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Instagram meets 市区町村 1万フォロワー超えの市区町村の傾向を分析してみた

こんにちは。株式会社Tsuzucleの久保です。

突然ですが、、、

あなたは自分の住んでいる街の公式Instagramをフォローしていますか?

そもそも、住んでいる街がInstagramをやっているかどうか、、、知っていますか??

全国に市区町村は1,718あります。
それぞれの自治体の中に住民が暮らし、会社があり、経済活動や生活が行われています。

近年、様々な自治体がInstagramで自らの市区町村の発信を行なっています。
しかし、そのほとんどは上手くいっておらず、認知の拡大には至っていないというのが結論です。

そこで、今回は1万フォロワーを超えていた自治体にスポットを当てることで、

  • 何が自治体のアカウントの成功に関わるのか?

  • 自治体がInstagramを運用する際に押さえるべきポイント

を、まとめていきます。

<このnoteの想定読者>
・自治体でInstagram運用に携わる方
・Instagramマーケティングに携わる方

そもそも1万フォロワー超えはどのくらいのレベルなのか?

「1万フォロワー」という数字は自治体というジャンルの中でどのくらいのレベル感なのでしょうか?

今回はこちらのサイトを参考に、情報を収集しました。

まず、全国1,718の自治体のうちInstagramを運用している自治体の数は、636です。割合にすると約37%の自治体が公式のInstagramを持っていることになります。

そのうち、1万フォロワーを超えている自治体の数は、25です。
自治体全体から見ると上位1.46%、運用している自治体全体で見ると上位3.93%ということになります。

こうして見ると、「1万フォロワーを超える」ということは自治体の中でもトップオブトップの成果であるということが言えます。

自治体は何のためにInstagramを運用するのか?

弊社でInstagramの運用をお受けする際に必ず明確にするポイントは、運用のその先のゴールです。誰にどんな行動を取ってもらうことがゴールなのか?それに応じて、当然運用の方針や予算のかけ方も変わってくるはずなのです。

自治体がInstagramに取り組むべきポイントは何でしょうか?
それを紐解くためには、自治体自体の収益構造から逆算してInstagramを捉える必要があります。

自治体の収益構造

自治体の最大の収益源は当然ですが税金です。

https://www.city.kimitsu.lg.jp/uploaded/attachment/606.pdf
千葉大の大塚先生の資料がわかりやすいので、気になる方はご覧ください。

自治体の税金のうち、大半は住んでいる住民と地元法人に課される地方税です。言い換えると、多くの人が暮らし、地元企業/産業が儲かれば儲かるほど、自治体の財政は安定化し、新たな助成金などの制度を打ち出しやすくなるということです。

だからこそ自治体は、この過疎化が進む時代において、住みよさをアピールして移住を促しますし、観光客を呼び込んで地元企業を潤わそうとあの手この手を尽くします。

細かく見ていくと、自治体の収益構造はもっとややこしいですが、それは今回の本題からはズレるので飛ばします。

ここまでの内容をまとめると、自治体がInstagramを運用するメリットは、

  1. 自治体の魅力を自治体外に発信することで、旅行先の候補に上がりやすくなったり、移住検討の候補に入りやすくなる

  2. 地元住民にとって地元のイベントや情報を収集する情報源となり得る

この辺りが運用目的の中心になってくるはずです。

自治体にとってのInstagramの位置付け

観光客 / 移住者を増やしたい自治体にとっては、確かにInstagramは最適な発信媒体の一つと言えます。

観光客においてはすでにデータが出ており、全てのSNSの中でInstagramのフォロワー数が最も観光客数と相関が高い結果となりました。

そして、移住者に関してはInstagramのフォロワー数との関係性が明確に見られているわけではないですが、主に若い世代を中心に関心が高まっている点と、移住先の様子を知る上では、言葉よりもビジュアルの方が訴求としては強いことからも、Instagramは媒体として適していると言えます。

