冬の英語チェックリスト for 受験生
冬の英語チェックリスト、として生徒たちに配ったプリント
どういう人向けのプリントなのか、について
君たちの実力は高い。高まっている。可視化されない部分でも高まっているので、今の点数はあくまで目安と考えて、ガンガン前に進んでほしい。弱気になるのはまだ早い。
ただ、もっと点数を取りたいし、安定させたいし、可視化できていない実力を得点として可視化できていないと困る、というのが本音というか真実めいたものだと思う。
では、どうするか、ということだが、そのあたりの話をつらつらと書いていく。読め。
①得点に上下幅のブレがある→実力はあるようなので安定して実力を出せれば良い
②勉強しているが、得点が伸びない→基本的には①と同じ状況。理解したものを外に出す訓練が足りてない。
③実力に不安がある、学習量が足りない→その事実を受け止めて、今ある手持ちの武器で最大限の戦いを有利に運ぶことを目指す
場合分けしようと思ったけど、①~③ともに同内容の言い換えだった。ごめん。
というわけで、
「基本所作を焦らずに確実に1つ1つ実行すること」と「その確実な所作を速く行えるようにすること」の2つを改めて確認すること。
そのうえで、過去問題演習を同じ所作を意識しながら実行していくこと、これをただ入試が終わるまで反復すること。
では、心構えはここまでにして、ここからの学習について話そうと思う。
問題演習の手順
①試験時間を想定して時間通りに演習する。
(過去問全体か大問ごとかは関係なく)
→想定時間より早く終わっても、時間いっぱいまで考えきる。
②答え合わせの前に、辞書や参考書を使いながら時間制限を考えず最大限の解答を作る※①で作成した解答は消さずに残しておく
③解答解説を熟読し、答え合わせ
④①②の正答率のギャップを確認し、どうすればギャップを埋められるか分析する。
⑤未定着語彙等は覚えこむ。
語彙と表現
ユメタン0/1を覚えこむ
LEAPはPart1~3は覚えこむ・Part4は読解で反応できるように覚えこむ。
→それぞれ自動詞+前置詞/他動詞+副詞の熟語を把握するため例文・フレーズを読む。
速読英単語は申し訳ないが現時点なら長文無視しても良いかも。
シス単は1冊覚えこむ。フレーズは読む。
ターゲット1900はsection2まで覚えこむ。section3は読解で反応できるように覚えこむ。
文法など知識の幅と使用頻度に限界があるものは(おそらく)抜けが少ない。
最終的に語彙力の大小が勝負を決めるので、1つでも多く頭にしまい込む。
文法と構文
読解を行う上で、文法に不安がある、という人向け。
Vintage系統の問題集の<文法の章のみ>全体1週。文法項目ごとに正答率を出し、正答率75%未満の文法項目だけ2週目。さらに75%切るものは3週目…と行う。
※費用対効果が恐ろしく低いので、短文4択の配点が昭和時代レベルに高い大学を受験する生徒以外は文法演習は封印しても良いかもしれない。
精読(和訳という意味で
和訳問題が出題されるけど不安、という人向け。
ポイントは
①文型の把握→動詞(の語法)に注意して訳す
②文型に忠実に直訳を作る→受験生の作る意訳の8割はただの誤訳
この2点のみ
この2点を意識し短文で基礎演習を行い、普段の読みの精度高めつつ和訳演習を行う。
目安 1週間以内(できる限り早く終わらせる)
買うなら「英文読解入門 基本はここだ」(代ゼミ)
「大矢 英語読み方講義の実況中継」(語学春秋社)
この2冊を1週間でやり切るなら、普段の長文の読みのスピードが上がらない、という人にもおすすめ。
精読と速読(普段の読み方
精読めいた話
[ ]や< >や( )とかSとかVとか落書きしながら読まないこと。
でも、これらは意識しながら読むこと。
折衷案として文中にスラッシュを入れても良いかも。
接続語には〇囲みやアンダーラインを引いても良い
内容について、欄外にメモを取ること。
あくまで、長文を正確に読み切ることを目標に行う。
和訳のための精読とは切り離して考えること。
速読めいた話
1文ずつ丁寧に読み、正確に読み取るスピードを上げることが長文全体を読み切るスピードを上げることになる
現代文同様、接続語は注目する(現代文の読み方は英語の長文の読み方に応用できる)
いわゆる速読のテクニックは考えないほうが無難。
