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お先真っ暗人間ができあがるまでの話




「なんでこんなことになったんだ」

誰もが知るレジェンド漫画、鬼滅の刃の最初のセリフです。


僕は鬼滅の刃が大好きな、30歳独身男性で、現在休職中です。
昔少し重めの病気になった時、このまま死ぬのかな?なんてことを思いながら無限列車編を読み、煉獄さんに励まされたことがきっかけです。


煉獄さんみたいな、情熱溢れるカッコいい大人になりたかった。
それが今、本当にふとしたときに思います、なんでこんなことになったんだろうって。

数年前まで元気に働けていたはずなのに。。


◆幼少期~大学まで

幼少期


特になんの個性もない、平凡な少年時代でした。
かなり大人しくて、ぬいぐるみで1人遊びしているような。
だからよくオカマなんて揶揄されていました。


少し風向きが変わったのが小4の頃。
バドミントンを習い始めて、他校も集まるクラブだったからそこで社交性が身につきました。
クラスで浮かないための、一定の地位を保つためのユーモアセンスもここで磨かれた気がする。



中学生になると、母の影響でミュージカルが好きになりました。
ある日見た売れないサーカス団の物語で

「たった1人でも喜んでくれるなら、喜ばせる、喜ばせたい」

というセリフに衝撃を受け、自分もそう生きていきたいなと思うようになりました。


そして漠然と役者、最終的には声優を目指すようになり、演劇学を学べる大学に入学しました。


大学時代


誰かを喜ばせるために人生を捧げたい。

その思いは真実です。
ただ、自分を犠牲にしてまでやる覚悟はない。

結局稼げないと嫌だ、自分も幸せであることが前提で、そのうえで誰かを喜ばせられたらラッキー。
結局その程度の覚悟だった僕は、同じ学科の学生たちの熱量に圧倒され、少し引いてしまい、バドミントンサークルに入ってちゃらんぽらんな学生生活を送りました。

友達はたくさん増えたし、サークルでは代表をやらせてもらって、それはそれは楽しかったけど、自己研鑽という意味では何も得られなかった4年間だったと思います。


そして就活の時期。
覚悟はないくせに、まだ役者への未練を捨てられない僕は、働きながらある程度自分の時間も持てるような、さらに仕事がそのまま夢にも活かせるような仕事という意味で、コールセンターに就職しました。


◆社会人になってから

就職


給料は高くもないけど低くもない。
そして何より緩くて、優しい会社でした。
だからこれといった不満もなく、役者学校に通いながら(たまにサボったりしながら)働いていました。

学校はレベル順にクラスが割り当てられていて、それなりに器用な僕は基礎クラスからあっという間に特選クラスまで上がりました。


特選クラスに上がると、いよいよ夢のために全てを投げ出さなければいけません。
仕事を辞めて、バイトで食い繋ぎながら学校に通う。そんな生活が待っています。


結局半端な覚悟しかない僕は、簡単に夢を諦めました。
特別な人間になりたいと思っていたのが、特別じゃなくても、平凡に努めて平凡に結婚して平凡な人生を生きていく。それも良いじゃん!
そんな風にして学校を辞めて、生きるために仕事するだけの人生になりました。


それでも、仕事は割と楽しかった。
クレームに捕まって夜中に帰ることもしばしばだったけど、後輩の教育係を任されたりして、面倒を見るのがすごく楽しくて、やりがいを持って働いていました。


転職を志したワケ


でも僕は、人間的に多分欠陥しています。
自分が教えてきた子がだんだん会社全体に馴染んで、僕は彼女がいないのに僕より先に会社の人と付き合ったりして。
自分はその子にとって1番の先輩じゃない、そう突き付けられたようで、それがショックで、面白くなかった。

露骨に態度を変えて、その子との関係はぐちゃぐちゃになりました。
それでも他の社内の人とも仲が良かったので、特に苦労はせず、少しずつ社内でも責任ある立場になっていきました。


この辺りから、周りの友人が結婚し始めます。
そこで、かつて捨てたはずの

「特別な人間になりたい」

そんな気持ちが再燃してしまいました。



一生この給料で良いのか?
もっと自分の強みを活かして稼げる環境があるのでは?



そんな風に考えるようになってしまい、転職を決意しました。
やりたい仕事があるわけでもないのに。

そして転職エージェントと相談しながら、ぼんやりと「やりがいありそうだなあ」という理由だけで転職支援の会社に入社しました。
CMバンバン打ってるような、いわば大手です。



転職、そして後悔


転職すると、なんとなくキラキラに思えた環境ではなく、想像を絶する激務でした。
「やりたい仕事を見つけたい」そんな目的も含め先の先を見据えた転職でしたが、配属されたのは全く興味もない建設業限定チーム。

