声の糸 episode 臨死体験
そこから私は不思議な体験をした。
自分が監視カメラから見てるかのような
感じでみんなの行動や言動が見えてた
私はどうやらナースステーション横の
部屋に移動していた。
夜勤の心臓内科の先生がちょっと怒ってて
「担当医には連絡つかないのか!早くしろ!心臓これじゃ止まるぞ!!」と言っていた。
看護師さんが担当医は今出張で県外にいます!と焦っていた。
「俺の責任でいい輸血するぞ2Lを2つ一気に入れるぞ!」と言っていた。
みんなバタバタしていた。寝ている私は呼吸気をつけられ心拍と脈を図る装置を付けられ
ピピピって音とみんなの声がザワザワと聞こえた。
その時上から温かい空気と音楽みたいのが聞こえた。心地よくて小さい頃お母さんの横で頭なでなでしてもらいながら寝たような感覚で気持ちいい空気がきていた。
上から見えてる世界では看護婦長さんが私の名前を一生懸命呼んで手を握ってくれてた。
「てるみちゃーん!!だめだよ!!帰っておいで!てるみちゃーん!午後には彼氏さん来るんでしょ!帰っておいでー!てるみちゃん!!」
その瞬間別の意識で暗闇のジメジメとした場所に1本の蜘蛛の糸みたいな糸が垂れてきて握っていた。なんかそれを離しちゃいけない気がした。その糸からハッキリと看護婦長の声がした。
上は暖かくて声がする糸は握りにくくてちぎれそうだった。
でも離しちゃダメな気がした。
ギュッーと握った。
そこで意識が切れた。
目が覚めた時には2つ針が刺さってて輸血されてた。
看護師や医者が歓喜してくれた!
みんなが泣きそうな顔でおはようって言ってくれた。私は実は見えてたしみんなが頑張ってくれてたの知ってたけど。
「おはよう」
そう言い返した。
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