1万フォロワー超えの自治体

ということで、前置きが長くなりましたがここからが本題です。
まずは1万フォロワーを超えている栄えある25自治体の一覧です。

北海道
- 小樽市(1.1)

東北地方
- 秋田市(1) 

関東地方
- ひたちなか市(1.1)  , 前橋市(1.2) , 銚子市(1.7) , 横浜市(10.3) , 藤沢市(1) , 寒川町(1.1) , 葉山市(3.7) , 逗子市(1.7) 

中部地方
- 豊橋市(1.1) , 白川村(1.8) , 豊田市(1.7) , 田原市(1.3) 

関西地方
- 姫路市(1.5) , 堺市(1.4) , 神戸市(2.2)

中国地方
- 広島市(2.5)

四国地方
無し

九州地方
- 南九州市(1) , 天草市(1.4) , 北九州市(1.6) , 阿蘇市(1.8) , 波佐見町(2) , 宮崎市(2.3) , 福岡市(4.5)

※括弧内の数字はフォロワー数(万フォロワー)

どうでしょうか?予想通りの自治体と意外な自治体があるかもしれません。
まずはぱっと見でわかることをいくつか。

  • 東京23区で1万超えは一つも無し!

  • 神奈川県から5自治体が1万フォロワー超え!強い!!

  • 九州地方が関東地方の8つに次ぐ7自治体が1万超え!

  • 横浜市、、強し!!!


上手くいっている自治体の特徴

まずは、どんな運用を行なっているか?ではなく、
「どんな自治体が上手くいっている傾向にあるのか?」
という部分を深ぼっていきます。

観光客数との相関はすでに確定しているので、今回はそれ以外の指標として、

  • 人口数ランキング

  • 人口伸び率ランキング

  • ふるさと納税額ランキング

との比較を調査しました。

それぞれ結果は以下の通りです。

人口ランキング × フォロワー数

人口伸び率ランキング × 人口数

ふるさと納税額ランキング × フォロワー数


結果的に、産業や特産品のファンが認知をして納税をするふるさと納税よりも、人口数や、人口の伸び率の方が分布的に関係が大きいということがわかります。

「人口の多い自治体の方がフォロワーが多い」という結果はすなわち、
フォロワーの大部分は地元住民が占めると言い換えることも可能です。
確かに、よほどの理由がない限り、自分の地元ではない自治体の公式アカウントをフォローすることはないかもしれません。

とはいえこれはあくまで要素の一つであり、傾向でしかないので、人口数が少なくても伸ばすことのできる可能性は十分にありますが、少なくとも情報の発信ターゲットは自治体の住民を中心としつつ、外部の人にもアプローチできるようにしていくということが理想であることは間違いなさそうです。

認知を広げるためには外部へのアプローチに目が向きがちですがそれだけではダメだということですね。

上手くいっている自治体はどのような運用をしているか?

今回のnoteの核心のパートに入っていきます。
1万フォロワーを超えるようなアカウントの自治体は、どのような運用をしているのでしょうか?
事例ベースで見ていきましょう。

Case 1 UGCを最大限に活かす:秋田市

UGC (Uger Generated Contents)が重要だと叫ばれて、もう随分と経ちます。
UGCはいわば口コミであり、公式からの発表よりも近しい人の口コミの方が強いということはもちろんその通りです。

では、自治体にとってのUGCとは何でしょうか?
それは住民や観光客が行う、その自治体に関する全てだと言えます。
秋田市はそこを上手に公式がキュレーションしています。

#findakitacity
というタグに投稿が集まるようにプロフィールやキャプションの中で呼びかけを行っており、そこに集まった投稿を公式でリポストしています。
ユーザーにとっては公式から投稿してもらえたという満足感でさらなる投稿を行うケースが多く、自治体としては質の高い写真をコストをかけることなく運用することができます。

他の自治体も上手くいっているところはリポストを上手に活用しているところが多いです。

Case2 リールの活用+街の「人」にフォーカス:福岡市

福岡市は全国2位の4.5万フォロワーを誇ります。
福岡市もUGCを中心としている点では秋田市と変わらないですが、
そのUGCをカルーセル投稿ではなく、リールとして出している点が特徴です。

