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メメント・モリ【墓じまいと森林葬/お墓をDIY】

津和野ヤモリーズ六期生のシモダです。お盆休みをいただき、故郷の鹿児島に娘を連れて里帰り、墓参りしてきました。

鹿児島県民は頻繁に墓参りをするのですが他県の人から見ると珍しいということを知ったのは鹿児島を離れてからで、実際私も地元で店をやっていた頃は毎週墓参りに行っていました。花が枯れる前にまた墓に行くので鹿児島のお墓はいつもカラフルです。切り花の消費量で鹿児島が常に上位にランクインするというデータにも納得。…なのですが、「少子高齢化」という言葉が現実味を帯び始め、町の過疎化と空き家問題の話をニュースで耳にし始めた頃から、我が家の共同墓地も年々と墓じまいするところが増え始め、私が子どもだった頃と比べると随分寂しくなったなぁと印象を受けました。核家族化や少子化の社会的な原因により、家系を重んじた今までのお墓の管理体制では維持が厳しくなったことを実感します。

私は長男で、いわゆる「墓守」という役が回ってくる立場にあるわけですが、個人的には死んだらその辺の野原にでも骨を撒いてくれれば自然に還ってそれで終わりにしてもらいたい、一人娘やその次の世代にも墓の維持を押し付けて負担をかけたくないと考えています。保守的な家族親戚とのバトルは不可避だと思われますが、密かに練っていたある計画をそろそろ実行すべき年齢になってきたなと感じる今日この頃。それは自然葬というものです。

自然葬とは?

「自然葬」とは文字通り遺骨や遺灰を自然の循環の中に回帰させる葬送方法のことです。
私には以前バックパックを背負ってあちこち旅をしていた時期があり、世界のいろいろな死との向き合い方、葬儀の方法、墓の在り方を旅先で見聞きし、やがて来る自分の墓守としての立場、そして自分が墓に入るということを考えるようになりました。

自然葬の種類

一口に自然葬と言っても様々な種類があります。インドの遺体を火葬にしてその灰をガンジス川に流す水葬、チベットの屍肉を鳥に食べさせる鳥葬、日本の古琉球エリアでも明治あたりまでは遺体を埋葬せずに自然に還す風葬というのが一般的だったそうです。現在日本で一般的になっている火葬の後に焼骨を家墓に納めるという方法が普及したのは明治以降になってからのこと。

中でも私が注目したのは、墓石の代わりに樹木を墓標とする墓のことで遺骨を直接土に埋める「樹木葬」、遺骨を粉いてパウダー化して森林に撒くという形態の「森林葬」というもの。近年の欧米では「緑の埋葬」と呼ばれる樹林墓地が増えていて、多くは私と同じように「墓の維持という負担を家族に押し付けたくない」という理由からなのだとか。

森林葬のメリット

緑の埋葬のメリットは、まず樹木葬も森林葬も森林保全に役立つこと、残された家族の負担が少ないこと、墓石と比べると費用がかからないこと、ペットでも血縁関係のない例えば友人でも一緒に眠れること、などが挙げられます。

津和野ヤモリーズで身に付けた自伐型林業の技術や知識を生かして、先祖の残した山に自分と子孫のための緑のお墓をDIYというのも素敵な終活かも知れない、などと想う41歳の暑い夏。広島長崎の原爆投下の日や終戦の日などこの時期は色々考えさせられるシーズンですね。
ちなみにタイトルのメメント・モリ(memento mori)はラテン語で直訳すると「死を想え」「いつかやってくる死を忘れるな」という意味の言葉です。

明日から約1週間ぶりの出勤で休みボケした頭と体でやや心配。メメント・森。まだまだ猛暑日が続きますが、体調を崩さないよう水分補給をしっかり心がけて死なないよう自伐型林業修行に励みます。津和野ヤモリーズ六期生のシモダグンジでした。

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