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心不全療養指導士〜症例報告書き方講座 Vol.6〜【セルフケアの状況は具体的に❶】

心不全療養指導士を目指す方もそうでない方もこんにちは☺️
つゆかんです🐈
8月の指導士の資格申込に向けて症例報告の書き方について
ポイントやコツを発信していきたいと思います

今回からは、セルフケア状況の❶として、
・心不全に関する知識
・セルフモニタリングと受診行動

について書いてます

セルフケアの状況は
①心不全に関する知識
②セルフモニタリングと受診行動

③服薬管理
④栄養・水分管理
⑤身体活動
⑥喫煙状況
⑦その他
の7つから構成されます

このあとの❷〜と合わせて、療養指導の問題点を充実させるのに大事な部分であると同時に
コメディカルの力が試されるところでもありますので、
どうぞお付き合いくだいませ🐈

私は急性期病院で慢性疾患看護専門看護師を主として働いており
心リハ指導士などとして多職種の心リハチームの運営をしています
過去に症例報告が必要な専門看護師、心リハ指導士、腎リハ指導士、プライマリケア看護師などの資格取得をし
症例報告で優秀賞などをいただいた経験もあります
院内外の心不全療養指導士受験者の症例の添削をし、
今の所関わった方々は全員受かってます


①心不全に関する知識の記載のポイント

①心不全に関する知識
ここについては症例の選定の際に決めたであろう症例テーマが影響します

心不全の指導歴がありそうな症例・テーマ

8つあるテーマのうち(参照:症例テーマ別記載基準)、
特に
(3)ステージC繰り返す心不全患者
(4)ステージD難治性心不全患者
(6)高齢心不全患者

これらは、心不全についてどのように患者が理解しているかを
十分情報収集することが求められると思われます

例えば、
・これまでどのように教育を受けてきたと認識しているか、
・心不全がどんな疾患で、どんな経過を辿る、どんな症状が出現するか

このようなこれまでの経験をどのように受け止め、理解しているかについて記載できるといいのではないかと思います。

療養指導をするだけではNGな症例・テーマ

また、
(5)人生の最終段階にある心不全患者
(7)心臓手術を受けた周術期の患者
(8)多職種連携、地域連携の強化が必要な患者

については、心不全の病態などにもよりますが、
今後どのように過ごしていきたいかという意思決定やACPの部分で
心不全の理解を確認できると理想的です

例えば、
・心不全が末期状態であることをどのように説明されてきたか、
 それとも説明をされず、また治療すれば良くなると思っているのか
・心臓手術やデバイスを入れることでどうなると理解しているのか
・セルフケアについてサポートを受けなければどんな困り事が起こると認識しているのか
今後の人生や治療に心不全がどう影響しているのか、という
本人なりの理解を医療者は理解する必要がある場所です

もちろん、患者が疾患管理に関心があり、心不全について知識もあるとのことであれば理解の程を(3)心不全を繰り返す人と同じように記載いただくのは問題ありません
ただし、ステージやテーマによって今後の生活における目標で何が優先されるかで、書き方には配慮が必要です

これまで療養指導を受けてなさそうな症例・テーマ

それ以外の
(1)ステージA,Bの患者
(2)初発心不全患者

については、心不全に関する具体的な理解がないことがほとんどことが予測されます

素直に、
・心不全の指導を受けたことがなく、知識はない
・芸能人が亡くなった理由くらいという理解しかない
・先生に心臓が通常の1/3しか動いていないと説明を受け、動きが悪いという理解をしている
のように事実を丁寧に記載しましょう
本人が医師にどんなふうに説明され認識しているかを具体的な発言などを記載してもいいと思います。

まとめると、
症例テーマによって、患者の心不全ステージに合わせて
・どのような指導がされてきたか/されなかったか
・今後どのような療養が必要とされるか
・何を指導されたかではなく、具体的になんて言われてきたか

これらをなるべく患者の言葉や認識を利用しながら記載できると良いと思います

②セルフモニタリングと受診行動の記載のポイント

こちらも症例テーマに影響されるものですが、
心不全の有無に限らず、ステージA、Bの経験だけの場合でも
血圧や血糖値といったモニタリングをすでに始めている人もいるので、
そういった事実を記載することが大事です

セルフモニタリング

その時のポイントとしては
・測定だけなのか
・記載までできているのか
・数値を判断して行動しているか(外来時に先生に見せているかはココ)

この3つの要素がどうなのかを記載できるとよりより良いです
なぜかとういうと、心不全のセルフモニタリングの3つの要素として概念分析の結果があります(下図)

心不全患者のセルフモニタリングの概念分析(2010)

特に心不全の場合は、モニタリングの目的の一つは早期受診の目安にすることなので、
心不全暦のある患者の場合は、数値や症状を元に受診をした経緯があるかどうかは、判断して行動に移す力があるという貴重な情報です

受診行動

基本的に理由のないドロップアウトがなく、定期受診できていれば特記することはないのですが、
早期受診したことがあるかどうかなどは、本人の心不全のセルフモニタリングの能力に影響する部分なので、モニタリングの部分とうまく合わせて記載できるといいでしょう

合わせて、
通院の方法は通常1人なのか、家族となのか
介護がないと来れないのか、公共交通機関や自家用車、介護タクシーなどを利用しているのか、
そういったことも介護度や負荷に関するアセスメントに利用できるので、
可能であれば記載しましょう


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最後まで読んでいただきありがとうございます
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よろしくお願いいたします☺️
〜つゆかん🐈〜

#心不全療養指導士
#CHFE症例書き方講座

https://twitter.com/tsuyukan56


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