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Z世代・100年前って遠い?100年後って遠い?

*所期の目的からは外れてしまったが、趣旨は同一。

Z世代:1996年以降の生まれ+2010年までとする。

バイデン大統領にとっても、100年前は1922年。彼にとって遠い過去だろうか。両親の出生年代に近い。アメリカの1920年代で印象深いのは、いわゆる「禁酒法」である。禁酒法が施行される前日は「酒の取り付け騒ぎ」が起こっている。1920年代のアメリカ経済は多くの産業が発展をしていく初期段階の過程にある。

バイデン大統領の親世代は、子供時代にあり、1929年の大恐慌を経験するが、1940年代初め頃、結婚し、1942年、バイデンが誕生する。太平洋戦争のまっただ中。終戦を向かえて、1950年代に黄金時代Golde Ageを享受する。1950年はバイデンは8才。バイデンはアメリカの引き続く1960年代の黄金期を経験する。

バイデンが26才の時、100年前を振り返る。100年前は1868年。アメリカでは、南北戦争も終わり、最初の大統領選挙が実施される。日本では、明治維新だ。2022年から154年前、Z世代が生まれる1996年から128年前、100年前よりもずーっと前だ。もうこんなに遠くなっている。

Z世代の1996年生まれは2022年26才だ。26才のZ世代にとって100年前は1896年。1896年には、アテネオリンピックが、近代五輪最初の大会として、ギリシャのアテネで行われた。2021年の東京オリンピックは32( XXXII)回大会だった。

1896年より少し前、1890年に、アメリカ合衆国本土のフロンティアがなくなり、公式に宣言されており、西部開拓時代は終わりを告げている。さらに、西へ進むと、日本がある。ペリーの黒船来航は1853年となっている。1896年より2年後、アメリカはスペイン戦争を終えて、アメリカ大陸を手中に収める。

Z世代の親世代が生まれた頃、(日本は1960年代中頃)「高度経済成長時代」に資源問題と環境問題が厳しさを増した。大気汚染は深刻になっていった。しかし、Japan as No.1(1979年)に向かって邁進していた。

一方で、親世代が20才の頃、1985年に地球温暖化に関する初めての世界会議(フィラハ会議)がオーストリアで開催された。地球温暖化が強く意識し始めた頃である。

1985年から10年後の1995年、親世代が結婚し始め、Z世代が誕生し始める。1995年の頃、地球温暖化は進んでおり、地球の平均気温は0.5度前後高くなっている。生物が生存する環境が大きく蝕まれ始めている。

地球温暖化は平均ばかりが重要ではない。「極端現象」を考慮しなければならない。ワイルドファイアの頻発・森林火災の大規模化、常識的な降水や洪水を越える浸水・洪水・大地の崩れ、氷山の融解や崩壊などが起こり、生物の、人類の生存・生活環境が著しく侵されている。

*「極端現象」:この用語は誤解を招きやすい。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書では、「extreme event」とされている。平均から大きく外れて起こる気象現象を示す。

今、気候変動を始め、地球における人々の生存・生活環境が厳しさを増しつつある。残念なことに、遡及するのはもはや期待できないところまできている。

地球温暖化が進む過程で、Z世代が30代の中頃(2030年ごろ)、地球の平均気温は1.5度C上昇することが予測されている。50代を向かえる2046年頃、親世代は高齢となり、地球の平均気温はさらに上昇し、2度近く高くなると予測されている。Z世代が100才になる2096年頃には、予測分散が大きくなるが、上昇温度が3度付近が多く、中には5度以上高くなると予想しているケースがある。

Z世代の誕生した1996年から100年後、2096年、2022年から74年後、すくなからずの人数が100才を向かえることが予想されている。Z世代の多くは、人生の大半を地球温暖化とともに暮らすことになる。遠いかもしれないが、長く続くことも念頭に置く必要がある。

画像:地球平均地表気温の変化予測(IPCC第3次評価報告書<2001年>より)