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やんこびっちと呼ばれた頃(1)

高校時代、生徒会に入ってからの自分の居場所はプレハブ建ての2Fにしかないものだ、と大人になってからもしばらく思い込んでいた。
あとから思い出せば、クラスメイトともそれなりに仲良くやっていたし、部活も3つの部に少しずつ在籍したり、文化祭や新入生歓迎会の準備などいろんなことを経験させてもらった。
わが高校伝統の強歩大会をはじめ、臨海合宿や修学旅行、球技大会にも嫌々ながら参加した。運動やイベントごとは得意だったが好きになれなかった。
英語の授業の時に私だけA先生に毎回指名されたことを除けば、とても充実した3年間だったと思う。

やんこという名前は高校のクラスメイトにつけられた「たくやんこびっち」というあだ名に由来する。私の本名は「たくや(仮)」というのだが、末尾に”んこびっち”をつけた形になる。おそらくジョコビッチなどのテニスプレーヤーからとったものだろう。
このあだ名を私につけた彼は、当時テニス部に所属しており1年と2年の時に同じクラスだった。3年間で、生徒会メンバーを除く純粋なクラスメイトのうち、友達の家に行ったのは、彼の家だけだ。

彼の家は、一家がSMAPを推しており、壁や棚の上にキラキラした団扇などのグッズがいくつか置かれていた。2回ほどお邪魔した記憶がある。私が短期で通っていた高校にほど近い駅の前の、大学受験予備校を通り過ぎたところにマンションがあった。今も駅に行けば、建物だけなら、この建物が彼の家のあるマンションだ、と言える。

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