神様みたいな人たちについて

世の中にはなにも口にしなくても妙に察しが良い人というのがいる。
どのくらい察しがよいのかというと、こちらが食べたいタイミングで食べたいところに誘ってきたり、好意を言い当てられたり、これから会わなくなるという未来を見越したりする。
驚くことにこの結論を導くような会話は一切ない。

唐突に思いつきで言ったような一言がまさに事実を言い当てている。
ふとこういう人たちは悲しげな表情を浮かべるんだ。
世の中の全てを悟ってしまって悲しくなっている、そんな感じ。
自分のことを嫌っている人もわかるし、下心を持っているひともわかるし、それで自分の移り気な性格が嫌になったり。

それは気まぐれとか勘がいいとか感受性が豊かとかじゃなくて、もっと深い、もう神様に近いものがあるんだ。
一見明るくて社交的で、才能に溢れていて人気者なんだけれども、人知れず悲しさを背負っている。

察しが良すぎる。
その察しの良さゆえに本当に自分がやりたいことや大切にしたいものを忘れてしまうことがある。
そうしてまた悲しくなる。

すごくすごく心優しいひとたちなんだ。
私のおじいちゃんもね、そんなひとなんだ。

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