夢の中でさえ愛してはくれない

夢を見た

暗く苦しい夢

必死に呼吸することを辞めれば
息は遠くなり死んでしまいそうだった
美しい人ばかり現れて
恋焦がれるような気持ちになった
傷つけられても
愛され続けていたいと願った

有り得るはずのない状況で
辻褄も合わないような曖昧な物語が
心臓に黒く絡みついている

もう一度あの世界を生きるために
早く眠りにつきたいのに
その世界に戻ることは
永遠に不可能のまま

馬鹿みたいな中二病設定で
薄くて軽い内容が
愛おしくて堪らない

色を失っていく記憶が
曖昧で切なくて

寂しさだけ
嘘偽りなく手のひらに残る

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