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【読書記録】ループ・オブ・ザ・コード

2023年5冊目。

読書会の課題本です。

かつて虐殺が行われた国が舞台で、その国は将来に遺恨を残さないために全てを無かったことにすることを国際社会から命じられます。

建物も言語も人々の名前すらも消し去られ、新しいものに置き換えられた人工の国で、子どもたちが奇病に侵されます。

主人公は病気を調査するために派遣された現地調査員です。ですが、かつて虐殺に使用された兵器が奪取される事件が起き、その兵器の行方を調査することも命じられます。

兵器の捜索を行うスパイものとしても読めますが私は子どもたちを治療する医療小説として読みました。

《以前》の国を知らない子どもたちに過去が亡霊のように襲う様は悲しかったですし、治療のために主人公がとった手段ではその過去に救われたとも考えられます。

過去をなくそうとしてもなかなかなくせるものではありませんが、過去の解釈であれば変えられるということなのでしょうか。

同じ医療小説としては『エピデミック』がおすすめです。

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