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グローバル人材が活躍するための企業カルチャーの作り方

株式会社スピークバディ、CEOの立石剛史です。

先日、弊社と外国人人材の人材紹介などを行っている株式会社JELLYFISHさんで、”グローバル人材が活躍するための企業カルチャーの作り方"というセミナーを共催しました。
グローバル人材の就職支援や人材紹介を通じたJELLYFISHさんの知見と、数多くの外国人社員が活躍している弊社の知見を合わせて、ここだけでしかできない議論となりました!このnoteではそのセミナーでの議論を踏まえて、グローバル人材の活躍が進まない課題や、グローバル人材が活躍するために弊社が行っている取り組みをご紹介いたします!

【こんな人におすすめのnoteです】
・グローバル人材の採用に興味のあるHR/人事の方
・すでにグローバル人材を採用しているHR/人事の方
・グローバル人材が活躍しやすい企業カルチャーをどう作れば良いか知りたい方
・ウェビナーに参加されて、復習がしたい方

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日本におけるグローバル人材活用の現状とは?

日本ではまだまだグローバル人材が活躍できていない
そもそもなぜ、グローバル人材の活躍が企業にとって重要なのでしょうか?
(このnoteでは"グローバル人材"を、"日本国内で働いている外国人ホワイトワーカー"と定義します)

新城さんが示してくれた総務省の労働力調査によると、外国人労働者の数は現在まで順調に伸びており2018年に146万人、日本全体の就業者に占める外国人労働者の割合も、順調に2012年、2013年あたりから角度を上げて伸びている状況です。2018年には日本全体の就業者数の2.2%が外国人になっている、ということがわかりました。
一方で、高度人材(専門的な技術や知識を有する方で、学歴や職歴、年収、年齢をポイントで加点をしていて70点以上になり、高度専門ビザの取得が認められた人材のこと、つまりこのnoteにおける”グローバル人材”の定義に合致します)の認定件数のそのうちの10%しかいない状況です。

国際的なトップ企業は国籍や言語に縛られない人材活用を行っている
こちらは、新城さんから紹介いただいた、GAFAを含むトップ企業がどれくらい外国人の方々のビザを申請したかという図になります。

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(参考: Chart: How Tech Companies Rely on Foreign Talent | Statista

マイクロソフトのブラッドスミスも「今は世界の才能から国を切り離したり、不確実性や不安を生み出す時期ではない」といったりしているとのことです。私自身、シリコンバレーに行った際に現地の国籍などを全く気にしない雰囲気を感じました。国際的なトップ企業は、世界中の才能を集めて、どんどんイノベーションを起こしてもっと世界をよくしようしています。日本企業もこうした企業の姿勢をもっと見習うべきだと思います。

なぜ日本でグローバル人材の活用が進まないのか?
新城さんは、まず企業側の準備不足の問題を指摘なさっていました。トップが「人が足らない、外国人採用やってみよう、この人なら」と思ったけど、現場サイドが「コミュニケーションとれないんだけど…」というように受け入れる企業側での準備不足が原因で、外国人の方が孤独を感じてうまくいかないパターンがよくあるとのことです。またメンタル的な面では、日本の会社ならではの文化や働き方に対しての理解不足だったりで、孤独を感じてしまって…というのもよくあるとのこと。
スピークバディでも、以前から外国籍のメンバーを何人も採用してきていて、一番大変だなと感じたのは彼らの孤独感でした。実際、僕も香港に駐在した時最初孤独を感じて、ずっと引きこもって日本のテレビを見たりしていました(笑)。日本にいる外国人も一緒で、孤独を解消できるコミュニティのようなものを紹介したり、作ってあげたりできたらな、という思いは強いです。

グローバル人材が活躍できる企業カルチャーの作り方とは?

この章では多くのグローバル人材を活用してきた弊社が行っている取り組みを紹介します!
スピークバディの取り組み① 英語を混ぜたコミュニケーション
普段の会議などから、日本語・英語を交えてコミュニケーションしています。そもそもコーディングが英語というところもあって、エンジニアは英語でのコミュニケーションはビジネスサイドが思っているよりもハードルが低いです。英語が得意ではないメンバーも、案外不自由なくコミュニケーションしているなというのは驚かされたポイントです。