(〇〇のディスコースマーカー、と1語1義的にはなかなかまとまらないし、ただの代名詞が“でぃすこーすまーかー”的に働くと考えた方が良い場面も多くある)
(トピックセンテンス、とか1パラ1アイディアも縛られすぎない方が迷わず読めると思う)
で、長々と書いたけど、
①地の速読力を上げて
②欄外にメモを取って、記憶を補助
ってことになる。なんだ、2行で良いじゃないか。
問題の読み方と解き方
①まず設問をチェックする
②内容一致系があれば、全文読み通す/なければ部分読みでも対応可
③設問の名詞をチェックする→繰り返し出る語はキーワード
④本文をメモを取りながら読み切り、設問を解く(少なくともパラグラフの終わりまで設問に移らない)
⑤ただし、前置詞系の空所補充であれば読みながら解くのも可
内容一致系統
①名詞に惑わされない→「源頼朝は現在の伊勢原に室町幕府を開いた」→名詞に誤りはないが、全体はめちゃくちゃ、というパターンあり。本文理解があいまいだと飛びつきたくなるやつ。
②ゼロ・100・唯一など強めの表現はいったん「誤り」で処理する
③上位大学になればなるほど「第〇パラグラフの第〇文に一致」というパターンが減り、パラグラフ全体から見ると一致、という緩やかなパターンが増える。
誤文訂正・判定
迷ったら動詞表現(とくに時制)にチェックして終了
優先順位は動詞(変化形が多い)→接続詞前後(動詞の一致)→比較(変化形が多い)
短文4択
1問5秒アベレージで考える。配点が低いので、時間を取られすぎないように。
整序英作文
1セットが長めの構文がないか確認する(If it had not been for みたいなやつ)
動詞に着目→動詞に対応する(意味上の)主語を考える→動詞の語法に着目して動詞の右側に来る表現を考える
英作文
①日本語が1文でも英語を2文にする場合も検討する。その逆も然り。
②和文英訳、自由英作文ともに文法項目極力シンプルにしてミスを減らす。
(関係代名詞使用ボーナス!なんてことはない)
例)寺社仏閣で有名な京都を、私は昨日訪れました。
解答1 Yesterday, I visited Kyoto, which is famous for its temples and shrines.
※Yesterdayは文頭?文末?whichに , はつける?つけない? itsはつける?つけない?など悩み多数。
→解答2 Kyoto is famous for (its) temples and shrines. I visited there yesterday.
③自由英作文(意見・エッセイライティング)で主張に対して理由を述べる場合、特別な断りがない限り理由は1つでとどめ、結論文を設定しないことがおすすめ。また、以下の型で書き進めると楽。
1文目:意見 (私はガソリン車の販売に反対だ)
2文目:理由 (化石燃料は有限で、価格高騰が必然である。)
3文目以降:個人的エピソード (家の車がハイブリット車になって、ガソリンの出費が抑えられたと家族が言っている。出費が少ないと他の予算に回せるお金が増える。)
※英検同様、英作文の配点が長文問題1つ分程度に設定されている大学もあるので、必ず書ききること。
リスニング(共通テスト対策
問題の特性上自宅学習がベター
①ルール通りに問題演習を行う
②解答解説を読む前に、何度も聞き返し、答えを出し直す
③解答解説を読み、①②のギャップを確認
④スクリプトのチェックと未定着語彙のチェック
⑤スクリプトを見ながらリスニングし、聞こえない音を確認する
(check it out は読めばわかるが、チェキダ、と発音されていて聴きとれていなかったみたいなやつ)
⑥スクリプトを見ながら音読、リピーティング、シャドーイング、オーバーラッピングなどを行う
※毎日大問単位で演習するか、2日に一回リスニング問題1セット行うか、どちらかもしくは組み合わせて行う。
授業で使用した問題集も再度演習することもおすすめ。
※解き方解説については、YouTubeで森田鉄也先生が共通テストリスニング対策動画を出している。今のところこれが一番わかりやすい。1動画15分程度なので、空き時間に見とくのもありかも。
と、ここまでいろいろ書いたけど、学校には英語の先生がいるので、過去問演習などで何かあれば聞いてください。
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