リールは静止画の投稿よりも伸びやすい傾向にあります。

2023 hubspot発表 Instagram Engagement Reportより

動画となると編集にハードルを感じる方もいらっしゃりますが、実は難しい編集は必要なく、カットの遷移や音源とのマッチングさえ合えば簡単に作ることができます。(最近だとテンプレも増えました。)

福岡市はUGCの画像をつなぎ合わせて動画にすることでリーチを伸ばしています。さらにいうと、リールにすることで公式で取り上げられるアカウント数も増えるので、いいこと尽くしです。

福岡市はさらに自治体で活躍している「人」にもフォーカスを当てています。

「人」にフォーカスを当てることで自治体の活力を内外にアピールすることができます。もちろん工数はかかってしまうので初期において優先度が高い施策ではないですが、福岡市くらいフォロワーが伸びたあとならば行うメリットも大きいです。

Case3 マガジン風に町をPR:波佐見町

長崎県波佐見町はInstagramに最も力を注いでいる自治体のうちの一つです。
いえ、No. 1と言っても過言ではないでしょう!

波佐見町のInstagramは全ての投稿がマガジン風な文字入れのデザインになっています。
さらに、これは最近の投稿のキャプションですが、情報量が非常に多くなっています。

【可愛いだけじゃない!絶品のコッペパンで誰もが大満足:パンダコッペ 】
o0(今日の投稿は、お手軽かつ大満足のグルメを
お探しのあなたにおすすめです!
今のうちに保存ボタンを押しちゃいましょう✨)

こんばんは🌙

今日の投稿は、
♨️ いつもはさみ温泉を利用されている方
🚗 波佐見町に観光に来られる方、
🐼パンダ好きな方
そんな皆さんにぜひ見ていただきたい投稿です🙌

✂︎パンダコッペさんについて3行(くらい)で教えて!✂︎
😋 絶品コッペサンドでお腹も心も満足!
🐼 パンダのキッチンカーでお子さんとお写真をパシャリ!
🥖 一番人気は、ご飯にもおやつにもぴったりのたまごコッペ

___________

▼パンダコッペさんの基本情報▼
📍 販売場所 長崎県波佐見町長野郷558-3
 *はさみ温泉湯治楼の駐車場です!
⏰ 営業時間 10:3014:00(なくなり次第終了)
🗓 営業日:木・金(祝日はお休み)
📷 アカウント @panda.koppe
※パンダコッペに電話はないので、問い合わせはPANCLUBの電話番号でお願いします。

_

▼PANCLUBさんの基本情報▼
📍 販売場所 長崎県波佐見町宿郷900-2
⏰ 営業時間 10:0018:00
🗓 定休日 日、月
☎︎ お電話 0956-59-9800
📷 アカウント @hasami_panclub

___________

【”パンダコッペ”って?🤔】

今日ご紹介するパンダコッペさんは、
波佐見町で愛されるPANCLUBさん ( @hasami_panclub )
が営業しているキッチンカー🐼

1013日からはさみ温泉湯治楼 ( @hasami_panclub ) 横の駐車場で、
毎週木曜日と金曜日に出張販売をされています!
PANCLUBさんの美味しいパンの数々を、
ぜひお楽しみください😋

そうそう、運がよければ町内外のイベントで
出張しているところを見れることがあるかもしれません!😎

キッチンカーで提供される気になる商品は
「パンダコッペ」の名前の通り、
コッペサンドが中心💕

それに加えて、焼き菓子や
パンダ雑貨を販売されています✨

✅ 絶対に見逃せない情報が!
パンダコッペさんでは、実はSNS割が実施されています! #panda .koppe をつけて投稿すれば5%オフだとか!
ご来店の際には、ぜひこのお得なSNS割をお見逃しなく🙌

