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【エッセイ】頂点の虚しさ#世界一のクロワッサン

 人間一位を目指したがる。でも一位になったら次は何を目指すのだろうか。
一位を維持する。
それができたら良いけど、どうしようもない限界を見た時人は何を感じ何を思うのだろうか。

 ニューヨークタイムズ誌が「世界一美味しいクロワッサン」と認めたクロワッサンはここメルボルンにあるLUNEだ。(僕はルネと呼んでいたが正解はルーンです)
 クロワッサンが好きな僕は行かずにはいられなかった。

LUNEの行列

 真冬の朝、開店30分以上前にも関わらず長蛇の列が。これでもだいぶ早い方で後ろにはこれの倍以上の人がいました。支店でこれなので本店はどうなることやらと思いました。
 

チョコとアーモンドとプレーン

 長時間の末、購入完了。合計約$40。一つ10ドルのクロワッサンと決して安くはない値段。それがけ味に自信があるだろう。並んでいる時間に色々調べていると店主はオーストラリアで本物のクロワッサンを提供したいという思いでお店を始めたのだそう。僕は出し惜しみせず四つ買った。クロワッサンの発音は難しい。
 

結論から言うと間違いなく美味しいクロワッサンです。世界一という重圧に耐えながらも期待通りの味がします。でも、クロワッサンの限界も同時に感じます。
「これで僕はクロワッサンに無限の可能性を抱くことはない」
 この値段でこの味なら毎日食べようとは思わない。観光に来た友達を連れてくるくらいがちょうど良い。でも世界一というくらいだったら「毎日食べたい」と思わせて欲しかった。でも、毎日食べたいクロワッサンなんて存在不可能だ。これはLUNEを”世界一“とうたったニューヨークタイムズが悪いのかクロワッサンが悪いのか。LUNEは決して悪くない。味は本物だと思います。僕の好きなサクサクもっちりのクロワッサン。
 僕がクロワッサンが好きになったきっかけ。大阪西田辺のゴッホのクロワッサン。可能なら食べ比べしてみたいな。
 メルボルンに来たら絶対にLUNEへ、大阪に来たらゴッホへ。

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