空疎が心に棲みついている

空疎が心に巣食っている。
私はひとりになる度にこの空疎と時間を過ごさなければならないのか。

時間の流れがあっという間な時があった。
人生の中でかなりの間、時間の流れはあっという間に感じてきた。
しかし今私は時間の流れが遅く感じて仕方がない。
ああ睡眠薬を飲んで寝て起きてからまた寝るまでのほんの9時間かそこらの時間を潰すのに苦心している。

今日は思い出したくないことを思い出さないために、ポケットモンスターをBGMにしていた。
アニメを聞いていると他のことを考えなくて済む。
音楽だけじゃ情報量が足りないみたいだ。
ポッドキャストでも聞こうか、哲学や仏教について学びたいと思っているから。
でも思考法に多く触れても結局それらは一気に触れれば溶けてしまう。少しずつ吸収するから意味があるもので、積読も同じようなものだと思っている。

ビジネス本を読もうか、いや、本を持つのが面倒くさい。
漫画を読もうか、ネットで。
いや、課金が勿体無い。
そうして私は毎日Amazonプライムに浸っている。
最近何故だろうか、俳優に嫉妬することがある。男女問わず俳優という仕事につけていること、きっとものすごい努力をしたんだろうけれども、顔の造りからして私とは雲泥の差だしスタイルのそれからしても比べるまでもない。
ただただ羨ましい。
それに前まではそんな叶わぬことにさえ負けん気を発揮する愚かさがあった。元気というものだ。
だけれども最近は私はこうはなれないのだと苦しみを飲み込むことしか出来ない。
大人になればなるほどこうやって諦めていくしかないことが増えていくのか。

私はなぜ心と体がこんなにもつながっていて、心がこんなにもろいのだ。
脆すぎて過去にさえ傷つき殺されそうだ。
幸せを心から味わえない不幸体質だって、憎らしい。
私は幸せなんだ、本当は。
住む場所がある、食べるものがある、励ましてくれる人がいる。
十分なはずなのに、十分なはずなのに……

記憶を頭から消してしまいたい。
ただそれだけを望んではアニメに耳を傾ける。見ていない時もある。ただ耳を傾ける。ほかのことを考えなくていいから。
ドキュメンタリーも見ようか、ミステリーも見ようか、コンテンツが溢れているのはありがたいことだと思う日々だ。
私1人この世から消えても何も変わらないけれど、何か1つのコンテンツが私を生かしてくれているとさえ感じた日もあった。

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