行く気もない、興味もない仕事を勉強して、噛み砕いて人に勧めるのは、ただただ苦痛でした。

誰かのために人生を捧げたい、そう思っていたのに、数字を達成するために、自分は全く行きたいと思わない仕事を薦める。


入社してすぐ、転職は失敗なのでは?と感じ始めました。


さらにもう一つ。

転職してすぐ、前の会社の後輩に告白して、フラれました。

僕は勝手に絶対行けると思っていて、その子と付き合って結婚して、仕事に打ち込む。

そんな夢物語を絶対の未来のように考えていたので、計算が狂いました。


大して恋愛経験もないので、フラれたことが信じられず、2回告白してしまったりした。

相手の子はすごく困ったと思います、結果は同じでした。


そこから歯車が少しずつ狂います。

あんなに仲良かった後輩たちが、ほとんど誘って来なくなりました。
でもSNSを見るとみんなで遊んでたりして。
こっちから声を掛けてもなんかよそよそしかったり。

それに加えて、すごく僕を慕ってくれていた後輩が、他の人に僕がフラれたことを話していたのを知って、大人気なくキツい言葉を投げかけたりもしたので、言ってしまえば当然です。



でも、本当にキツかった。
毎日眠れなかった。


そんな想いを振り切るために、自衛のために、特に揉めていない人も含めて、前の会社の人のSNSを全てブロ解しました。

1人くらい「大丈夫ですか?元気ですか?」なんて連絡してくれることを期待しながら。


でも、そうはなりませんでした。


そんな風にして、あんなに仲が良くて大好きだった1社目との繋がりはゼロになりました。



すごく厄介なことに、後悔と反省はしつつも、みんなのこと、今でもあまり好きではありません。

仲良しに戻りたいって思えないんです。

2人だけ、すごく仲良くしていた後輩がいて、その子たちは戻れたら戻りたいかも…ってたまに思ったりもしますが、多分もう会うことは一生ないと思います。


どうしても、裏で何話してるんだろ…とか想像してしまって、敵に思えてしまうんです。


休職

そんなこんなで依存先もなく、苦痛である仕事に向き合う日々が始まりました。

新しい会社は、社風、人、業務内容、全て自分には合わなくて、本当に本当に苦しい想いを抱えながら1年半くらい働きました。

比較的話せる人はいるし、関係も良好ではあるのだけれど、どうしても好きになれなかった。

結局僕は面倒なことが嫌いなんです。
だから仕事大好き!お客様のために!なメンバーが、言葉を選ばず言うとなんか気持ち悪くて、ずっと嫌でした。


そういうぼんやりとした「嫌」を抱えていると、なんだか無気力な人間になっていきました。


夜、もう寝れば良いのに寝ない。
興味もない昔の事件を調べたり、動物のショート動画を延々見たりして過ごす。
好きだった漫画も読めない、アニメも見れない。


ちょっとずつ心が死んでいっているのを実感しました。


僕は、面倒なことは大嫌いですが、なるべく人に迷惑はかけたくない、逃げるようなことはしたくないと思っていました。

だから休職という選択肢は本来あり得なかったはずですが、だんだん、もう全部が嫌になっていきました。


6月のボーナスをもらったら休職しよう。
その間にやりたいことをちゃんと見つけて、自己研鑽して、転職しよう。


そして、それを実行して今に至ります。



◆そして現在


拍子抜けするくらい簡単に休職できました。

心療内科に行って診断書をもらって、上司に報告して、それだけ。


そして大嫌いだった仕事と離れることができました。

よし!ここから人生挽回するぞ!

初めはそんな前向きな気持ちでした。


僕はこれといったスキルがありません。
転職するにも、資格に書けることが運転免許しかない。
そこがコンプレックスだったので、とりあえずPC教室に通い始めました。


通い放題コースにして、それから英語も勉強したい。それからそれから…。


そんな風に夢を見ていたはずなのに、結局1日のほとんどをダラダラ過ごしてしまっています。

やりたいことを見つけたい、でもとりあえず、ゆっくりしたい。
そんな気持ちが先行してしまっています。


PC教室には行っています、エクセル7級から始めて、1級までできるようになりました。

英語はほとんど勉強できていません。たまに単語をやったり、英会話ラジオで学んだりする程度。

ジムにはほぼ毎日行っています。
キロ6分からキロ5分まで走れるようになりました。

出前館の配達も始めました。1日1500〜2000円前後、運動がてらやっています。

ファイナンシャルプランナーと知り合って話を聞いたり、バイクの免許を取るために教習所手続きもし始めました。

貯金はかなりあります。多分40歳くらいまでは普通に生きていけそうなくらいには。


でも、それだけなんです。
肝心のやりたいことが見つからないんです。


今は、やりたいけど時間がなくてできなかったことを消化する時期。

そう自分に言い聞かせて、M-1に一緒に出てくれる人を探したり、ブログとnoteを始めたり、漫画原作賞にノミネートしてみたり。

そんなことをしていますが、それもあくまで片手間です。
本気でやっているつもりではあるけれど、起きてぼーっとしたり、2時間昼寝したり、エロい動画見て夜更かししたり、ムダな時間があまりにも多すぎる。


やりたいこともない、社会復帰できるかもわからない。
そんな状況なのに、ムダにして良い時間なんてないのに、今もオリンピック見ながらこの記事を書いています。


特別になりたい気持ちが今も消せていないから、この記事が誰かに届いて、応援のメッセージをもらえないかな、なんて図々しい夢を抱えて。


僕は、どうしたら良いんでしょうか?

どうしたらキラキラしていた頃の自分に戻れるでしょうか?



こうしてお先真っ暗人間ができあがりました。

30歳がこんな感じなんて、想像もしてなかったな。

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