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シリーズBで3億円調達を完了したスピークバディのCEOが紹介する資金調達のABC〜中級編・上級編〜

株式会社スピークバディ、CEOの立石剛史です。

先日、スピークバディは、シリーズBの資金調達を完了しまして、社内の若手研修用に「スタートアップの資金調達とは何か?」「資金調達にはどういう論点が有るのか?」をまとめましたので、ご参考になる方もいるかと思いnoteで少しずつ紹介していきたいと思います🖊

前回に引き続き、資金調達のABC、中級編・上級編です!(まだの方は入門編・初級編もどうぞ)
起業家・起業志望の方のみならず、スタートアップで働いてる・働きたいという人に読んでいただきたいと思います!

【こんな人におすすめのnoteです】
・起業に興味がある方
・現在スタートアップで働いており、資金調達について日々考えている経営者の方[シードラウンド・シリーズA・シリーズB]
・そもそも資金調達ってなに?と知りたい方
・スピークバディってどんな会社?と興味を持っていただいている方

中級編からは「投資家にどう分かってもらうか」で、自分は正直かなり苦労している方です。
・そもそも教育・Edtechを対象としている投資家が少ない
・B2Cは難しいので敬遠される
・研究開発型のプロダクトなので、売上が出るまで時間がかかる

累計で200人位の投資家にピッチしているのではないかと(過去7ラウンド実施、シリーズA・Bは各50人近く会っている)、そして、9割の人に断られるか無視されました。
AI英会話なんて、
「実現できるわけない」「必要性が無い」「本気で言ってたの?」全て言われてきました。

最悪の時には、全社員にもあと3ヶ月で資金がショートするという話をして、実際に残キャッシュ1ヶ月分まで減りました。。一番頼みたくなかった前職の上司陣に頼りつつ自分も追加出資して急場をしのぎ、直後に開発した機能がKPIを大きく改善したのでシリーズA調達まで乗り切りましたが、メンバーの皆があそこで奮起してくれなければ終わっていたと思います。

<ご参考:有名企業も苦労してきている>
ジェフ・ベゾスですらシード調達に60人ピッチhttps://www.seojapan.com/blog/jeff-bezos-legend
ユーグレナは501社目でようやく買ってもらえた
https://logmi.jp/business/articles/101770
カーネルサンダースは1009回断られた
https://kigyotv.jp/news/kfc/
HARD THINGSのベン・ホロウィッツも資金難が有った
https://tracpath.com/works/story/90_percentage_of_startups_fail/
グーグルも楽天もAirbnbも同様の話を聞いたことが有るので、どこも苦労している時は有るようです。

投資家を説得して投資してもらうのはやはり生半可ではないですし、番外編まではみだしてしまいましたが、いってみましょう〜!

<中級編> 投資家を説得するには?

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将来的に高値で売却できるってどう示すの?
・IPOやM&Aなどの売却機会を約束する
・会社の価値が上がる根拠を説明する
⇒将来的に会社の価値が上がってIPOで売却できると伝える

M&Aで売却ではいけないの?
・M&Aは買い手次第かつ日本では件数も少ない
・IPOの方が価値も上がりやすいし自力で目指せる
⇒IPOを目指していないと投資対象として魅力的ではない

会社の価値ってどう決まるの?
・企業価値は将来利益の現在価値合計
・将来多額の利益が出るなら高くなる
⇒将来の利益予想で会社の株式価値が決まる

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将来の利益ってどう証明するの?
・利益は売上−費用
・将来のことなので根拠が必要
⇒大きな売上と少ない費用が確かだと証明できればいい

売上が大きくなるってどう証明する?
・市場や事業の将来性の根拠を示す
・売上を構成するKPIの改善傾向を示す
⇒現在の売上のみならず将来性やKPIの根拠を説明する

費用が抑えられるってどう証明する?
・変動費や追加の固定費が限定的なビジネスか説明する
・顧客獲得費用が低く抑えられるか検証する
⇒成長に伴い費用の割合が減るのと顧客獲得費用を伝える

<上級編>根拠をどう示す?

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事業をどうアピールする?
・ユーザーの課題が有って(CPF)、どう解決するか(PSF)
・サービスのトラクションは有るか、KPIはどうか?(PMF)
⇒基本は田所さん著のStartupScience/『起業の科学』参照

KPIをどうアピールする?
・細分化してそれぞれ根拠を示す←KPI設定、ツリー化
・改善の推移と再現性を証明する←マジックナンバー
⇒常日頃からTrackして、改善していく、まとめる

将来性をどうアピールする?
・市場の大きさと成長性をトップダウン・ボトムアップで
・労働集約型でなく収穫逓増型でスケーラビリティ有りと
⇒TAMは100億円以上必要と言われる。兆円単位の話もしたい

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将来の成長戦略は?
・現在の事業からどう進化していくか、プラットフォーム戦略も
・目の前のPMFのみならず、将来のスケール・上場後も描く
⇒大風呂敷でも描けないものは実現しない。ビジョンを具体化

競合や後発に勝てる理由は?
・PMFまで競合はあまり気にしすぎない方が良いが、聞かれる
・投資家が詳しくない部分なので、人によって理解に差が出る
⇒ミドル以降の重要テーマ、投資家次第だが象限に分けて整理

事業計画は?
・シード・アーリーにおいては皮算用なので作り込みすぎない
・ミドルでは上場準備も有るし重要。我々はB現在で20シート
⇒アーリーでは時間をかけすぎない。ミドルは精緻に現実的に

最後に

中・上級編なので、やや専門用語も入りましたが、いかがでしたでしょうか?
実際に事業計画やトラクションを示すKPIとその改善傾向、成長・競争戦略を示そうとしていく中で、プロダクトの改善にも良い影響を与え、経営戦略も洗練された側面は有ると思うので、投資家と話してきた時間は事業に活かされていると思っています。やっぱり調達はタフですが、戦っていきましょう!

良い感じでしたらハート宜しくお願いします🙇‍♂️ シェアも歓迎です!

まだ簡単すぎるという方のために、番外編として調達の細かいポイントも現在準備中なので、次回上げさせていただきます!(アカウントをフォローいただければお知らせが届くはずです!)

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