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【読書記録】七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

2024年93冊目。

もう一冊の方の『影牢』と比べると新しい作品の多いラインナップ。怪談専門誌『幽』があるのが強い時代ですね。編集長の東雅夫さんの功績だと思います。明らかに『影牢』のラインナップとは雰囲気が違います。

お気に入りは小野不由美「芙蓉忌」と恒川光太郎「死神と旅する女」。

「芙蓉忌」は営繕かるかや怪異譚シリーズの作品。このシリーズはそんなに恐ろしい結末になることはありませんが、静かに淡々と恐ろしいことが起きるのでひんやりします。

「死神と旅する女」は恒川作品の良さがよく現れている短編だと思いました。長編が書けそうな設定を短編でコンパクトにまとめるのが非常に上手い方です。今作も決して怖い作品ではありませんが平成の怪奇小説の一翼を担う方だと思います。

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