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【月刊 ポップ・カルチャーの未来から/23年4月号】 いつもは原稿に書くことのない「自分のこと」について。

2018年3月末のロッキング・オン退職後、その翌月の4月からライター活動を始めて、今月で6年目に突入しました。あっという間の5年間でした。音楽ライター/映画ライターとして、振り返る暇もないまま、とにかく走り続けてきた日々でした。もちろん、まだまだ道半ばだと思っていますし、まだまだ頑張れます。今こうして頑張ることができているのは、いつも記事を読んでくださっている方たち、また、僕の活動を見守りながら応援し続けてくださっている方たちのおかげです。いつもありがとうございます。

少し前、3月31日にNHKで放送された『BUMP OF CHICKEN 18祭』を観て、一つ思ったことがありました。『18祭』とは、これから先の未来を担う18歳世代の想いをもとにアーティストが新曲を制作し、それを1,000人の参加者と共にパフォーマンスするという企画です。今回の募集動画のテーマは、「自分のこと」でした。コロナ禍で自粛や制限を余儀なくされる中で、いつしか人と距離を保ち、声を抑えることが当たり前となってしまった約3年間。そうした日々において胸の内に溜め込んでいた自らの想いを伝えようとする18歳世代の方たちの動画を観て、僕は強く感銘を受けました。自分自身のことを懸命に表現する人もいれば、悩みや不安や葛藤を正直に明かした上で将来の夢をまっすぐに語る人もいました。その姿を見て、なんてかっこいいんだろうと心の底から思いました。

そしてその時に、今まで僕は「自分のこと」について語ってきたことがほとんどなかったことに気付きました。それは僕が、主に他者の作品などを執筆の対象とする音楽ライター/映画ライターである故だとは思うのですが、それにしても、メディアに寄稿する記事はもちろん、noteやTwitterにおいても「自分のこと」についてほとんど語ってこなかったことに気付きました。

今回この記事を書き始めたのは、これから定期的に、自分が日々のライター生活の中で考えていること、思っていること、悩んでいること、目指していることなどを、少しずつ書き記していこうと思ったからです。エッセイやコラムや日記、もしくは、その1ヶ月間を振り返った月報のようなものになるとは思っているのですが、書き続けていく内に方向性はどんどん変わっていくかもしれません。ペースは、今回の記事のタイトルを「〜月号」としてしまったので、基本的には月1を想定していますが、もしかしたら増えたり減ったりするかもしれません。ただ、止まらないように頑張ります。

僕がnoteで「自分のこと」について語ったところで、そんなものに需要はあるのだろうか、とも思います。ただ、まず第一に、目まぐるしい日々の中で感じたことや考えたことを、自分自身のために、流さずにしっかりと言語化しておきたいという気持ちがあります。

また、これはとてもおこがましい話ではあるのですが、僕が「自分のこと」について書き記しておくことが、ライターを目指す(もしくは、ライターという仕事に興味を持つ)次の世代の方たちにとって、何かしらの思考のきっかけに繋がったら、それ以上に嬉しいことはないと思っています。今から振り返れば、僕は自分の上の世代の方たちからたくさんの学びを授けてもらってきました。そして、そうした方たちから現在の活動に繋がるきっかけをたくさん与えてもらってきました。そろそろ僕も与えてもらってばかりではいけないので、まだまだ微力ですが、一つずつ次の世代のためにできることをしていきたいです。この連載については、いつも書く記事とは違って、たくさんの人に読んでもらいたいというよりも、いつか、どこかで、必要としてくれる方に届けば、たとえそれがたった一人だけだったとしても嬉しく思います。

今回の第1回は、この所信表明をもって締めたいと思います。来月以降から、いつもの原稿には書けないような「自分のこと」を少しずつ綴っていきます。第2回は、音楽ライター/映画ライターとして活動してきた5年間を振り返ろうと思いますが、その時々に書きたいことをありのまま書くつもりなので、期待に沿わなかったらその時は申し訳ございません。

引き続き、よろしくお願いします。



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