【読書記録】変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】
2023年62冊目。
本格ミステリならぬ変格ミステリに焦点を当てたアンソロジーで戦前編から続く第二弾となります。一九四五年から一九七五年までの作品が十作収録されています。構想としては一九九〇年までの戦後編Ⅱ、そして現代編と続くとのことなのでぜひ続巻の刊行を待ちたいと思います。
収録作品の中では「鵺の来歴」、「塩の羊」あたりが印象に残りました。
「鵺の来歴」の日影丈吉は短編の名手で、私も「猫の泉」などお気に入りの作品の多い作家です。神社に掲げられた鵺の図と、それに関連した事件の顛末には深い余韻があり読み応えがありました。
「塩の羊」は潮が満ちていくなかで羊の皮をかぶった女が沖に向かって歩いていくというイメージが強烈で印象に残りました。
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