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【#音楽の履歴書】 KinKi Kidsとの出会い、そして、ロックの世界を経由して音楽ライターになるまで。

「#音楽の履歴書」という素敵なハッシュタグを見つけまして、書き手・読み手を問わず、この企画に携わるみなさんがとても楽しそうだったので、僕も参加させて頂きます!

今まで僕は、自分自身のことについて記事に書いたことはほとんどなかったのですが、この企画をきっかけとして、音楽リスナーとしてのキャリアを棚卸ししたいと思います。ただの個人的な回想メモなので、軽い気持ちでお読み頂けたら嬉しいです。

※ちなみに僕は、1991年10月生まれです。同世代の方には、きっと共感して頂けるポイントも多いのではないかと思っています...!


幼稚園(1995年4月〜1998年3月)

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1996年、当時5歳だった僕は、「ウルトラマンティガ」が大好きでした。今から思うと、童謡やアニメのテーマソングを除いて、初めて「音楽」を意識したのは、V6が歌うオープニング曲"TAKE ME HIGHER"を聴いた時だったのかもしれません。もちろんその当時は、「ユーロビート」や「テクノ」といった音楽ジャンルを認識して聴いていたわけではないのですが、今から振り返れば、激しく轟くディストーションギターの響きに「ロック」のバイブスを感じ取っていたような気がします。あの頃は何も考えずに興奮しながら聴いていただけなのですが、あのサウンドがもたらしてくれる全能感・覚醒感にグッときていました。そうです、これが僕の「ロック」との初めての出会いでした。(ということにしておきます。)


また、母親がKinKi Kidsのファンで、家や車では、いつもキンキの最新シングル曲が流れていました。今でも、歴代シングル曲は歌詞カードを見ないでも口ずさめると思います。(カップリング曲、アルバム曲はさすがに怪しい)もはやほとんど記憶はないのですが、人生で初めて行ったライブは、幼稚園の頃、母親に連れて行ってもらったKinKi Kidsの東京ドーム公演(?)です。今から思うと、KinKi Kidsの音楽を通して、ポップ・ミュージックのイロハやマナーを無意識に学んできたので、キンキの2人は、僕の音楽リスナー人生においてとても大切な存在です。


ちなみに、初めて買ってもらったCDは、J-FRIENDS(TOKIO、V6、KinKi Kidsによる期間限定プロジェクト)の『明日が聴こえる/Children's Holiday』でした。緑色のCDパッケージに「まつもとつよし」と大きく名前を書いたことを覚えています。そういえば、"Children's Holiday"は、マイケル・ジャクソンが作詞・作曲を手掛けていたんですよね。とても大好きな曲なのですが、この2020年において、音源を入手する術がないのがとても残念です。


【ハイライトメドレー】

V6/TAKE ME HIGHER
KinKi Kids/硝子の少年
J-FRIENDS/Children's Holiday



小学生(1998年4月〜2004年3月)

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生粋のテレビっ子で、アニメやテレビドラマの主題歌を片っ端から聴いていました。同世代の方なら共感して頂けると思うのですが、最も想い入れの強いアニソンは、デジモンのオープニング曲"Butter-Fly"です。(アグモンが進化する時に流れる"brave heart"も大好きです。)


ドラマの主題歌で印象に残っているのは、KinKi Kidsの"ボクの背中には羽根がある"(堂本剛主演「愛犬ロシナンテの災難」)、"solitude 〜真実のサヨナラ〜"(堂本光一主演「リモート」)、"薄荷キャンディー"(堂本剛主演「元カレ」)、嵐の"とまどいながら"(櫻井翔主演「よい子の味方」)、"言葉より大切なもの"(二宮和也主演「Stand Up!!」)、サザンオールスターズの"涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜"(滝沢秀明主演「僕だけのマドンナ」)、福山雅治の"虹"(山田孝之主演「WATER BOYS」)などなど、このように一曲ずつ挙げていくとキリがないですね。