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全社会議も英語で実施しています。外国籍のメンバーがいる中で情報共有を全メンバー変わらないようにやりたいということで、1年半前くらいから完全英語に切り替えました。中には英語が苦手でカタコトのメンバーもいますが、準備もできて台本を読んだりもしますし、仕事の内容なので語学力が拙くても伝わっているなというのは、やってみて感じています。新城さんからも「英語で会議があるというのはとても安心感を与えると思います」というコメントをいただきました。

スピークバディの取り組み② 相互理解のための自己紹介ボード
Trelloという情報共有ツールに自己紹介のカードを載せて、プライベートな情報も載せてオープンに社内で共有しています。joinして3~4年経つメンバー間でも、開いてみると知らなかったことが一人一つくらいはありますし、これはやってよかったなと思っています。自分のことをさらけ出すのは、ダイバーシティな環境だと勇気がいる部分もありますが、こういう手段でやってみるとお互いの共通点が見つかったりしますし、いろんな文化の人がいても怖くないなというのがあったりするので、これはやってよかったと思っています。

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スピークバディの取り組み③ 定期的な飲み会
定期的な飲み会があるのもスピークバディの特長です。ハッピーフライデーのように、外国人の方だと金曜の夜に飲むカルチャーが浸透しているのでコロナ禍以前は定期的にオフィスで飲み会をやっていました。コロナ以後はオフィスではやれていないですが、ZOOMでも月に一回飲み会をやったりして、そういうのはいいなと思っています。以前は花見や神社に皆で行ったりもしていましたね。

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スピークバディの取り組み④ 言語学習制度の補助
社員の英語や日本語を学びたい、という気持ちには最大限会社としてもサポートしたいと考えています。外国人の方の日本語学習についてもJELLYFISHさんのサービスを導入して最大限サポートしています。日本人の英語学習については、自社のアプリやコーチングは無料で使えるようにしているほか、語学検定の受験料を会社で負担する制度もあります。

スピークバディの取り組み⑤ その他のサポート
他にも、ビザ取得のサポートは意外と大事ですね。実は一回外国人メンバーで審査に落ちて、あわや強制送還かと焦ったことがあったのですが、再提出して、無事にビザを取得できました。その時の教訓でビザ専門の社労士の方に頼むべきだなと学びました。
あとは新城さんも触れていらっしゃいましたが、実は日本で外国の方が家を借りるのはなかなか難しいという現実があります。他にも細かいものだとゴミの出し方が分からないといったものも含めて、さまざまな苦労や不安を外国人の方は持っているので、そういうものを含めて理解・協力してあげると良いなと思っています。

新城さんからも、外国人の方が不安に思わないためには「この会社なら自分も馴染めるかも」と思ってもらえるように、英語会議や学習制度といった受け入れの姿勢や体制を整備することは非常に重要だという話をいただきました。

制度をどのようにカルチャーにするか?

メンバーを信用する
ここまでは会社の制度といったマネジメントレベルでの議論が主でしたが、会社のカルチャーとしてグローバル人材を受け入れるためには、メンバーレベルでも意識や姿勢を浸透させていく必要があると考えています。新城さんもセミナーの中で「カルチャーはルールに縛られながら作るというより、やってみたら引き継がれていき、結果的に会社の色になったよねというものだと思っている」とおっしゃっていました。
スピークバディは語学の会社だということもあって、グローバルな環境で働きたい、英語も使って働きたいというメンバーが多かったのはポジティブに働いています。また、私の気づきとしては、意外と人事経営層が思っているよりメンバーがたくましいことです。思ったよりも、外国人とのコミュニケーションでみんなビビらずに果敢にコミュニケーションしていき、いつのまにか友達になってて、いつのまにか自分よりみんなのほうが仲良くなっているという状況でした(笑)

国際的な環境に理解のあるメンバーを採用する
グローバル人材が溶け込みやすくなるための採用基準という意味では、スピークバディではカルチャーマッチを厳しく判断しています。弊社のミッション自体が”マルチリンガルになれる時代を創る”というかなり国際色の強いものなので、ミッションに共感していれば大きな間違いはないなという部分はありますが、そうでない会社でも、例えば外国経験がない人でも、留学じゃなくても旅行で行ったよとか外国人の友達が日本にいるよとか、ハブで外国人に話しかけるとか、外国のドラマが好きだなとか、そういうところでなんとなくそうした国際的なカルチャーに合いそうかは見れると思います。

互いに教え合う
教えあうカルチャーも大事だと思っています。実は私も偉そうに言いながら新卒まで外国へほとんど行ったことがなく、外資系企業に新卒で入社した時に「会社で一番英語できない」と言われていた人間です。ただそういう中で外国慣れしてる上司が、飲み会でフォークでグラスをカンカン鳴らして人を集めて乾杯していたりして、なんすかそれカッコいい、海外ではこうなんだ、などなどそういうことを教えてもらったりして、勉強になった記憶があります。いきなり外国人が入ってくるから、と言っても抵抗のあるメンバーも多いかと思いますが、外国の文化を知っている人やそういうものに抵抗のない人が率先して教えてあげたりするのはいいなと思います。

グローバル人材を受け入れるために大事な心構えとは?

