かなしみ連作
悲しみの中に入ったら受付の人に(体験)と伝えるように
悲しみは自動ドアです
開いたなら
追い風とともにお入り下さい
悲しみの受付について:
チケットは無色ですからなくさぬように
幾度も訪れていても初回です
再来受付はしておりません
無重力レンタルします
いつもより自分を重く感じますから
悲しみには屋根がありません
しかしながら
空にかがやくものも見えません
〈気にするな〉と降ってくる声を掃除機で吸い込む係のおじさんがいる
"悲しみの中では弱さは光です"
悲しみ受付の人は言った
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