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推し活のギアチェンジ(リンゲルマン効果と私)


出会う(知る)ことを起点として、「推す」という行為に至るまでには、どのような経過を辿るのか。
ここでは「推す」という行為について「推し活」と表現し、さらに
推し活①…自分のための推し活
グッズを収集する、ライブや作品を楽しむといった自己のための活動
推し活②…相手を対象とした推し活

ファンレターや握手会などの機会を通して、「応援していることを本人に伝える」活動
推し活③…第三者を対象とした推し活
ラジオのリクエストやSNS、友人知人へのプレゼンなど「他者に推しを知ってもらう」ための活動
という3つに分けて考えていきたい。



私の場合(長期の推し活①状態)

私が現在推しているバンド、Rides In ReVellionについて振り返ってみる。
彼らのことを知ったのは、活動2年目にあたる2017年のことだった。
「Cure World Visual Festival 2017」という大きなヴィジュアル系のイベントに出演するということで、雑誌の紹介ページに載っていたのが気になり、Youtubeで曲を聴いた。
当該イベントには他にも好きなバンドがいくつか出るということもあり、新木場スタジオコーストのイベント会場へ赴き、彼らのライブを見た。
当時はまだ一番小さなステージの割り当て。けれど仕切られたエリアからあふれるほど人が集まっており、私は一番後ろに立っていたが、彼らがステージに現れたときの高揚を今でも覚えている。ドリンクカウンターが近く往来があるため、彼らが目的ではない人も遠巻きながら、かなりの人数見ていたと記憶している。

すっかり彼らのファンになり、物販でCDをあるだけ買って帰り、たくさん聴いた。彼らの活動拠点と私の住んでいる地域が離れていたため、年に1~2度ライブに行けるくらいで、専ら音源を楽しんでいるファンだった。それが約6年続くことになる。

リンゲルマン効果とは

人が多いほどあまりノリが良くない、拍手が小さいなどの「社会的手抜き」を「リンゲルマン効果」という。

私は彼らが「放っといても売れる」ほど魅力的なバンドで、「私が特別何かしなくても」ファンがたくさんいるからいいや、と思っていた。
まさにリンゲルマン効果にはまっていたのである。
ファンが推し活①を土台として推し活②・③へ移行するかどうかには、このリンゲルマン効果に左右される部分も大きいのではないだろうか。

ギアチェンジのきっかけ

これについてはよく覚えているが、彼らの初めての配信ライブでメンバーの一人が、視聴者数を見てこう言ったのだ。
「皆さんいつもどこにいるんですか!(笑)」
すっと肝が冷えるような気がした。これまで数は少ないながらもライブに行き、楽曲を毎日のように聴いているのに、彼らにとって私は存在しない。
そこから少しずつ、いいねをしたり、ライブの日程だけではなく彼ら自身の投稿をきちんと追うようになった。改めて彼らのことをちゃんと知ろうと考えるようになった。

そしてもう一度私の背中を押したのが、コロナ禍が落ち着いてからの久し振りに訪れた彼らのワンマンライブだ。
彼らの熱量を生で感じた。
力強く打ち出されたメッセージに、胸が震えた。
「こんなにかっこいいバンドなのに、私は今まで何をしていたんだろう」
使命感のようなものが沸き上がり、リンゲルマン効果が打ち消された。8周年を迎えようという彼らにようやく、「応援しています」という手紙をしたためた。止まっていた推し活②へのギアが入ったのだ。
そして彼らを応援したり投稿を拡散するためのアカウントを新たに取得した。推し活③についても、揃って動き出したのである。

ギアチェンジする?しない?

このように、推し活②や③へギアチェンジすることは必ずしも起きるわけではないだろう。長年①で楽しむことだってあるだろうし、おそらくは大半の人がそこで満足してしまう。

だが、以前にも書いたようにファンレターを書くことや応援していることを表明することについては、私はおすすめしていきたい。
先述のように「いない」と思われているか「(今日は来ていなくても)いる」と思われているかというのは、あなたの推しがそれによって自信を強められるかどうかという話なのだ。

それぞれの推し活のスタイルがあることは承知している。強要も否定もするつもりはない。でもあなたがもし背中を押されるのを待っているのだとしたら、自分に問うのが一番だろう。

ギアチェンジ、する?


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