セミナーで「グローバル人材を企業が受け入れる上で必要なこと」についてキーワードをあげてもらう形式でパネルディスカッションを行いました。弊社のHRで自身も日本で活躍する外国人の一人としてスピークバディの企業カルチャー作りに尽力してくれているマリッサさんにもここから参加してもらいました。
ここではセミナーのパネルディスカッション内の発言をそのまま切り取ってシェアします!

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ジェリーフィッシュ・スピークバディセミナー_提示用

新城さん:理解・尊重・公平
「企業で活躍するイコールの発展に直結するところだと思うので、さきほど現場の人がビビらないという話がありましたが、まさに、理解するという姿勢が組織としてあるということ。そのうえで、日本はこう、会社はこうを押し付けるのではなくて、尊重するということがまずあって、いよいよその人が働くことの素地ができるのかなと。
さらに、その人を公平に評価するというのが結構なキーポイントかなと。外国人だから日本人だからではなく、どのくらいチームに貢献しているんだっけというルールや評価がないとモチベーションが上がってこないのかなと。さきほどのGAFAのようなグローバル企業はおそらくこれを当たり前にやっている、だから世界中から人が集まるのかなと思っています。」

マリッサさん:「当たり前」で済ませない
「日本人社員が職場文化について当たり前と思っていることでも、外国人からすると当たり前じゃないことがあります。
例えば些細なことでも、「おはようございます」「お疲れ様です」の挨拶を毎日することだったり、自分の印鑑を持つ文化だったり。もう少し大きなことで言うと、病休制度が日本では一般的ではなかったり、健康診断は義務で会社負担だったり。説明があればそうした文化の壁を乗り越えることがもっと簡単になるので、丁寧に説明して教えてあげることが大事だと思っています。」

立石:カルチャーを知る
「マリッサさんのお話と重なるところもあるのですが、やっぱりカルチャーが違う、最初は同じ人間なのでビビらずに話しましょうというところはありつつ、少しずつ違いがあるところはあって、そこを知ろうとする姿勢が大きくゼロイチを分けるなと思います。
なかには「ここ日本だから」とシャッターを下ろす人もいますが、そうなると本当にうまくいかないです。自分も香港で働いていた時に日本のカルチャーを知ろうとしてくれたりとか聞いてくれたりとかですごく安心感があって。完全理解は難しいけど、知ろうとする姿勢で変わるなと。北欧のメンバーとかが、「フィンランドは有給年間30日あるんだよ」とか言ってきて、「ほんとかよ」みたいなこと思いつつも、ここ日本だからとか言わずに、ネットで調べてみるか、確かにあるなとか。でもなかなか難しいよ~みたいな話もできたりするので、そこをちゃんと調べたりとか。そういう細かい違いや相手の文化に気を配れるかが大事だと思っています。」

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました!
外国人採用に既に取り組まれている会社さんも、これから取り組みたいな、という会社さんも、内心「日本人のほうが働きやすい」と思っていたりしませんでしょうか?ただ、冒頭に書いた通り、もはや日本人だけでチームが構成される時代じゃなくなってきているのは確実だと思っています。
その中で、先駆けて外国人人材が働きやすくなるカルチャーを創っていく会社はこの先強くなると思っています。色々と書きましたが、私がもっとも重要だと思っているのは、ビビらないこと、そして知ろうとする姿勢を持つこと、の2点です。言語の面では私たちスピークバディのサービスをぜひ活用していただければと思っています!

また、今回のセミナーに登壇していただいたJELLYFISH新城さん、スピークバディのマリッサさん、ありがとうございました!少しでも面白かった、ためになった、と思っていただけましたら、スキ!やTwitterなどでシェアしていただけるととても嬉しいです!感想もお待ちしております。

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Twitter:立石剛史|スピークバディCEO

立石さん自己紹介

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