嵐との出会いは、自分にとってとても大きな出来事で、1999年のハワイのデビュー会見こそ記憶にはないものの、物心ついた時から、いつもテレビで5人の活躍を見ていました。(「うたばん」に嵐が出演する時、中居くんと大野くんが喧嘩するくだりが定番になっていて、それが毎回いつも本当に最高でしたね。)TOKIOやV6、KinKi Kidsと比べると、当時の嵐は、今よりもずっと等身大な存在で、メンバーと年が10歳近く離れているにもかかわらず、勝手に親近感を感じていました。(嵐が、いわゆる「国民的アイドル」へとブレイクスルーを果たしたのは、2007年頃だったと記憶しています。)


J-FRIENDSの3組の音楽も、変わらず聴き続けていました。バラエティ番組「学校へ行こう!」を通して、V6の最新シングル曲には定期的に触れ続けていましたし、TOKIOの"AMBITIOUS JAPAN!"は、新幹線の車内チャイムにもなっているので、とても馴染みが深いです。(この曲は、先日お亡くなりになられた作曲家・筒美京平さんが手掛けた楽曲です。素晴らしい楽曲を生み出してくれて、本当にありがとうございます。)


宇多田ヒカルのシングル曲もずっと追い続けていて、特に、初めて"光"を聴いた時のことは鮮明に覚えています。もう20年近く前の曲なのに、今聴いても全く古さを感じさせないのが不思議です。


【ハイライトメドレー】

KinKi Kids/ボクの背中には羽根がある
嵐/言葉より大切なもの
V6/Darling
TOKIO/AMBITIOUS JAPAN!
宇多田ヒカル/光



中学生(2004年4月〜2007年3月)

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僕の音楽観を不可逆的に決定付けたのは、この3年間だったと思っています。中学2年生の時に、MP3プレーヤーを買ってもらい、そこから貪欲に様々な音楽を聴き始めました。


一番大きかったのは、BUMP OF CHICKENとELLEGARDENとの出会いです。それまでも、他のアーティストのCDを買ったことはあって、もはや記憶が曖昧で「(自分の意思で)初めて買ったCD」を正確に思い出すことができないのですが、渋谷のHMVでBUMPの『天体観測』のシングルを買った時のことは、今でも昨日のことのように思い出せます。(その意味で、自分ではこの作品を「初めて買ったCD」として位置付けています。)


また、中学3年生の時に、学校で空前のELLEGARDENブームが起き、友達から回ってきたアルバムを何度も聴き倒していました。2006年に、新作『ELEVEN FIRE CRACKERS』がリリースされたのですが、初めて聴いた時は、その衝撃のあまり膝から崩れ落ちました。ちなみに、僕が通っていた中学の英語の授業では、いつも先生がビートルズの曲を流していたのですが、その冬は、毎回"Space Sonic"が爆音で教室に轟いていました。(ロックに理解のある先生でした。)


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BUMP OF CHICKENとELLEGARDENとの出会いをきっかけに、本格的に「ロック」の世界に足を踏み入れていきます。何気なく観ていた「ミュージックステーション」で、ストレイテナーと交通事故的な出会いを果たし(当時の最新シングル"TRAIN"を演奏していました)、そこから派生して、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ACIDMAN、RADWIMPS、UVERworldを聴いていきました。


小学生の時から変わらずJ-POPも好きで、特に、大好きだったドラマや映画の主題歌となっていた曲には強い想い入れがあります。Mr.Childrenの"しるし"(志田未来主演「14才の母」)、スピッツの"魔法のコトバ"(櫻井翔主演「ハチミツとクローバー」)、aikoの"キラキラ"(鈴木杏主演「がんばっていきましょい」)、Every Little Thingの"スイミー"(阿部寛主演「結婚できない男」)、レミオロメンの"粉雪"、"3月9日"(沢尻エリカ主演「1リットルの涙」)、YUIの"feel my soul"(竹内結子主演「不機嫌なジーン」)、"Good-bye Days"(YUI主演「タイヨウのうた」)などなど。


その中でも特に印象に残っているのが、「花より男子2」の主題歌だった嵐の"Love so sweet"です。当時お付き合いしていた彼女に、ホワイトデーのお返しとして、この曲のCDをプレゼントした記憶があります。(あわわわわわわわわわわ)なので、手元にCDは残っていないのですが、僕にとって、あまりにも甘酸っぱすぎる青春の一曲です。


