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”現役老害”になる人とならない人

こんにちは。
いよいよ関東でも梅雨入りが迫ってきましたね。
異常な暑さの夏に備えて、体力をつけておきたいところです。

さて、今回は、特定の人たちには少し手厳しいかもしれませんが、すべての現役ビジネスパーソンの皆さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です。
「シニアのキャリア成長」について考えてみます。

『老害』はシニアだけのワードではない

会社に勤めていれば誰しも訪れる「シニア」と呼ばれる年代。
その中の一部の人たちを揶揄して、近年ちょっと気になるワードが飛び交っていますね。

『老害』というワードです。

老害とは、周囲に迷惑を及ぼしたり、周囲を不愉快な気持ちにさせたりする老人のことです。何かと周囲に害を与えることから、老害と呼ばれています。

「老害」と言われる人の特徴と上手な付き合い方|@DIME アットダイム

オモシロいのは、老害は、シニア世代だけに向けられる言葉ではないようです。

周囲に何らかの迷惑を与えやすい老人のことを『老害(ろうがい)』と呼ぶことがあります。年配者に限らず、若い人でも老害になり得ることもポイントです。

出典:同上

つまり、何らかのこだわりが強すぎて、他者を受け入れられない人。
そんな人たちを、まとめて最近は「老害」と呼ぶそうです。

ただ、まだ若い人なら、先輩社員から「若いうちからそれはまずいよ」とフィードバックを受けることができる分、修正するための時間的メリットはあるでしょう。

しかし、シニアになってから「老害」認定を受けてしまった人たちは、いったいどうしたら良いのでしょう?

「権威」と「権力」は違う

そもそもですが、権威と権力の違いについて理解することが重要です。多くの人は、これら二つの概念を混同しがちですが、実際には大きな違いがあります。

「権力」とは

この人の言うことを聞かないと罰せられる」という威圧感やプレッシャーを与えるものです。
”役職”というタイトルはそのまま権力の象徴です。つまり、その役職につけば自動的に手に入るものです。
例えば、部長や課長といった役職に就くと、自然とその地位に伴う権力がついてきます。
つまり権力は、受け手にとって「嫌々やる」「渋々やる」という、けっしてポジティブではない感情がともないます。

「権威」とは

この人と一緒にいると幸せになれる。明るい将来が見える」という希望を与えてくれるものです。
権威は目に見えないが、「学び」によって人格が研磨されることで、ゆっくりと時間をかけて身につくものです。
つまり、権威は経験や知識、そして人間性の積み重ねによって生まれる信頼感です。
そこには、「なんか一緒にいたい」「近づきたい」という、どちらかというとポジティブな感情がともないます。

つまり本来なら、人をマネジする立場になれば、自動的に「権威」の方こそ磨かねばならないのです
しかし、残念なことに、ここで勘違いが起きます。

権力を手に入れた人の勘違い

特定の人たちは、いったん権利(役職)を手に入れると、自動的に権威(人格)も手に入れたと勘違いします
役職による権力はあくまで一時的なものであり、その役職から外れると簡単に失われます。
しかし、権威はそうではありません。権威は、継続的な学びと自己研磨によって得られるものであり、一度身につければ簡単には失われません。

役職を手に入れた人が陥りがちな罠の一つは、役職つまり権力を手に入れたところで、「自分には権威がある」と思い込むことです。
権力を持っている間は周りの人たちが自分の意向通りに動いてくれるため、それが「自分の権威によるものだ」と錯覚しがちです。
しかし、役職から外れたとたんに、その錯覚は一気に崩れ去ります。
そうなると、人格が未熟なまま、権力までも失った人がプライドだけを振りかざすため、周りにとっての『現役老害』に移行するのです。

現役老害の誕生

役職が外れた後、権力を失った人は、自分に残されたのは「成長しないままの、未熟な人格」であることに気付きます。
さらに、プライドだけは高いので、みずからの『承認欲求』を満たすため、昔の武勇伝にすがったり、過去の栄光にすがったりすることで、権威をなんとか保とうとします。
が、もはや権力も権威もなく、昔話を押し付けてくるだけのシニアは、誰からも敬遠されます。
この時点で「現役老害」認定がなされるわけです。

このような状況を避けるためには、長い時間をかけた、継続的な人格の収れん、つまり「学び」が必要です。

学びは、人を謙虚にします。その人の人間的魅力を高めてくれます。
例えば、教養。
教養ある人の周りには、自然と人が集まってきます。不思議な”吸引力”を持っているのです。

役職が上がったからといって学びをやめてはいけません。学び続けることで、真の権威を築くことができ、それが生涯自分の財産となります。

権威をつけるために

なにも、大学の教授になりましょう、博士になりましょう、というわけでありません。
以下のポイントを参考にしてください。

1.継続的な自己研鑽(リスキリング):
新しい知識やスキルを習得し続けることが重要です。
ほんとにたまにお会いするのですが、年齢に関係なく「自分はもう学ぶ必要はない。会社の敷いたレールを最後まで走るだけだ」と言っているのを聞き、「私が経営者なら、真っ先にこういう人から辞めていただくだろうな」と思いました。時代も会社も、もうこういう人を許容するほど余裕はありません。新しい技術や業界のトレンドについて学び続ける、教養を身につける、など。成長しようとする姿そのものが、「権威」となっていくことを、理解ください。

2.人を助ける(利他、貢献):

「できるだけ自分が現役のうちに、会社からもらえるだけのものをもらおうう」とする人は、少なくないようです。
こうした人たちは、何歳になろうが、何年キャリアを積もうが、「まず自分が何をもらえるのか」が優先のようです。いわゆる『テイカー』です。
人間というのは、ある程度の年齢に差し掛かると、そこから先は、自分がやってきたことの「周りへの還元」が始まります。つまり『ギバー』です。
自分の経験や知識を他者と共有し、助けることで信頼を築くことができます。ただし、押し付けないでください。
人を助けるというのは、「相手が必要としたときに、ふさわしい方法で、自分で解決できるようにもっていく」ことです。

3.謙虚さと柔軟な思考(アンラーニング)

 変化は誰しも怖いものです。しかし、恐れてばかりいても仕方ありません。
新しいアイデアや方法に抵抗を感じても、「若い人に教わってみようか」という姿勢は必要です。
じつは、若い人は、シニア層以上に「貢献意欲」が高いと言われています。彼らに「助けてほしい」とお願いしてみください。その代わり、彼らが困ったときにはそっと助けてあげるのです
自分の限界を認識し、他者の意見や助けを受け入れる謙虚さを持つことが大切です。きっと、これまでよりも良好な関係を、周りの人たちと築くことができます。

まとめ

「権力の罠」に気付きましょう。自分を勘違いをさせがちな権力は、厄介です。
シニアに限らず、すべてのビジネスパーソンのキャリア成長において、「権威」と「権力」の違いを理解し、継続的な学びを続けることが重要です。
権力は一時的なものである一方、権威は学びと自己研磨によって永く自分の財産になるものです。
「現役老害」とならないためにも、役職が上がったからといって学びを止めず、真の権威を築いていくことが大切です。

リスキリング、他者貢献、アンラーニング。
学び続けることは、あなた自身の未来を明るく照らす鍵です。継続的な自己研鑽を通じて、真の権威を身につけ、豊かな人生を築いていきましょう。

皆様の明日のキャリアが、今日よりも彩りあるものでありますように。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

<今週の箴言>
あまり利口でない人たちは、
一般に自分の及びえない事柄については、何でもけなす。

ラ・ロシュフコー

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