音を表しています。 (白抜き文字は閉鎖音を表しいます)

②LとR  laliluleloとrarirurero  lightとright    

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次に、look の l と cool の l の違いについて説明します。

look の l は後ろに母音がある「明るい l」で、coolのl は、語尾のlのために、「暗いl」になります。

また、milk や world のように、 l の後ろに子音がある場合の l も、「暗いl」になります。

Lのラ行は下記のような表記になりますが、「ア列」~「オ列」だけのカタカナとは違い、E・カナには「暗いl」を表記するための 「子音列」が設定されています。

③ L行 横に look cool milk world  McDonald's

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また、title と tile のような微妙な発音の違いも明確に区別して表記できます。語尾の lでも、次の語が母音で始まる場合には明るい l になります。(文字の下の✖印は、その文字が発音されないことを表しています)


④ title tile  fall in tell him

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ここまで、E・カナ」でさまざまなLを表記してきました。これらのLの それぞれの発音の仕方については、後日、詳しく説明します。

以上です。


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