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遅ればせながら「ジョブ理論」大変勉強になりました。

みなさま大変ご無沙汰をしております。オオハシです。 2020年後半から読書量が一気に失速してしまって情けないところですが、久々にビジネス書から読んでいきますので、また、よろしければお付き合いください。それではいってみましょう。

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

クレイトン・M・クリステンセン タディ・ホール カレン・ディロン デイビッド・S・ダンカン 著 
2017年の本

改めまして、「ジョブ理論」を今更ながら読んでみた。非常に面白かったし勉強になった。(お恥ずかしながらイノベーションのジレンマ、は、実はちゃんと読めていないのでどこかのタイミングで改めて読みなおしてみたい)
いくつかのビジネス書の有名どころを読んでいったとすると、クリステンセン教授の偉大な思想の件には何度となく引用されてきたし、ベーシックとして知っておかねばな、と思って「ジョブ理論」を改めて読んでみたいと思った。2017年の本だが今読んでももちろん全く素晴らしい。(もっと言うと2017年に出たときに気になっていたのに読めていなかった、だからやっぱり読めてよかったとほっとしている)

先日読んだ「世界標準の経営理論」の中で、何が理論であって何が理論でないのか、という観点での入山先生の見解を見た後にあえて「ジョブ理論」を読んでみるとすると『経営・ビジネスのhow,when,whyに応えること』という観点において「ジョブ理論」はすばらしく踏み込んでの記述がされているなぁと、一読者としては感銘を受けていたところである。(ハーバードが学術業績よりビジネスよりという見解もあるだろうが)
ちなみに本書P57 には以下のように記されているのであえてここで抜粋しておきたい。
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アカデミックな場に身を置く私は、特別な知識もない業界や組織のビジネスが抱える課題について意見を求められることが年に何百回とある。それでも見解を述べることができるのは、何を考えるのかというより、どのように考えるかを教えてくれる、理論の詰まった道具箱を持っているからだ。優れた理論は、最も役立つ答えが得られる質問を投げかけ、それをつうじて本当の問題が何かを組み立てる。理論を採用するということは、学術的な細ごましたことにとらわれるのではなく、むしろその逆で何が原因で何が起こるのかという、このうえなく実用的な質問に焦点を絞るためである。
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参考:ジョブ理論の中ではよく『片付けるべきジョブ』という記述がされていて、英語では「Job to Be Done」という言葉で表現されている、とのこと。


抜粋フレーズ、自分が気になった・引っかかったフレーズ、重要と思ったポイントというところで。
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P15 『どんな“ジョブ(用事・仕事)”を片付けたくて、あなたはそのプロダクトを“雇用”するのか?』

P58 ジョブ理論の中核には、単純だが強力な知見が込められている。顧客はある特定の商品を購入するのではなく、進歩するために、それらを生活に『引き入れる』というものだ。この「進歩」のことを顧客が片付けるべき「ジョブ」と呼び、ジョブを解決するために顧客は商品を「雇用」するという比喩的な言い方をしている。この概念を理解すれば、顧客のジョブを発見するという考え方が直観的にわかるようになる。

P91 片づけるべきジョブ理論のレンズを通してみて、ルブランたちは気づいた。18歳ではない、非典型的な学生がSNHUを雇用して片付けようとするジョブは、高校を卒業してそのまま大学に入学する学生のジョブとはほぼ共通点がなく、取り巻く状況が大きく異なっていた。通信課程の学生の平均年齢は30歳、仕事と家庭を両立させようとやりくりしていて、さらに勉学の時間をねじこもうとしている。(中略)将来のキャリアアップを目指し、ひいては家族の生活水準を向上させるには、いまより立派な学歴が必要だと悟ったのだ。青春時代の経験ならすでにある。彼らが高等教育に求めるものは、利便性、サポート体制、資格取得、短期修了の4つあった。ルブランのチームは、そこに途方もないチャンスが眠っていることに気づいた。

P119 見込み客が転居を決断できないのは、建設会社が魅力的な提案をできていなかったからではなく、人生にとって深い意味をもつ何かを手放すことに不安を感じるからだった。

P202 イケアは、人口統計学的な特定の層へ向けた販売を重視していない。新しい環境で自分自身および家族の生活をととのえようとするときに、おおぜいの顧客がもつジョブ -「明日までに新居の家具をそろえる必要がある。 明後日からは仕事だから」- を中心に組織を築いた。

P203 彼はイケアを雇用することを選んだが、それは他の解決策より値段が高かったとしても変わらない。なぜなら、イケアが他のどこよりもジョブをうまく片付けるからだ。ジョブを解決する商品にふつうより高い値段を払ってもいいと思うのは、ほかの商品はジョブを遂行できず、結果的に時間を無駄にし、ストレスを溜め、金も無駄にしてしまうからだ。解決策を見つけるまでにすでに時間とエネルギーを消費しているため、プレミアム価格を提示されたとしても、すでに費やした金銭および個人的資源と比較すると小さな差にしかみえない。

P242 ジョブのレンズを通すと、誰が誰の指揮下にあるかよりも、顧客の片付けるべきジョブを完璧に解決するプロダクト/サービスを組織が体系的に提供できることのほうがはるかに重要である。幹部たちが顧客のジョブに集中していれば、それはイノベーションを推し進める方向を示す明確な磁石となり、さらには、内部構造を組織する際のぶれない理念となる。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。またいつものブクログのリンクを付けておきたいと思います。 

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