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『わたしには想像しえない君、それを創造したこと』

2023.10.18

この物語を、わたしが読んでも、この世の多くの人が読んでも、妹はそのような人間に見えなかったと思う。攻撃的で、繊細で、鏡のようで、妖精のようで、虚構で。言葉だけなら、説明だけなら、そんな少女だって思った。世界観も、例えば君が座っている椅子とか、纏っている衣装とか、硝子であることとか。もっと神秘的だって正しかった。もっと非実在にしたって、イマジナリーにしたって良かった。でも、リアルで、生々しくて、グロテスクで、悪魔のようで、悪女のようで、ファム・ファタルだった。消えてしまっても、可哀想で寂しくはならなかった。田口がファム・ファタルを、サロメを、魅惑と狂気を断ち切っただけだった。10代の飲まれやすさ、想像に生きる脳に乗っかって狂わされたのではない。彼女は狂っていた。自ら。

少女都市からの呼び声

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