それと、当時クラスでは、ORANGE RANGEと大塚愛が流行っていて、僕もずっと聴いていました。(この原稿を書きながら、ORANGE RANGEの"ラヴ・パレード"、"✳︎〜アスタリスク〜"、大塚愛の"プラネタリウム"、"ユメクイ"、"恋愛写真"などを聴き直しているのですが、懐かしすぎて胸をギュンギュンに締め付けられています。)


ちなみに、初めて洋楽に興味を持ったきっかけは、映画『デスノート』の主題歌として起用されたレッチリの"Dani California"でした。昨年、サマソニで初めてレッチリのライブを生で観た時は、自分でも信じられない涙を零してしまいました。


【ハイライトメドレー】

BUMP OF CHICKEN/天体観測
ELLEGARDEN/Space Sonic
ストレイテナー/TRAIN
ASIAN KUNG-FU GENERATION/或る街の群青
ACIDMAN/ある証明
嵐/Love so sweet
宇多田ヒカル/Flavor of Life
YUI/Good-bye Days
THE BEATLES/Let It Be
RED HOT CHILI PEPPERS/Dani California



高校生(2007年4月〜2010年3月)

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軽音学部に入り、本格的にギターを始め、自分より遥かに音楽に詳しい友人たちと交流する中で、どんどん「ロック」の底知らぬ世界へ潜り込んでいきました。この時から、Hi-STANDARDなど、自分より少し上の世代ど真ん中のバンドをディグるようになり、一気にiPodのライブラリが増えていきました。ちなみに、軽音学部に入部したばかりの頃、先輩にハイスタの"My First Kiss"の弾き方を教えてもらった記憶があります。


高校生の頃に聴いていたバンドを挙げていくと、中学の頃から聴いていたBUMP OF CHICKEN、ELLEGARDEN、ストレイテナー 、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ACIDMAN、RADWIMPS、UVERworldの他に、ONE OK ROCK、マキシマム ザ ホルモン、UNISON SQUARE GARDEN、10-FEET、THE BACK HORN、9mm Parabellum Bullet、チャットモンチー、NICO Touches the Walls、Base Ball Bear、BEAT CRUSADERS、locofrank、dustbox、FACT、BIGMAMA、GLORY HILLなどなど、本当にキリがありません。


初めて行ったロックバンドのライブは、4つ上の兄がチケットを取ってくれたKen Yokoyamaの武道館公演でした。座席指定とはいえ、初のライブにバキバキに緊張している中、オープニングアクト・BRAHMANの壮絶すぎるライブを観て、しばらく放心状態になったのを覚えています。ライブ初参加の僕には、あまりにもハードすぎる体験でした。(しっかりBRAHMANの音楽を聴けるようになったのは、大学生になってからでした。)Ken Yokoyamaのライブに衝撃を受けてからは、HAWAIIAN6など、PIZZA OF DEATH関連のバンドも聴いていました。


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高校2年生だった2008年、ELLEGARDENの活動休止というショッキングな出来事がありました。しかし、その翌年から、細美武士のソロプロジェクトとして始動したthe HIATUSの音楽は、全く新しい音楽の形を提示してくれました。あの時、自分の中の音楽観がアップデートされたような気がして、「もっといろいろな音楽を知りたい」と思うようになり、それから本格的に洋楽を聴き始めるようになりました。はじめにTSUTAYAで、レディオヘッドの『OK Computer』と、オアシスの『(What's the story)Morning Glory?』をレンタルした時のことは今でもよく覚えています。初めてレディオヘッドを聴いた時は、「思ってたロックと全然違う」と半泣きになりました。その真の魅力を知るのは大学生になってからでした。


また、高校1年生の時に、母親がチケットを取ってくれて、KinKi Kidsの東京ドーム公演(デビュー10周年記念ライブ「39」)を観ました。物心ついてからキンキのライブを観たのは初めてだったのですが、その時の感想は「MCが長い(笑)」でした。


【ハイライトメドレー】

BUMP OF CHICKEN/メーデー
the HIATUS/Insomnia
ストレイテナー/CLONE
ASIAN KUNG-FU GENERATION/転がる岩、君に朝が降る
ACIDMAN/FREE STAR
RADWIMPS/おしゃかしゃま
嵐/Believe
宇多田ヒカル/Beautiful World
RADIOHEAD/Karma Police
OASIS/Morning Glory