___

【もっと詳しくお店について聞いてみましょう!】

−−−始めたきっかけはなんですか?
一番は、「波佐見町を盛り上げたい!」という気持ちです!
波佐見町の1つの見所になれるように頑張りたいと思っています。
それに加えて、PANCLUB店舗の他にも新しいことに挑戦したいという気持ちがありました。

−−−なぜ”パンダ”をモチーフとされたのですか?
キッチンカーの車両を探していたところ、
息子が好きなパンダがモチーフの車があったんです。
そこで決めました。

−−−キッチンカーの制作段階でこだわった点はありますか?
ボックス部分は手作りなので、今の形になるまでにかなり手がかかりました。
来てくださった方に喜んでもらえるよう可愛いデザインを意識しました。
完成した時には、これから頑張っていこうという気持ちが高まりましたね。

−−−ズバリ、お店の自慢は?
キッチンカーの見た目の可愛さはもちろん、
美味しいコッペパンですね🥖

お客さんから「コッペパンは普段食べないけどここのは美味しい」
という言葉をいただいた時には嬉しかったですね✨
わざわざ遠くから来てくださる方もいて嬉しかったです。

−−−今1番人気の商品はなんですか?
ご飯にもおやつにもぴったりの「タマゴコッペ」です。
ただ、私たちからおすすめの商品がありまして、
それはスパムの塩加減がちょうど良い「スパムコッペ」です。
ぜひ1度はご賞味いただきたいと思っています!

−−−ありがとうございました。

✂︎ーーーーーーーーーーーーー✂︎
@hasami_town って?

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お店の紹介にはとどまらず、お店へのインタビューまで入っています。
これはお店側はもちろん嬉しいですし、お店を使っている人にとっても興味深いコンテンツになります。地元住民で住民でまだ行ったことの無かった人が行くきっかけにもなります。

そういう意味では、波佐見町の運用スタイルはより地元住民向けの内容になります。

そして、このマガジン風の運用はメリットとデメリットがあります。

メリット
・読み込むスタイルなので、保存がされやすく伸びやすい
・来店の動機になりやすい

デメリット
・工数が多くなる
・コンテンツが尽きる可能性がある

良し悪しあるので、自分の自治体にあった運用スタイルを探すことが重要です。


まとめ:自治体が運用するときに注意すべきポイント

ここまで長くなりましたが読んでいただきありがとうございます。
最後に、25の1万超えの自治体アカウントの調査結果として、
自治体が取り組むべき3つの施策をまとめます。

①ユーザーが投稿する集積場を作る

住民や観光客が投稿するためのハッシュタグを整えましょう。
その際のポイントとして、シンプルなハッシュタグにしてください。

そして、海外からの観光客が多いか少ないか、強化していきたいか否か、それに応じて日本語か英語かを選択しましょう。

#findyouryokohama (横浜市)
#findakitacity (秋田市)
などは海外からのユーザーの投稿を集めることに一役買っていますが、
海外需要を狙っていない自治体が行うと地元ユーザーからの反応が微妙になることも想定されますのでご注意ください。

②ユーザーの投稿をリポストする

これはもはや鉄則とも言えます。
ユーザーの投稿全てが街のPRとなり得ます。
質の高い写真をどんどんと街の資産として投稿しましょう。
たまにフォトコンテストを行なって素材を一気に増やすこともありです!

③ストーリー / ハイライト でユーザーとのコミュニケーションを取る

ストーリーは24時間で消える分、リアルタイム性の高い情報が発信できます。街のイベントなどを発信しましょう。
また、ストーリーを使えばユーザーの意見を収集することも可能です。
どんどんとユーザーとコミュニケーションをとって、巻き込み型の運用にしていきましょう


自治体のアカウント運用は難しいことも多いですが、伸びるとメリットが多いのでぜひご参考にしていただけると嬉しいです!

株式会社Tsuzucleでは、北海道の観光アカウントを運用しており、
フォロワー数:4万
ハッシュタグタグ付け件数:19万件以上
というとんでもないアカウントも運用しております。

観光系のアカウント運用にお困りの際はいつでもご連絡ください!

それでは次回もお楽しみに!

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