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胡蝶の舞か、フリルの舞か

画像:スイトピー(yurarismile)は「花の形が蝶の飛び立っている姿」に似ているといわれている。

千珠は手品の舞台に登場した。白いフリルの付いたブラウスを着て。フリルをフルフルと震わせながら、扇の舞を舞う。緩やかな円を描くように、白いフリルをフルフルと震わせながら、艶やかに扇の舞を舞う。

千珠は白いフリルの中からピンクのフリルを1つ取り出し、回りながらピンク色のフリルを見せ、蝶が舞うように扇で煽る。

千珠はフリルの中から2つ目のピンク色のフリルを取り出し、2つのピンク色のフリルを、蝶が戯れるように扇で煽る。蝶同士を離しては、近づける。

戯れる蝶と千珠が楽しそうに、嬉しそうに舞う。

千珠はピンク色の蝶フリルを片手で掴み、もう一つのピンクのフリルを扇ぎ上げる。片手で掴んでいたピンクのフリルを手の平で摘まみ、揉むと、ひらひらとピンクの紙吹雪がハラ、ハラ、ハラと舞い上がり、舞い降りていく。

扇ぎ上げられた、もう一つのピンクのフリルも手の平で摘ままれ、揉まれ、扇で扇ぎあげると、ピンクの紙吹雪がハラ、ハラ、ハラと舞い上がり、舞い降りていく。

一陣の風がピューと吹き、舞い降りていたピンクの紙が吹雪となって消え去った。千珠はお辞儀して、ピンクの紙吹雪を追って舞台から袖に去って行った。

「胡蝶の舞」は伝統的な手品の一つである。一子相伝で伝えられ、現在では、2家のみが習得し、継承している。


・水中脱出マジック
・参考:東洋文庫蔵『名陽見聞圖會』がある。※NHK「歴史探偵」で放送された。下のいずれかが通れ!

東洋文庫画像DB

東洋文庫


手品は古来よりもあったようだが、江戸時代、十には、19「其二 水がらくり桶抜け」が記録されている。

桶に水を張っておき、演者がその桶の中に入る。

東洋文庫蔵『名陽見聞圖會』から

次に、蓋をして錠をおろされ、桶に閉じ込められる。

さらに、幕を下ろして、何秒か待つ。

再び、幕を上げると、蓋も鍵もそのままで、演者が桶の蓋の上でポーズをとる。

これは「世界で初」の水中脱出だった。それ以前は、ハリー・フー・ディーに(1874-1926年)が1908年ミルク缶からの脱出を成功させていた。「水がらくりぬけ」は70数年前の江戸時代に行われていたことが分かった。

江戸時代の手品は素晴らしかった!