The First Step

大きすぎる建造物の合間を縫って、歩をすすめる。

泥濘なのか雪解けなのか分からないが、ぬかるんだ足元を必死で踏みしめる。

絶え間なく振り落ちてくる粒を受けながら、視界を確保し進む先を見つめる。

光のない中、手触りと足場の感触だけを道標とする。

そんな道を行く中で、何を求めるのか。

目的地だけじゃなくて、進行方向すら見失ってしまうかもしれない。

ましてや、目的地とは逆に進んでいることがないとも言えない。

でも、その先を行かなくちゃならない時が来る。

待ち人はいない。

持ち物もない。

ただそこに何があるのかを見たいだけ。

ただそこで、自分がなにを出来るのか考えたいだけ。

これはそんな旅への第一歩。


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