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カヌー

もう一度その岩壁が晴れあがることがあるのだろうか その日がくることを試しに木が泣きつづけている海に見つける なにごとも保存するためには抽斗のスペースが必要だと誰も見えないままめくられつづける波の印象をボートの形に折って水面に浮かべる カヌーに乗れば陸地の形がよく見えてきてじぶんも無骨な陸地であったことがはっきりしてくる カヌーはそのまま陸地ではないところに降りて浮かぶ そうやって死者の回りを丁寧にめぐりはじめる 浮かぶ陸地にのこるデキモノや崖崩れの跡をみつける いやに寒いがここでバーナーを使用しても大丈夫なのだろうかと破れかけた疑問が波間を浮遊する その半島の突端で、巨大な幼児を舳先に乗せたカヌーが半島の回りを傾いでめぐる

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