大学生(2010年4月〜2014年3月)

大学入学と同時に軽音サークルに入り、先輩や同期との交流の中で、音楽の世界が更に広がっていきました。先輩たちが演奏していた楽曲をきっかけとして、くるり、YUKI、星野源、SPECIAL OTHERS、クラムボン、toeなどの楽曲を遡って聴き始めました。(ちなみに、この軽音サークルには、2つ上の代に、Yogee New Wavesでギターを務める竹村郁哉さん、1つ上の代には、シンガーソングライター・関取花さんがいました。)


ロックフェスを主戦場とする邦楽ロックシーンでは、ONE OK ROCK、サカナクション、[Champagne]、SEKAI NO OWARI、KANA-BOONをはじめとする新しいバンドが次々と台頭し始めていました。その中でも一番の衝撃は、2013年、米津玄師のメジャーデビューシングル"サンタマリア"との出会いでした。自分と同じ年に生まれたアーティストが、メジャーシーンで全く新しい表現に挑戦している姿に、強く心を奮い立たされました。他の邦楽でいうと、AimerとPerfumeは、新作がリリースされたら毎回必ず聴いていました。


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また、大学に入ってからは、洋楽を聴く比重がますます大きくなっていきました。高校生の頃に出会ったレディオヘッドを起点として、コールドプレイ、ミューズ、アークティック・モンキーズ、カサビアンをはじめとするUKロック、ビョーク、シガー・ロスなどのアイスランドの音楽、ボン・イヴェールなどのインディーフォーク、トゥー・ドア・シネマ・クラブ、ヴァンパイア・ウィークエンドなどのインディーロック、そしてジェイムス・ブレイクなどなど、無数のアーティストに出会い、奥深い世界を堪能していました。


あの頃に出会った音楽はどれも大切なものばかりで、特に想い入れの深い洋楽10曲についてこの記事にまとめています。


印象に残っているライブは数え切れないほどありますが、その中でも大切な思い出が、2013年、東京ドームでポール・マッカートニーの来日公演を観た時のことです。音楽の教科書に載るような歴史上の人物が、何よりも「ロック」の始祖が、目の前のステージで歌っている。その光景に、ただただ涙が止まりませんでした。


それと、敬愛するレディオヘッドのトム・ヨークのサイドプロジェクト・アトムス・フォー・ピースの来日公演を観るために、一人で大阪のZepp Nambaに行ったことも、とても大切な思い出です。


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もう一つ、大学時代の大きな出来事が、AKB48との出会いでした。僕が 大学に入学した2010年春の時点で、もはや一つの社会現象となっていたAKB48に、気付いたら夢中になっていきました。前田敦子、高橋みなみ、柏木由紀、松井玲奈をはじめ、自分と同い年のメンバーが多かったこともあり、次第に彼女たちの物語に惹かれ、共感していったのですが、時に、選抜総選挙などの残酷な展開を見ていて辛くなることもありました。その後、ただただ純粋に表現の新しい可能性を突き詰めていく乃木坂46に出会い、今に至るまで坂道グループの活動を追い続けています。


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最後になりますが、小学生の頃から聴き続けてきた嵐の音楽は、変わらずに大切な存在であり続けていて、僕がロッキング・オンへの入社を志したきっかけでもあります。この件については、こちらの記事にまとめています。


【ハイライトメドレー】

BUMP OF CHICKEN/虹を待つ人
the HIATUS/Bittersweet / Hatching Mayflies
米津玄師/サンタマリア
宇多田ヒカル/桜流し
AKB48/ポニーテールとシュシュ
乃木坂46/制服のマネキン
RADIOHEAD/Reckoner
SIGUR ROS/Varuo
BON IVER/Perth
JAMES BLAKE/Overgrown



以上、幼稚園から大学卒業までの音楽履歴でした。

なお、ロッキング・オン時代の4年間については、あまりにも濃厚すぎて整理が追いつかないので割愛します。退職後、2018年以降については、noteで記事を投稿しています。ぜひ、過去記事を合わせてお読み頂けたら嬉しいです。


最後までお読み頂きありがとうございました!


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